Graceのスピリチュアル日記

ささやかな日常とスピリチュアルな出来事。その中で得た気づきなどを楽しくシェアする日記。

 鹿島神宮(常陸参り その10)

2008-08-22 17:10:39 | Weblog
さすがに神宮と言われるだけのお宮である。巨木が立ち並び空気が清々しい。時間は午前8時を過ぎたところだったが、境内には参拝の人の影があちこちに見られた。朱塗りの楼門をくぐり、ご本殿に参拝。

〔タケミカツチノオオカミは、いかにも武将っぽいタイプの方だった…と思うのだが、実はあまり覚えていない。向こうもこちらも型どおりのご挨拶だったと思う。全く龍とは関係ない感じ。〕


鹿さん達を横目に見ながらどんどん奥へ。

荒御魂にもご挨拶を済ませ、一路、目指す要石へと歩を進める。

この辺りから、なぜか徐々に体が重くなり、足が前に進みづらくなっていった。それでも頑張って歩いて行くと、要石の手前50メートル位のところで突然、

『要石にヒビが入っている』と感じた。

それは感覚というか聖なる知覚というか、言葉では表現できない類のもので、でも私にとっては確固とした不動の事実だった。

(マズイ!マズイぞ、これは…)と思いながら、遂に要石に辿り着く。


お参りの人がいなくなるのを待って、リュックから熱田のお水を取り出し祈り始めた。
やはり『ヒビが入っている。』『割れている。』という感覚が伝わってくる。そしてとても水を欲している…。

石の中に眼を閉じた女神のお姿。日本神話に出てくるような女性の装束で悲しそう。それをぐるりと取り巻いている緑の龍も、同じように目を閉じて疲れているように見えた。
(お水だ!お水がなくて龍も弱っている?! お水がないので石も乾いて割れてしまった?!)


目を開けると足元に、弱弱しい姿のミミズが1匹。よろよろと息も絶え絶えに、真っ直ぐに要石に向かって進んで行くところだった。あたりは、雨が降った訳でもなく、砂埃が立ちそうなほど乾燥している固い土なのに、一体何処から来たのだろう…。


あんまり可哀想なので、お水をミミズにも少しかけてやってから、柵の手前からではあるが、社の中の要石に注いだ。社のまわりも左から時計周りに、ぐるっと水を撒く。私にできることはこれくらいだ。これでヒビがなんとかなったとは思えなかったが、一人の人間ができることは限られている。やれることはやった…。



すると森の奥からトコトコとやってきたおじさんが、私と同じように社のまわりを1周したかと思うと、突然私に話しかけてきた。

「あのさ、ここってパワースポットだと思うんだよね。」

(ん?ナに?!)

「ぼくさ、ここに来るとパワーもらえると思って来てるの!ほらこうやって、樹に抱きついても貰えるんだと思うんだよね!」
と言いながら、私に実演してみせてくれた。


(こういう人がいるから、余計石が疲れるんじゃないのッ!私が撒いた水も、この人のお陰で台無し?!)

と最初は一瞬、キッ!となったが、話をしていると、子供のような無邪気な人。生まれも育ちも鹿島の人で生粋の地元民であり、ここの神々もこの人のことは、大目にみているんだなぁという事が解ってきた。
パワーが欲しいばっかりの、神社好きらしかったが、熱田神宮にも行きたいとのことだったので、持ち合わせた熱田の参拝のしおりを差し上げた。



おじさんは、聞いてもいないのに、どんどんしゃべりまくる。突然脈絡もなく、「ここのお水も涸れちゃってさあ…」と話し出した。

「えっ!だってこの森はこんなに鬱蒼としているし、御手洗の池もあるんでしょう?!」と尋ねると、

「神宮内はなんとか残ってるけどさぁ、周りは全部涸れてしまったよ。鹿島は昔、何にもない、のどかな田舎だったのに、近年は開発開発で、工場が全部水を汲み上げてしまったんだ。今では、鹿島神宮以外、どこにも残ってないよ。」

