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こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

どうする?親おや

2015年04月22日 00時23分44秒 | 文芸
どうする?親おや

 小学校に勤めている知人との雑談で〈なるほど、これが最近の風潮なのか〉と、半信半疑ながら考えさせられた。
 先ごろ、自分の受け持つ児童が学校に忘れ物をしているのに気づき、たぶん困っているだろうと電話をいれてみた。電話口に出た母親は恐縮するでもなく感謝するでもなく、それがどうしたの?って調子で、いともアッサリと答えた。
「ああ、学校にあったんですか。うちの子が忘れて来たと訴えるんで、すぐに買ってあげましたの。だから、もうそれは捨てといてください」
 知人はあぜんとなり、二の句が継げなかったらしい。そして思い知った。使い捨て時代のの悪弊が子供に及ぶのは、やはり親の姿勢にあると。
 確かに豊かさが満ち溢れた現在の社会では、しごく簡単にお金でけりをつけてしまうのが常識化しつつある。
 それが子どもの世界に影響を与え、物事を価値判断する能力すら鈍らせてしまい、最近目立っている少年が仕出かす凶悪犯罪。その多発という社会現象を呼んでいる。
 子どもの影響度からいえば、親に匹敵するものはまずない。だからこそ、親はしっかりと子どもに向き合い社会の常識を教え導かなければならない。それも慎重に配慮した対応が必要になる。
 いま一度、わが身を振り返って、子どもの前に大人の醜い姿をさらさぬように気を付けるべきだろう。将来を担うべき子どもの健全な成長を図るためにも。
(神戸・昭和63年7月31日掲載)

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