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“男のためのガーデニング”改め

御朱印蒐集~近江八幡市 安土町 沙沙貴神社~

2018-05-27 19:19:19 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 沙沙貴神社は「佐佐木源氏(佐佐木大明神)」を祀る神社になりますが、この佐佐木氏(佐々木)というのは興味深い一族だと思います。
社伝によると、宇多天皇(869~931年)の皇子・敦実親王(892~966年)の玄孫である源成頼が蒲生の地に下り、成頼の孫にあたる経方が佐々木姓を名乗ったことが佐々木氏の始まりだとされます。

佐々木氏は、源義朝に組みした平治の乱(1159年)に敗れ、一旦は近江を追われますが、源頼朝が平氏打倒へ挙兵(1180年)した際に功績をあげ、近江守護職となっています。
その後、佐々木氏は4家(大原氏、高嶋氏、京極氏、六角氏)に別れ、織田信長に敗れるまで近江国は4男・六角氏が支配していたとされます。(社伝参照)



佐々木源氏の末裔としては、佐々木家の直系各家の他にも「朽木家・黒田家・三井家・乃木家」など220余姓の末裔がいるとされる家系だとされます。
興味深いのは、古代の蒲生の地は「沙沙貴山君」という豪族が支配していたとされること。
時代は若干ずれるようですが、同じ地域を“ささき”を名乗る一族が支配していたというのは面白い話ですが、この“ささき”つながりの話には諸説あるようです。



境内図がなかったため配置が分からず、最初に駐車場のすぐ横にある東参道から入ってしまいました。
一旦入ってから表参道があることに気がつきましたので、表参道・一之鳥居に回り込みます。
「佐々木大明神」の扁額が掛けられた鳥居を守護する狛犬は普通の神社の狛犬より大きく迫力があります。



楼門までの道は新緑が美しく、参詣した時は「ヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)」が満開で花見や撮影の方が多い季節でした。
楼門前には「男石(おのこいし)」「女石(おみないし)」という性器を連想させる石があり、その石は縁結びの場所ともされているようです。



「楼門」は江戸中期(1747年)の再建とされており、厚みのある茅葺きの屋根が見事な二層門で見応えがあります。
門の横につながるのは、江戸後期(1848年)に建てられた「東西回廊」。

「沙沙貴神社」の扁額は有栖川熾仁親王の御染筆、明治24年 三井家の奉納と書かれています。
三井家は、佐々木氏の末裔、藤原道長の子孫ともされ、事実は如何なるものかとは思われますが、こういったところに痕跡はあるようですね。



沙沙貴神社では「近江源氏祭」という全国の佐佐木源氏一族の方々が参集する祭典があるそうです。
血縁・地縁のない方々が、同姓つながりで集まるのは面白い行事ですね。



正面にある「拝殿」と後方にある「本殿」は江戸後期(1848年)に四国九亀藩主京極家によって建立とされています。
参詣した時には初参りの家族の方がお祓いを受けておられたため、境内に祝詞が拡声されて響く中、初々しい家族の様子が微笑ましくみえます。



拝殿・本殿と同じ年に建てられた「権殿」があり、佐々木源氏ゆかりの神々と一緒に陸軍大将:乃木希典が祀られています。
この時はなぜ乃木将軍が祀られているのが分かりませんでしたが、この乃木家も佐佐木源氏の末裔と伝わる家とされていますから納得がいきます。



権殿の裏側からは「恵方・吉方の社」の扁額がかかる鳥居があり、中には末社の祠が並び、さらに奥には「干支の庭」という干支の石像が並ぶ庭があります。
境内の全域に季節の花の樹が多く植えられており、花の神社ともいえる和やかさを感じます。



佐佐木神社は想像していたよりも立派な神社だったことに驚きましたが、満開の「ヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)」も見事な咲きぶりでした。



このヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)は1988年に伊勢神宮から譲り受けた苗木を育てたものだそうですが、約30年での成長ぶりは凄まじく、約10mの巨木へと成長しています。
ヒトツバタコの学名はchionanthusといい、ギリシャ語で「雪」と「花」の意味があるそうです。
見た目はまさしく雪の花、時折舞い落ちる花弁は粉雪を連想させるような心地よさです。





源氏の家系とされる家(特に武家など)は非常に多く、時にはそういうことにしておくといった武将もあって複雑になっているようですが、宇田源氏の系譜には意外な名前が出てきて面白いですね。
意外だった歴史の話となんじゃもんじゃの花に和んだ気分になってしまい、「呑月の庭」と呼ばれる石庭の池の鯉にエサをあげてくつろいでしまいましたよ。



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