熊

最近熊の事故にあわれている方が多いニュースが流れていますね。

我が家の周りも毎年熊を見たと言った話を聞きます。

山に入って熊が人里に出没しだしとのも、やはり原因は人の過ちも少しは
有るんだろうと思います。

山に入れば、落葉樹の木やブナとかが有っただろうと思われる所の深い山で
も人の手が入って熊の食べる物も少なく、移動をするのにも苦労をするだろうな
と思う位に木が倒れたり、おい茂ったりしている場面が多いです。

熊の身になればね。

私も犬が熊を追いかけたり、冬眠の穴（大きな木の根っこの穴）や日当たりの
良い大きな石の有るところで犬が鳴いていることがありました。

その中でも一番怖かったのは、近所の山でイノシシを探して尾根を歩いていた時に
無線機の音を通して犬が鳴き出したので、無線機の音を絞って生の声を
聞き出して、猪にばれないようにゆっくりと静かに近づいて行ったら、
大きな石が有る崖の方で鳴いています。

猪にばれない様に、小石を落とさないようにゆっくりと息を殺しながら
近づいて行くと、犬の声がだんだんと大きく聞こえだして、もう少し
の場所で大きな岩があり、巨大岩の近くで鳴いているようです。

人の体の何倍もあるような岩の上にあがり、下をのぞくと犬は
この岩に向かって吠えているようです。　上から撃とうと思っていたのですけど
猪は見えません。　仕方なく石の横に回り、恐る　恐る横から銃を構えながら
近づきましたが岩が扇形でひっこんでいる場所にいるらしくて見えません。
獲物とは5ｍもない距離です。
ここは度胸を据えて犬が頑張っているのだからと正面、犬の後ろに行って
獲物を見ると「あれっ　色が黒いようだ　」そうなんです。熊が立っていました。

それも岩を背に、後ろからは攻撃をさせない戦法のようです。

撃つのは下手だし、
でも立っている熊は怖いと考えている間も、熊に向かって近寄ったり、離れたりと2～3ｍ位の所で吠えています。　見ていても怖いです。　　もし熊の背中に口を立てたとしても冬の熊の脂肪は厚くて噛みつけるか、噛みついたとしても熊の手は背中までまわり、あの爪で振り落とされるのが見えています。

仕方がないので、恐る恐る犬に小さな声で声をかけました。


緊張のバロメーターが最大だったのでしょうか。何て声をかけたのかを
憶えていませんが、熊に銃口を向けたまま、犬をおそったら撃つ構えを
したまま見ていると、熊との距離2ｍ少しの所で犬は吠えては近づき
離れ吠えては近づき離れています。

もう一度声をかけると、聞こえたようで銃口を熊に向けたままゆっくりと
熊から離れて山から下りたおぼえがあります。

あの時が一番、熊と出会って恐ろしかった覚えです。

無事に帰れてよかった。　山での一番の収穫は、獲物を獲ることよりも
犬と無事に山から帰る事ですからね。