『水木しげる漫画大全集』全113巻完結!!

 先月、『水木しげる漫画大全集』本巻としては最後の2冊が刊行されていたのだが、今月に入って第3期の全巻購入特典である別巻5「補遺/草案・備忘録抄」が届いた。
 これにて、本巻全103巻+補巻全5巻+別巻(非売品)全5巻の合わせて全113巻が揃ったことになる。

 思い返せば、この全集の刊行が開始されたのが2013年6月。その時のことはこのブログで書いているが、足かけ5年でようやく完結したことになる。
 「全ての水木しげる漫画作品を収録する」と言うのは、単純なことではあるが、非常に困難だったに違いない。しかも、この全集は単に全作品を収録するだけではなく、基本的に初出時の形に戻して(例外はあり)収録しているので、すべて初出の状態を確認した上で、原稿に修正が加えられたり原稿が失われている場合は部分的に復元をする必要もあり、余計に大変だったであろうことは想像に難くない。
 この「初出の状態で収録する」という方針は、藤子・F・不二雄大全集の「加筆した物を最終形として収録する」という方針とは好対照ではあるが、長編連載の比較的多い水木作品では、扉絵をその都度無理なく収録できるという点でも妥当な方針だったのではないかと思う。
 いつか、『藤子不二雄A大全集』が刊行されるとしたら、やはり水木全集と同様の方針にしていただきたいと思っている。藤子A先生も長編の連載が何作かあるので、この方針がはまるのではないだろうか。

 水木全集の方針として、もう一つカラーは全て再現するというものもあった。
 これについては、初出時のカラーだけではなく、後年に何らかの理由で着色されたものについてもカラーで収録されていたので、ちょっとひっかかる部分はあった。水木作品には、この「後から着色された」というのが意外と多いというのが分かったのは、面白いことだったが。
 さらに、『ゲゲゲの鬼太郎』の「死人列車」など、初出と単行本で大きな変化がある作品については、2バージョン両方が収録されているという場合もあり、単に初出状態で収録するだけではないこだわりを感じさせられた。

 また、この全集が完結したと言うことは、いわば『ゲゲゲの鬼太郎』のほぼ完全な単行本が初めて完結したと言うことでもある。
 「週刊少年マガジン」掲載の『墓場の鬼太郎』時代から、最終18巻巻末に収録された「ねずみ猫の巻」まで、鬼太郎作品が全て収録された様子は、壮観だ。なお、以前にこのエントリで、最後に水木先生が描かれた鬼太郎作品は、全集の別巻1「未発表作品/未完成作品・未定稿集」に収録された「墓場の鬼太郎 妖怪小学校」であると書いたが、どうやら発表時期的には「ねずみ猫の巻」の方が少し遅いようだ。恥ずかしながら、この作品の存在は全集収録まで知らなかった。ここに、訂正します。

 他に、この全集の特徴として、豪華な非売品の「別巻」についても触れておきたい。
 各期の全巻購入および1・2期と2・3期の連動購入特典として配布された物であるが、全集本巻と同じ体裁で一緒に並べられるようになっている。内容的にも別巻1が「未発表作品/未完成作品」、2が「初期妖怪画報集」、3が「挿画集成」、4が「デビュー前作品大成」、そして最後の5が「補遺/草案・備忘録抄」と、全集本巻を補完するような内容であり、この全集に欠かすことの出来ないものとなっている。
 この中でも、別巻4「デビュー前作品大成」が別巻の中では最も分厚いというのも面白い。それだけ、デビュー前の絵などが大量に残っていると言うことなのだから、ある意味では奇跡的なことでもあるだろう。これを、まとめて読むことが出来るのは非常にありがたいことだ。

 と、だらだらと書いてきたが、この『水木しげる漫画大全集』がすばらしい全集であるのは、今さらくどくどと述べるまでもないだろう。今後出るであろういろいろな漫画全集のお手本にして欲しいくらいだ。
 とは言え、これだけの全集を作るには、しっかりした知識と情熱を持ったスタッフの存在と、最後まできちんと刊行できる覚悟を持った出版社がなくては無理かと思う。この全集は、それらの条件が奇跡的に合致して生まれた物なのかもしれない。
 この全集に関しては、版元の講談社の覚悟も相当なものだっただろう。なにしろ、鬼太郎の父親(目玉になる前)のかかった病気の名前など、いまでは「差別的」だとしてこれまではことごとく変更されてきたセリフが、ほぼ初出時の内容に戻っているのだ。これは、出版社にも覚悟がなければ無理であっただろう。

 最後に、全巻揃えて記念写真を…と思ったが、全巻を並べるのは大変なので、特典の別巻全5巻で記念撮影。これが、全巻購入の証にもなるものだ。




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