(そういうことだったのか…。だから水が必要と熱田の神様がおっしゃったのか。見た目には涸れた様子もないのに変だなと思っていたけど、実際は鹿島の土地全体が枯渇していたのだ。)



自然と私は、旅の前日に見た夢を、思い出していた…。夢の中で私は鹿島神宮に行く途中だった。
鹿島神宮は高い山の上にあるようだった。だが山の周りが刃物で切り落とされたように垂直な崖になっており、むき出しの乾燥した岩肌から、連続的にガラガラと大きな石が崩れ落ちてきていた。数十メートルはある切り立った崖を見上げて私は、これではお参りするのは至難の業だと思っていた…。


(水が吸い上げられてしまったため、エネルギー的にみると鹿島はあんな状態なのかもしれない…。)
(もし本当にそうだとしたら、これは本当にマズイ。地元の人が何とかしてくれなくては、このままでは鹿島は、常陸は本当に危ういことになるのかも…)



私が心を曇らせているのを他所に、おじさんは突然また違う話を始めた。
「作家の谷川なんとかって知ってる?実にロマンチックで僕は好きなんだ。人は性愛があれば生きていけるって…。」

私の目は点になった。(朝っぱらから神社の境内で突然性愛の話ですか…?)

きっと目をひん向いて立ち止まっていただろう私に、全く構うことなく、おじさんは歩き続ける。散歩の途中だったのだが、御手洗の池まで私を案内してくれるらしい。



とことこと山を下って行くと、御手洗の池に着いた。
ガイドブックに清らかで美しいと書いてあったが、私は何か寒いものを感じた。暗い。気が淀んでいる。傍らでは茶店のおばさんが、出店の椅子を並べるのに忙しい。
おじさんは、そのおばさんに朝の挨拶をすると、それじゃあと言って元気に去って行った。


暗い池に向かう。木立が鬱蒼としていたからそう見えたのかもしれないけど。
空になっていたペットボトル1本にお水をいただく。最初の予定ではここで2本分もらうことになっていたのだが、大洗のお水を1本、既にいただいていたので、そういうことに。これらのお水は熱田神宮に持ち帰らなくてはならない。そう旅に出る前から神様に言われている。
でもここに来てみて、ここのお水は、1本で十分だった気がした。

龍神や神様からの応答はなし。

周りを見回すと、池と丁度反対側に鳥居があり、どなたかのお社があるのが見えた。若いカップルがお参りしている。私も参ろうかと思って鳥居の所まで行ったのだが、中に入れない。なにか異常な、妖気のようなものを感じる。そのまま急いで茶店のとこまでもどり、掃除をしていたおばさんにお宮のことを尋ねた。
あのお宮は何ですか?と聞いているのに隣の石碑のことばかり説明しようとする。何度も聞き直すとやっと、「あれは大黒様」と教えてくれた。

(あれが大黒様?!)と疑問を感じたが、大黒様ならまあ、お参りしなくても良いだろうと思いサッサと帰ることにした。なんにせよ、怪しいモノには近づかぬに限る。

その大黒様の、脇の道から帰ると駅への近道と言われたが、行きのタクシーのおじさんに言われたとおりの道で帰ることにし、再び今来た道を引き返す。



楼門の辺りまで戻ると、手洗い場にカラスアゲハが3羽ほど水を飲みに来ていた。可愛いな、と立ち止まって見ていると中の1羽が、つい~と私のそばにやって来て、体の回りを1周した。アレアレと目で追った先に、小さな祠が6つほど並んでいるのが見えた。

