60歳からは「粗食」
「野菜ファースト」をしてはいけない理由
体の変化に合わせた食事のコツとは
60歳からは「粗食」「野菜ファースト」をしてはいけない理由
体の変化に合わせた食事のコツとは
60歳を迎え、そろそろ健康にも気をつけようと意識する方も多いはず。
仕事や生活の変化を迎えるのも60代が多いですよね。
では、食事ではどのような点に気をつけたら良いのでしょうか?
『ずっと元気でいたければ 60歳から食事を変えなさい』
(森由香子 著、青春出版社)から、
からだの変化に合わせた食べ方のヒントをいただきましょう。
60歳からは「たんぱく質ファースト」が元気への近道?
「野菜ファースト」や「ベジファースト」は、
食事の際に血糖値の急激な上昇や食べ過ぎを抑える食べ方として
ダイエッターを中心に広まっています。
しかし、本書では「60歳を過ぎた方には『野菜ファースト』はおすすめできません」
ときっぱり書かれています。 その理由として、年を取り食が細くなることで、
すぐにお腹がいっぱいになるためだそうです。
野菜、おかず、ごはんの順で食べる習慣が身についていると、
必要な肉・魚などのたんぱく質を食べる前に満足してしまうことに。
たんぱく質が不足すると、
加齢とともに筋力の低下につながりやすくなってしまいます。
粗食や野菜ファーストは、ダイエットをしている若くて健康な人にならおすすめしたい
食事方法ですが、60歳以上は食事のバランスが大切になってきます。
食べる量が減るのであれば粗食や野菜ファーストはやめて、
「たんぱく質ファースト」に切り替えてみましょう。
本書でおすすめされている食べる順序は、
たんぱく質を多く含む肉や魚、卵、大豆、大豆製品から食べ、
それから野菜、最後にごはんという順序です。
ぜひ今日から実践してみてはいかがでしょうか。
たんぱく質は「筋肉」の源!
たんぱく質が足りないとどういう状態になるのでしょうか。
たんぱく質は筋肉を作るために必要な栄養素です。
これが足らないとなると、筋肉量の減少から筋力の低下を招きます。
この状態を「サルコペニア」と言います。 筋力が足りない「サルコペニア」になると、
次は歩けない・座りづらいなどの運動器(骨、関節、筋肉)に影響が出てきます。
日常生活に影響が出て、一人で自由に移動することがままならない状態
「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」へ進んでしまう可能性があります。
少しずつ要介護状態へ進んでいっているのが、イメージできると思います。
やがて、身体機能の衰えだけでなく認知機能の低下や精神的・心理的な問題など、
さまざまな症状がいくつも重なって「フレイル」へと進んでいきます。
「フレイル」は英語で「虚弱」を表す言葉だそう。
気づかないうちに身体が弱っていくのを防ぐためにも、
食事のバランス、特にたんぱく質は大切です。
60歳からは少しの意識で元気な食事ができる
60歳を超えても元気でいるためには、まずは食事を見直すことが大切です。
若い頃のままの食生活では生活習慣病の原因になるし、
かといって粗食にすると必要な栄養素を十分摂れないことも。
60歳からの食事方法のコツを意識し、ずっと元気な体を保ちたいものです。
教えてくれたのは…森由香子さん 管理栄養士。日本抗加齢医学会指導士。
東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。2005年より、東京・千代田区のクリニックにて、入院・外来患者の血液検査値の改善にともなう栄養指導、食事記録の栄養分析、ダイエット指導などに従事している。
また、フランス料理の三國清三シェフとともに、
病院食や院内レストラン「ミクニマンスール」のメニュー開発、
料理本の制作などを行う。抗加齢指導士の立場からは、
〈食事からのアンチエイジング〉を提唱している。
ライター/松村翠
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