「減塩で健康に」はウソである…医療界が隠す
「塩分をたっぷり食べる日本人が長生き」
という不都合な真実
減塩は本当に効果があるのか(※写真はイメージです) -
写真=iStock.com/skynesher
減塩は健康にいいと言われている。本当なのか。
医師の大脇幸志郎さんは「アジア人は減塩しても血圧が下がらないというデータがある。
そもそも血圧が下がっても病気を予防する効果はあまりない。
高血圧者などを除くと、減塩にはほとんど効果がない」という――。
【写真】大脇幸志郎氏の著書『運動・減塩はいますぐやめるに限る!』(さくら舎)
※本稿は、大脇幸志郎『運動・減塩はいますぐやめるに限る! 』
(さくら舎)の一部を再編集したものです。
■「減塩の目標値」はバラバラ
減塩みそに減塩バターと、塩はとかく悪者扱いされ、
塩を減らすのが健康的だと信じられています。
厚生労働省も長年にわたって、塩を減らせといいつづけてきました。
これは世界共通の事情で、世界保健機関(WHO)からも
減塩をすすめるガイドラインが出ています。
それぞれの言い分によると、塩で血圧が上がり、血圧が上がると
そういうお話になっています。
ところがこのお話、よく見るといろんなところがおかしいのです。
たとえば、減塩の目標値があまりに厳しいうえに、人によってぜんぜん違っています。
厚生労働省は成人男性で1日7.5g、女性で6.5gとしています(注1)。
WHOの目標は5gです(注2)。
アメリカのデューク大学のウォルター・ケンプナーという人が
おおぜいの患者にやらせていた食事療法では、なんと0.35gでした(注3)。
注1 日本人の食事摂取基準(2020年版)
注2 Guideline: Sodium intake for adults and children.
注3 Am J Med. 1948 Apr;4(4):545–77.
■「塩をたくさん食べる日本人」は長生き
じっさいには、日本人は平均で1日10.1gの塩を食べています(注4)。
日ごろの食事をこれまでとはぜんぜん違うものに置き換えなければ、
こうした過激な目標は達成できません。
注4 令和元年国民健康・栄養調査
そこで不思議なのが、これほど全世界で塩を減らせ減らせといっていて、
日本人は塩をたくさん食べているのに、なぜか日本人が長生きだという事実です。
日本人の健康は塩で押し下げられていて、塩を世界標準にまで減らせば、
さらに突出して長生きになるのでしょうか?
それとも、塩はそれほど体に悪くないのでしょうか?
■「塩とカリウムの目標値は同時に達成できない」という矛盾
海外の目標値のほうをくわしく見てみます。2010年のアメリカのガイドラインでは、
ナトリウムを2300mg、塩に換算するとおよそ5.8gを目標としています(注5)。
注5 Dietary Guidelines for Americans, 2010.
それはいいのですが、同じガイドラインで、カリウム4700mgが妥当な量としています。
カリウムはどちらかといえば血圧を下げるので、多いほうがよいことになっています。
そして、塩とカリウムは似たような食品に含まれています。
その結果、塩の目標値とカリウムの目標値は同時に達成できないということを
2013年の論文が指摘しました(注6)。
矛盾を指摘されたためか、現行版ではカリウムの基準値がなくなっています(注7)。
注6 Nutr Res. 2013 Mar;33(3):188–94.
注7 Dietary Guidelines for Americans, 2020-2025.
いったい塩はいくらにすればいいのでしょうか?
■過去の研究データからわかった「減塩と血圧の新事実」
目標値が当てにならないので、効果を考えてみます。
減塩の目的は血圧を下げることだとしましょう。
本当は血圧を下げることで心臓や脳の病気を防ぐこととか、
長生きすることが目標のはずですが、
血圧は測りやすいので研究データも豊富にあります。
そこでまずは血圧を考えてみます。
最近、減塩と血圧についての過去の研究データすべてを集めて、
ひとつひとつ信頼できるかどうかを吟味し、ぜんぶ足し合わせるという、
非常におおがかりな研究がおこなわれました(注8)。
注8 Cochrane Database Syst Rev. 2020 Dec 12;12(12):CD004022.
続:「減塩で健康に」はウソである…医療界が隠す
「塩分をたっぷり食べる日本人が長生き」
という不都合な真実
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます