山の頂から

やさしい風

嘘をつくと・・・・

2008-11-16 23:58:19 | Weblog
 
 「ハ~イ、○○ちゃん?」受話器に向って娘の名を言った。
「ダメ、ダメ、気を付けないと!!」長女にすかさず注意された。

 娘の友人宅の最近の出来事だが、
咳き込みながら「俺だけど・・・」との電話があった。
電話口に出た父親は不審に思いながら通話をしつつ、
傍らで母親が息子の携帯に連絡。
本人の否定によって事なきを得たというのだ。

 手口が巧妙且つ大胆になり、老人の詐欺事件の被害が一向に収まらない。
実際に被害にあった老女は人との接触が怖くて外出が出来なくなったと、
テレビで訴えていた。本当にひどい話である。

 健康な身体を持った人間がまともに働こうともせずに、
弱者をだまして金を巻き上げるなどとは絶対に許せないことだ。
何としても捕まえて地獄に送り込んでやりたい思い。
そして、そのベロを閻魔様に抜いてもらってしまえ~と言いたい。

 こんなにも性根の腐った者が後を絶たない日本。
情けなく悲しく腹立たしい。
自分で汗して働くことが何故できないのだろう。
政治が悪いから? 教育がわるいから? 社会が悪いから?
いいや、自分が悪いのだ!! 誰の所為でもない。自分の所為だ!!

           【父逝きて母のあかぎれ尚痛し】   初桜 



隣保班

2008-11-15 22:37:04 | Weblog
 
 「お宅で買った花瓶、水が漏るよ!!」
中年の男性から電話があった。 「え~~っ!?」
今夕、70歳代の男性が竹カバーの付いた焼物の花瓶を買っていかれた。
値段は580円。中国製のものだった。
その商品は永く取り扱っていたが初めてのことだった。

 「こんなものを売っていたんじゃ、信用がなくなるよ」と腹立たしげに言う。
確かに気に入ったから買って下さったのだ。
早速、花を差したら水漏れでは腹も立とう。
住所を聞けば市内だという。
電話番号と大方の道順を聞き、団子の折を持って取り替えに伺った。
当店からは東方向、小山市に近い所だった。

 行けども行けども田圃道、皆目見当がつかない。
目安に教わった商店で訪ねてみた。
すぐそこだと暗い田圃の中を指を指す。
教わった通りに道を行ったら行き止まってしまった。
結局、小一時間探し廻って、やっとそのお宅に着いた。

 田舎のすぐそこは何と遠いこと!!
すぐお隣の何と離れていること!! 
陽の落ちた初めての田舎の家を探すことの困難さを味わった。
お客さんも最後には恐縮されて、気持ちよくお礼を言って下さった。
今日は先負。が、一件落着。ホッと胸をなでおろして帰宅した。

支えるもの

2008-11-14 23:52:20 | Weblog
 六十歳代の女性がスケッチブックを片手にやってきた。
今日は汗ばむほどの好天。山道を独りで歩いてきたという。
団子と玉子焼きをゆっくり味わって勘定を済ませてから、
五十年ぶりに訪ねてきたと仰った。
「あの縁台・・・」と外を指さしながら、
母親に連れられて花見にきたと懐かしそうに目を潤ませた。

 人は、ある頃になると頻りに子供の頃の懐かしい場所を訪ねたくなる。
私も小学校の3年生まで過ごした足利を、
ゆっくり一日をかけて巡ってみたいと思っているが、
今なお実現できずにいる。

 母は十年ほど前から「更生保護女性会」に参加している。
その機関誌に載っていた或る弁護士の寄稿文に心を打たれた。
強盗殺人罪で死刑が確定した男だが獄中で短歌の才が花開き、
毎日歌壇賞まで受賞した。
酷い境遇で育ち、落ちに落ちた人生を歩み昭和42年に刑死した。
そんな人間であったが最後に真の人間性を取り戻し、
一縷の生きる望みを持ちながらも刑の執行により世を去った。

 弁護士は≪人は変わる、変われる≫と述べている。
そして、そのきっかけがたった一言の褒め言葉によって。
親が、恩師が、友人が発した言葉で以て人生を変えられるというのだ。
思い出の中で何度も何度も反芻し支えとなる言葉の持つ力。

 今日のあのスケッチブックを抱えた女性は、
恐らく、母さんと交わした言葉を思い出し涙したに違いない。
今夜の月明けも、いつか見た夜に似ている・・・



左~~ならえっ!!

2008-11-11 23:47:59 | Weblog
 
  実家の湯沸かし器が、4年間の使用に耐えず壊れた。
あの【パロマ】だ。几帳面だった父が購入日を書き記していた。
「少しづつ、お父さんの印が消えていく」と、泣き濡れた目を向けた母。
恐らく、仏壇の前で寂しくて泣いていたのだろう。
写真の脇に『お父さん、寒くなりましたね』と、
シクラメンの絵手紙が置いてあった。
絵筆を持つきになったのかしら・・・少しホッとした。

 喪中の葉書をパソコンで書いた。
昨年の年賀状で宛て名書きをする。
『よく頑張っているね。身体に気を付けて』と、
書き添えた父の字の年賀状に思わず涙が零れた。

 冷たい風、陽の差さない日々が続き気が滅入る。
休みなく働いて、働いても働いても我が家の景気は一向に良くならない。
世の中は政治のモタつきで坂道を下るような塩梅。
やけに左派が元気づいて、これからは俺達の時代みたいに、
マスコミを巻き込んで【左~~ならえっ!!】の号令。
もの言えば唇寂しの世の中。 ああ~~、厭だこと!!

