はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「未来ロボ ダルタニアス」感想

2005-06-07 22:46:57 | マンガ・アニメ
 「未来ロボ ダルタニアス」全話視聴完了。AT-Xでの放送は2月に終わっているので時期はずれだが、色々あってためていた録画を、ようやく全て観終えたのだ。そんな訳で、まとめと感想を書いてみる。ネタばれありなので、ご注意いただきたい。

 「ダルタニアス」を語るとなると、「コン・バトラーV」「ボルテスV」「闘将ダイモス」と続く長浜ロマンロボ3部作を踏まえるべきなのだろうが、私はこの3作は、まともには観ていないので、ここでは触れたくても触れられない。CSでも複数の局で再放送されている作品群だが、私の契約していないチャンネルばかりだったので、これまで観る機会がなかったのだ。
 そんな、ろくに長浜ロボットアニメを観ていない私が「ダルタニアス」を観る気になったのは、「動画王」vol.1などで紹介されていた設定やストーリーが非常に魅力的だったからだ。また主題歌・音楽が私の好きな小林亜星・筒井広志コンビだったことも要因の一つだ。

 さて、実際に本作を観た感想だが、期待に違わぬ出来だった。本作は、ザール星間連合軍の攻撃により、焦土と化した日本で、エリオス星の王子ハーリンの息子・楯剣人をはじめとする少年少女が、ロボット・ダルタニアスでザールに立ち向かうと言うストーリー。剣人たちは焼け跡の世界でも元気いっぱいで、観ていて気持ちがいいし、剣人のお目付役的立場だったアール博士も、いわゆるロボットアニメの「博士」とはひと味違った印象的なキャラクターだった。
 主役ロボットのダルタニアスはアトラウス、ガンバー、ベラリオスの三体から成り、メカライオンのベラリオスの顔が中心に来る合体は非常にインパクトがある。アトラウスとベラリオスはそれぞれ単体での活躍も印象深いのだが、ガンバーはもっぱら援護射撃ばかりで印象が薄く、ちょっと残念だ。そう言った位置づけのメカだから仕方がないのだろうが。

 シリーズ前半は、ザールとの戦闘を繰り返しながらも、主役の子供たち一人一人にスポットを当てたエピソードが続き、どこかほのぼのした印象がある。そして、クレイタス、ガスコンなど宇宙歴戦の戦士が来訪するエピソードを経て、月面のザール基地への攻撃、剣人の父・隼人(ハーリン王子)の帰還、クロッペンの(偽りの)正体の暴露など中盤で話が一気に進み、息もつかせぬ展開の連続となる。私はここで完全に「ダルタニアス」の世界に引き込まれてしまった。
 クローンを単なる「生体部品」として蔑み、差別すると言う現在でも通用する設定を、1979年に子供向けロボットアニメで既に使っていたことには驚かされたし、当初は総司令官クロッペンがオリジナルで、ハーリンの方がクローンだと思わせておいて、途中でひっくり返す展開も見事だ。特に、自らがクローンと知った後のクロッペンの心情とその変化の描写は非常に丁寧で、実に見応えがあった。クローンの設定については、最終2話で更にもう一捻りあるのだが、ここは未見の方のために伏せておく。ともかく、中盤以降は観始めたら途中で止められなくなる事は請け合いだ。最終話まで骨太のドラマが続き、だれることがない。

 ところで、知っている人もいると思うが、この「ダルタニアス」は、監督が途中で交代している。長浜忠夫が「ベルサイユのバラ」の監督を引きうけたために、第27話以降は佐々木勝利が監督を務めているのだ。アニメで監督交代となると、作品の雰囲気や方向性が変わってしまうケースも見受けられるが、本作は監督交代前に既に最終話までの物語が作られており、また第33話まで長浜忠夫が脚本監修を行ったことで、監督引き継ぎが上手くいったようで、「ダルタニアス」は全体としてまとまった作品となっている。

 また、本作が長浜ロマンロボ前3作と比べると、どうもマイナー感が漂うのは、放映局がテレビ朝日から東京12チャンネル(現・テレビ東京)に変わって放映局が減ったためだとばかり思っていたが、手元にあった「アニメージュ」1980年2月号で「ダルタニアス」の放映局をチェックしてみると、キー局の東京12チャンネルを含めて全国23局で放映されている。「ダルタニアス」に限らず、民放4局以下の地域でも12チャンネルのアニメは比較的多く放映されており、テレ東系6局ネットのみに限って系列外で放映されないアニメの多い現状を考えると、「昔はよかった」と思わざるを得ない。

 ともかく、私にとって「未来ロボ ダルタニアス」も、心に残る作品となった。機会があれば、「コンV」「ボルテス」「ダイモス」の3作も、きちんと観返して、もっと多くの長浜作品に触れてみたい。それにしても、長浜監督が既に故人であるのは、本当に残念なことだ。


(ふと思い出したので追記)
 「マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ」の各話演出で「佐々木勝利」の名前を何度かみかけたが、本作後半の監督だった佐々木勝利氏と同一人物なのか、非常に気になる。どなたか、ご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報下さい。