(ここもお参りせよということかな?)
と思い行ってみる。

いくつか知らない神様にご挨拶したのだが、中に変わった名前の神様がおられた。
〔高オオ神 闇オオ神〕
 ※オオの字は雨冠に龍なので変換出来ず、カタカナにしました。

タカオオカミ、クラオオカミ。船の安全を守る神とある。

何か心に引っかかるものがあったけど、先を急ぐのでさっさとそのまま失礼した。




赤い鳥居をくぐり、お店が立ち並ぶ参道をてくてく歩きながら、
(結局龍神をお祭りしてるところはなかったなぁ。うちのお宮に現われた龍神、助けを求めてきた龍神は結局あの要石のところで見た龍神だったのかな…)と考えていると、道端にほんとに小さなお社があるのが目に入った。

立て札があり読んでみると、
〔龍神社。※龍の字は実際は雨冠のついた字。
祭神は高龍神、闇龍神と言う龍神。鹿島神宮の水を守り火防せの神。御手洗池に二社、楼門の前後に四社、参道両脇に二社の八龍神あったとされる。参道の二社が合祀されてこの龍神社となり、明治以降は町の鎮守。〕と言う内容が書かれていた。

(ひえー!ここじゃん!ここに来なきゃいけなかったんじゃん!)

と私は慌ててお参りすることに。するとお出になられたのは、まさしくあの緑の龍神だった。なんということ、御いたわしくて目も当てられない。もともとちゃんとした理由があって八龍神祭られていただろうものを、なんとした訳か、境内には龍神とも表示されてない1社だけ。参道の二社は、道の脇に申し訳のように建てられたお宮に押し込められるとは…。鹿島神宮の方々は龍神のことをどう考えられておられるのか?私がみたところ、この土地の水を治め、要石をお守りしているのは、龍神達だというのに…。

緑の龍神は
「そなた達のお心遣い、まことに感謝する。」と言われるばかり。
お水を差し上げたくても、熱田のお水はもう残っていない。

(でも、大洗のお水ならば、ここに1本ある!!)

早速熱田の神様に確認すると、全部差し上げて良いとおっしゃったのでお宮の前に8の字に、後はお宮の周りを時計回りに3回、お水を撒いた。
これで幾分でも渇きが収まればいいが…と思いながら。

(それにしても、タクシーのおじさんに言われたとおりの道で帰って良かった…。あのまま御手洗の池から帰っていたら、肝心な所に行かずじまいになるところだった。やっぱり出会う人から聞かされたことは、大切にしなければ…。)


駅への道を考え考えしながら、歩く。
(私が見たことが正しければ、鹿島は大変なことになっている。龍神は息も絶え絶えだ。でもこれは地元の人々が正しく龍神をお祀りしなければどうにもならない…。実際人間にとっても、他の生き物にとっても水は大切なものだ。開発も大事だろうけれど、自然と調和を大切にする働きかけをして行ってもらえたらいいんだけれど。

それにしても、要石の下にあるもの、あの石が押さえているものとは、一体何だろう?烏帽子岩のように大地を押さえている感じはしなかった。
ずうっと振り払うことが出来なかったダークなエネルギーの影…。もしかしたらそれを押さえてるのが要石なのかも。その押さえの石に、龍神が渇き、力が衰えることでヒビが入ったのだとしたら…。)


…自分で今ここまで書いていて、これじゃほとんどファンタジーの世界だ、と思うが、これが実際自分が体験して得た感想なので仕方が無い。これを鵜呑みにすることなく、これを読んで下さった方がたが、ご自分なりに感じてみたり、実際訪れて確かめていただければと思う。そしてもし必要ならば、それぞれの方がたが、ご自分の直感に従って、何らかの行動をしていただければうれしく思う。



鹿島からのバスが東京に着いたお昼ごろ、関東で地震があったらしい。私は気づかず、後から友人に聞いた。8並びの日だったのでそういうこともあるのだろう。


やっと3つの神社の参拝を済ませることが出来たけど、これでまだ終わりでない。
なんとか日のあるうちに、名古屋に戻り熱田神宮に参拝せねばならない。たった2日の行程なのに、なんと密度の濃いことか…。
でも泣き言は言っていられない。
既にお盆近く。帰省の人でごったがえしていた東京駅で、半分泣きそうになりながら、切符の列に並ぶ私がいた…。







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