淫紋と陰毛

　最近、謎のキーワードがツイッターに上がってきた。それは「淫紋」である。検索して調べたところによると、女性（男性？）の下腹部、膀胱直上の腹部に対して行うタトゥーのことであり、服従や何やらの意味が込められた呪いのようなものであるとのことであった。そして、一部のジャンルのエロ漫画に多用されるようである。
　それについての書籍をいくらか読んでみたが、このタトゥーはツールであって仕様した際の善意・悪意は使用者の意図にのみ依存し、描写されるシーンはさまざまであった。女性が子宝・安産祈願等の為に同じ個所にボディペイントでタトゥーを入れるのはインドや東南アジアでは結構行われていることらしいので、それと同様のものに、社会的に異質なことをしている背徳感のようなものを感じて淫紋というネーミングにしたのかもしれない。
　タトゥーを淫紋を入れる個所は黒いタトゥーをしても通常は目立たない。なぜなら、陰毛が生えているからである。今風のエロ漫画では陰毛の描写がなされていないので、その個所に入れるとかなりインパクトがあるようだ。自分はそれが陰毛が生えている理由の一つではないかと感じ取った。その場所に黒いものがあると性的アピールとして人間には映るのではないかと感じる。また、淫紋が感情や呪術によって成長していく描写が多数あるが、思春期には図らずも性的な感覚とそれに付随した規制や規則、感情を受け入れる等の似たことが起こるのであり、それを追体験しているのではないかとも想像された。
　こんな微妙なことについて発言するのは、危険を認識していない証拠であるが、危険を体感的に感じてそのように行動しないのは、周囲に全くその兆候がないので危険さが真に迫って感じられてこない為ではないかと思う。その辺を歩いている人間が、性的なことをしたからそこに存在しているのだと理解はしていても、性的なものを持っているなど肉体的にピンとこない感じであるとこうなってしまうのかもしれない。どうにかして、危険を察知できるくらいには性的なことに対するセンスを持てるようにしなければならないような気がする。