アニメの関西弁について・その2

2005-06-06 00:30:55 | マンガ・アニメ
 昨年の8月、当ブログで「アニメの関西弁について」と言う記事を書いた。何気なく、軽い気持ちで書いた文章だったので、いまだにコメントが付くのには驚いている。やはり、アニメ(に限らず、ドラマなども含めて)における、いい加減な関西弁が気になっている人は多いようだ。

 今更この件を蒸し返したのは、昨日放送された「おジャ魔女どれみ ナ・イ・ショ」の第10話「結婚の約束 幼なじみのないしょ」を観たせいだ。サブタイトル通り、あいこの幼なじみ絡みのエピソードなので、回想シーンも含めて大阪弁キャラがたくさん登場する。一人か二人ならともかく、あまり人数が多いと、普通のテレビシリーズならば大阪弁が出来るかどうかにこだわらずに、レギュラー声優が兼ね役で声を担当しても不思議ではないところだが、「ナイショ」では細かいところにもこだわっていたようで、私が聴いた限りでは全員まともな大阪弁を喋っていた。
 出演していた声優は、自称あいこの婚約者・アンリマー役がサエキトモ。松岡由貴&サエキトモの大阪弁コンビなので「アベノ橋 魔法☆商店街」のあるみ&サッシそのまんまだ。他に、あいこが大阪にいた小一時代のいじめっ子役が比嘉久美子、永吉由佳、陶山章央。アンリマーの両親が水内清光、熊谷ニーナ。この中では陶山章央と熊谷ニーナくらいしか知らなかったのだが、一応調べてみたら、残りの人も関西出身だった(永吉由佳のみデータ発見できず)。

 こうなると、あいこの父(声・津久井教生)がニセ大阪弁であるのが非常に残念。津久井さんが、なんとか大阪弁らしく喋ろうと努力していることは伝わってくるだけに、聞いていてつらい。テレビ版の時から思っていたが、最初のキャスティングの段階で、どうにかならなかったものか。

 それにしても、「おジャ魔女どれみ ナ・イ・ショ」は、どの話も面白い。もちろん、話ごとに出来のよし悪しはあるが、間違いなく平均レベルはテレビシリーズより高いと思う。さすがは、スカパー!PPV作品だけのことはある。このような作品を、普通に地上波で毎週観られるのは非常に有り難いのだが、今のところABCと名古屋テレビのみの放送で、全国ネットではないのが残念だ。しかも、ABCは春休みの集中放映で、週一回のレギュラー放送扱いは名古屋テレビのみ。他の地方でも、今後放送されればいいのだが、テレビ朝日などはABC発の番組(「ナイショ」はABC制作ではないが)を冷遇する傾向にあるから、難しいかもしれない。なにしろ、「探偵!ナイトスクープ」すら打ち切った局なのだから(現在「ナイトスクープ」は、関東地区ではtvkで放映)。

 ちょっと関西弁から話がそれてしまった。ともかく、以前の繰り返しになってしまうが、「ナイショ」10話並みとはいかないまでも、少なくともレギュラーの関西弁キャラは、関西弁ネイティブな人に声を担当させて欲しいものだ。春の新番組で関西弁キャラと言えば、「おねがいマイメロディ」の藤崎真菜がいるが、声を担当している杉本ゆうが大阪出身なので、安心して聴いていられる。このような傾向が、他の作品でも続くことを期待したい。

新生ドラ第8回「まんが家ジャイ子」ほか

2005-06-03 22:34:11 | アニメドラ感想
「入れかえロープ物語」(脚本/大野木寛、絵コンテ・演出/古屋勝悟、作画監督/富永貞義)

 原作は「男女入れかえ物語」(てんコミ42巻)。4月からのリニューアルドラでは、初めて原作と異なるサブタイトルとなった。特に、敢えて変えるような題ではないと思うのだが。「男女」と強調している点が問題になったのか。
 本話は、のび太としずかが入れ替わるエピソードなので、入れ替わり後の二人がどうなるかに注目していたが、今年3月に放映された「45年後…」と同じく、体だけではなく声も入れ替わった。「45年後…」の時とは違い、二人とも声が高めで比較的似ているせいか、声が入れ替わっても違和感はなかったが、個人的には、声はそのままで声優が演じ分けるのを見たかった。始まってから2ヶ月では、まだ無理だったのだろうか。
 作品的には、オチの部分で、提供などでお馴染みのBGMが鼻歌として効果的に使われていて、印象的だった。しずか(体はのび太)が、どこでもドアで止めに入るタイミングも、よかったと思う。


「ミニシアター」(絵コンテ・演出/やすみ哲夫、原画/武内大三)

 原作は「よいこ」1970年9月号掲載作品(無題)。前回と同じく原画は武内大三で、絵のタッチも変わらなかったが、今回は不思議と、さほどの違和感は感じなかった。てんコミで何度も読んだ「ボールに乗って」と、近年になって図書館で読んだばかりの未収録作品では、思い入れが違うせいだろうか。
 いずれにしても、せっかく毎回、実験的な作画を見せているコーナーなのだから、2回続けて同じ作画は止めた方がいいのではないか。


