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重要な考え方Ⅱ インセンティブ・ディバイド

2011年06月28日 | 教育社会学
 苅谷は『階層化日本と教育危機』において、勉強を今まで通りにする子どもと、ほとんどしない子どもへの二極分化が生じており、勉強する意欲を失っている子どもや、子どもに勉強をさせる意欲を持っていない親が増えている状況を、「インセンティブ・ディバイド(誘因・意欲の格差拡大)」というメカニズムが作動した結果であると述べている。

 これは近年の教育改革が「過度の受験競争」という認識の下によるものであり、偏差値追放、推薦入試、AO入試の拡大など、学力を基準とした競争の圧力を教育の世界から取り除くことに全力をあげ、その結果受験競争の圧力を弱め、教育の世界で競争を否定する価値を広めたことにより、受験競争が維持してきたインセンティブを見えにくくしてきた。そしてその動機付けの構造に変わって、子どもたちの学習意欲を引き出す役割として期待されたのが、「新しい学力観」によって主導された「興味・関心」であるが、全体的な傾向として学習意欲の衰退を招いているという。またそれがすべての子どもたちに一様に生じているわけではなく、社会階層による格差の拡大を伴っていると指摘している。

 さらにインセンティブが見えにくくなることは、相対的に階層の低い子どもたちが、あえて学校の成功から降りてしまい、それにより自己の有能感を高めるはたらきをもつと指摘している。つまり学校での成功をあきらめ、現在の生活を楽しもうと意識の転換をはかることで、自信を高め自己を肯定しているのである。

苅谷剛彦『階層化日本と教育危機』 有信堂 2001

階層化日本と教育危機 不平等再生産から意/苅谷 剛彦
階層化日本と教育危機 不平等再生産から意
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