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難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

社会におけるファックス番号公開の意味。電話リレーサービスの実現へ。

2011年08月15日 04時03分29秒 | バリアフリー
震災後、東電が計画停電の問い合わせ先が電話番号だけだったことに対し、全難聴はファックス番号の公開を要求して実現させたことがあった。
問い合わせ電話番号にファックス番号が入るというのは画期的だ。

聴覚障害者は理解頂けると思うが、聴覚障害者は電話番号を見て拒絶反応というか、自分が社会から阻害されていると感じる。
役所の広報であろうがスーパーのちらしだろうが病院の看板だろうが電話番号しかなければ自分はこれは関係ない、関わることのできないよその世界のものと感じている。単なる電話が出来ないという不便さを越えたものだ。

聞こえる人にとって、電話番号が書いてあれば何時でも問い合わせできる、情報が得られる、自分にメリットがあるかないかを確認が出来るという気持ちがあるだろう。
電話番号を公開する側にすると、世界中の誰からも電話を受けることが出来る、電話があるかも知れないという意識を持つのではないか。
しかも、電話は匿名性があるので電話を切れば関係が終わるという特性がある。

障害を持たない人間は誰でも出来、豊かな情報を持つ音声コミュニケーションが出来るのだ。だからラブコールからビジネスにも利用されている。

人工内耳で電話ができるようになってから、それでも聞こえるかどうか心配でハラハラしながら電話するが、どんな相手か分からない、どこにいるか分からないけれども電話すれば連絡が取れる。ユニバーサルな世界と感じる。
しかも双方向でリアルタイムで進むことがメールやファックスと決定的に違う。

ファックス番号の公開から電話リレーサービスの実現を図らねばならない。

ラビット 記

NHKの臨時ニュースの字幕付与しない理由は「お情け意識」だ。

2011年08月15日 02時59分47秒 | 放送・通信
NHKは災害時の臨時ニュースに字幕放送を実施しない理由を「高度なスキルを持つオペレーターや政策(ママ)・技術担当の要員ならびに必要な設備を確保」(NHKの回答書http://bit.ly/iNJcWR)が課題と指摘して来たが、当事者の言葉で裏付けられた。

「理想としては」と難聴者等の要求を「夢物語」にしてしまうのは、障害者権利条約にも障害者基本法にも規定された国民のテレビへの情報アクセスの権利を保障するという意識も観点もないことが明白だ。だから権利に対して「コスト」を対比するのだ。
NHKが自局の視聴者を対象にしかもマイノリティに対するお情けサービスと思う意識を変えるまで闘わねばならない。

欧米にはキャプションセンターがあり、字幕制作はテレビ放送だけでなく、インターネットストリーミング、動画配信、DVDまであらゆるメディアを対象に事業を展開している。

ラビット 記
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「理想としては24時間体制にしたいのですが、外部事業者にそれだけのスタッフを抱えてもらうということは、日常的な仕事量と見合わないというジレンマがあります」 (NHKメディア展開部長)
その解決に向け、15日~18日までの4日間、15時~16時までの1時間のニュースで、NHK技研が開発する「音声認識を用いた生字幕制作システム」を活用したという。
発災から17日までの1週間、生字幕対応は40時間(2,400分)、普段の2倍という時間となった。(月刊ニューメディア2011年8月号84-85頁)
http://amba.to/nf1jz3