「まんが家ジャイ子」(脚本/高橋ナツコ、絵コンテ・演出/塚田庄英、作画監督/中村英一)

 リニューアル後、ジャイ子初登場の回。前回の出木杉登場と同様に、特に説明はなかった。注目のジャイ子役は、竹内都子の二役ではなく、なんと山崎バニラ。これは、全く予想外だったので、OPで名前を見て、びっくりしてしまった。
 山崎バニラと言えば、最近では「月詠 MOON PHASE」のハイジ役(「山崎雅美」名義で出演)における高い声が印象的だったので、果たしてジャイ子をどう演じるのかと思ったが、実際に聞いてみると、どうも無理矢理にジャイ子的な低めのダミ声を出しているような感じで、聞いていてつらかった。正直言って、リニューアル後の新声優陣の中では、最も強く違和感を覚えた。
 これからも原作に沿って進むのならば、ジャイ子は一歩ずつ漫画家への道を歩んでいくはずなので、声の方もなんとかジャイ子として馴染めるようになって欲しい。
 それにしても、原作初期のまるっきり幼児のジャイ子はなかったことにするのだろうが、「ジャイ子がギャグ漫画家を目指す」という設定は「ジャイ子の恋人=のび太」から登場したのだから、こちらを先にアニメ化した方がよかったのではないだろうか。逆にいうと、本話でジャイ子がギャグマンガの道を捨てた以上、今後「ジャイ子の恋人=のび太」のアニメ化は難しそうだ。


 さて、今回の作画監督は中村英一・富永貞義の両氏。中村氏はキャラクター設計・総作画監督及び各話作監、富永氏は「宇宙開拓史」~「ロボット王国」までの劇場版の作画監督及びテレビ版各話作監として、大山版ドラの作画面の中心人物だった。アニメドラのリニューアルでキャラクターデザインが一新されたので、お二人はアニメドラから引退するのではないかと思っていた。それだけに、今回の復帰は嬉しい。
 今回の作画を見ると、基本的にはキャラクターデザインを生かした作画であり、さすがにお二人ともプロだと感心させられたが、ところどころに中村タッチ(脇役少年の顔など)、富永タッチ(一部ドラの顔)が見られて、不思議な感じがした。ともかく、これからもお二人の活躍を期待したい。

6月のぴかコミ藤子作品

2005-06-01 23:20:48 | 藤子不二雄
 さて、本日は「ぴっかぴかコミックス」の発売日なので、さっそく買ってきた。今月の藤子作品は「バケルくん」第3巻と「怪物くん」第2巻の2冊。

 「バケルくん」は、「カワルが二人に…!?」が、初めて単行本化された。これは「小学三年生」1975年10月号掲載の「新登場コピー人形の巻」を改題したもの。「パーマン」「ドラえもん」に登場したコピーロボットや、「ドラえもん」のヒトマネロボット・変身ロボット、そしてこの「バケルくん」のコピー人形と、本当に藤本先生はコピーネタがお好きなようだ。しかも、「バケルくん」ではFFランド3巻収録の「コピー人形」にて再度コピー人形が登場している。2度目に登場したコピー人形は、今回ぴかコミに収録された物とは違い、ほぼ完全に「パーマン」のコピーロボットと同じデザインになっている点が興味深い。
 ところで、「バケルくん」に関しては2巻が出た時も気になっていたのだが、2巻の「人形もかぜをひく?」と、3巻の「さらわれたのはだれ?」は、微妙に印刷が粗い。この2本は、雑誌からの復刻だろうか。だとしても、他の作品に比べて、それほど違和感がある訳ではないが。ともかく、トレスではなくオリジナルのカラーで作品を読めるのだから、復刻だとしても有り難い。

 次に、A先生の「怪物くん」。第1巻に引き続き、以前「カラーコミックス」に収録されたシンエイアニメ時代のリメイク作品及びFFランドにも収録されている新作に加えて、「てれびまんが絵本」「シングルレコード」描き下ろしの初単行本化作品から成る、豪華な内容。「てれびまんが絵本」や「シングルレコード」の作品では、シンエイアニメ版とは違って顔色の悪いフランケンを見ることができるのがポイントか。なお、今回は表紙絵も「カラーコミックス」版2巻の物が使われている。

 さて、見所たくさんのぴかコミだが、今後の続刊はどうなるのか、気になるところだ。7月は「ドラえもん」10巻と「怪物くん」3巻が予定されているが、問題は8月以降。はたして「バケルくん」4巻は出るのか、それとも他のF作品に変わるのか。これは、「怪物くん」にも言える。カラコミの怪物くんは全3巻だったが、今回はどうなることか。とりあえず、「バケルくん」は「変身人形で大そうどうのまき」「バケルくん、サンタクロースになるのまき」「バケルくん、おさけでよっぱらうのまき」など、まだフォローされていない未収録作品が残っているので、もう少し続けて欲しいところだ。

 最後に一言。本日で、ようやくこのブログも開始から1周年を迎えた。これからも、よろしくお願いします。