言葉の魔力

2008-11-08 23:33:05 | Weblog
 
 ディズニーランドでゴミもないのに塵取りを使う若者に、
「何をしているの?」と聞くと、
「お客様が落していった思い出の欠片を集めているのです」と答えるそうだ。

 ディズニーランドで聞くから感動するのだが、
お祭り会場では様にならないセリフだ。
しかし、世界中は経済不況。
父親が明日、リストラされるかもしれない世の中である。
明日に夢を持てない人間が溢れている。

 このところの寒さで我が家の紅葉が例年より早く色づき始めた。
しかし、ツアーの集客は芳しくない。
今年の紅葉は何処も素晴らしいとの評判だが、
我が家のそれも同様と期待をしている。

 何百年も、こういった世の変遷はあったろう。
人々の泣き笑いを木々達はじっと見てきたに違いない。
連日、天候には恵まれないが今夕の景色はまるで極楽浄土を思わせる。
謙信平の名を冠するこの地。
四百年も昔に訪れたであろう武将は、この夕景を見て何を思ったのか。

 明日も頑張ろう~~
夕陽を見ながらそう思った。
ハラハラと散る桜紅葉は静かに土に還っていく・・・

 【change!】オバマ次期米大統領の言葉の魔力は、
アメリカのどんな変身を齎すだろうか。



ああ~、宜なるかな・・・

2008-11-06 21:25:16 | Weblog
   ≪父の星見えるはずなき星月夜≫    初桜


 或る日突然、妻に先立たれた夫。
健康だったにも拘らず、約一年後に後を追うように亡くなった。
 また、子供の無い老夫婦。妻が病死した後、夫はすっかり気落ちし、
歩くことも、立つことさえも出来ずとうとう寝たきりになってしまった。
どちらも現実の話である。

 「お父さんを先に送れてよかったよ」とポツリと母が言った。
恐らく、その通りかも知れない。
母のいない父は生きる力など失せてしまうに違いない。
男やもめは昔から惨めなのだ。

 それに比べると女は現実的で前向きだから、
大かたは≪これからモード≫への切り替えがうまく、
数か月もすると明るく元気に生活を取り戻す。
亡くなった知人の奥さんがその通りなのにガッカリしたと、
或る雑誌にあった。 ああ~~、宜なるかな・・・・

 そうです、そうなんです!女は常に前向きであります。
愛する人を失って、この世のどん底から這い上がり、
≪これから≫へと立ち向かう強靭な神経を持ち合わせているのです!!

 母は泣く回数は減りつつあるも、仏壇に向かい物申すことが日課。
炬燵のコードが見当たらないと父の遺影にこぼしたら、
まるで「母さん、ほ~れ」と云わんばかりに見つかったと、
子供のように報告された。

 我が家に於いてはこの私、夫に先立たれたら見る影もなくやせ衰えて、
「よよよ~」と日がな泣き暮らすでしょう。(嘘つきは泥棒の・・・)




カアちゃん

2008-11-04 23:24:53 | Weblog
 「親孝行したい時には・・・」の諺が身に染みる。
若さは傲慢だとしみじみ思う。

 腰の酷く曲がった母親を連れてくる男性客が暫く見えなかった。
月に一度は必ず来店されていたのだが・・・
そのカアちゃんは大変な働きものだったと、何時だったか話された。
確か93歳だと言われたが、健康を害してしまったのかと気になっていた。

 見覚えのある車が駐車場に入った。
「あっ、あの親子のお客さんだ!」と判った。
車を降りたカアちゃんはゆっくりと大地を踏みしめるように歩いてくる。
農家の主婦として朝から晩まで働きぬいたカアちゃん。
真っ赤なスニーカーは大きくて歩きにくそうだ。
息子さんは50歳後半、3歩先を歩き立ち止まってはカアちゃんを待つ。

 大げさに言って5、6分<もかかって店に辿り着いた。
いつもの席に着くとメニューを開き、自分で好きなものを注文するのが常。
年齢の割には食欲が旺盛で、しっかりと食べる。
何をお喋りするでもない親子だが、息子さんは母親が食べる姿に安堵の視線を送る。
恐らく、もうそんなに長い時はないであろうこの親子の時間に、
いつも心が温かくなるのだ。

 帰りがけ「紅葉を見に来て下さい」と声をかけたら、
ニッコリ笑ったカアちゃんの何とチャーミオングななこと!!
お元気で良かった~~


 


滅茶苦茶・ニッポン

2008-11-01 23:42:00 | Weblog
 
 ここ数日間で急に冷え込みが増した。
東京では木枯らし一号が吹いたとのニュース。
謙信平の夕焼けに久々富士山のシルエットが望めた。

 それにしても、又、航空幕僚長の論文で喧々諤々の有様。
マスコミはここぞとばかりに集中攻撃ってな感じ。
1日・千葉での民主党の鳩山氏の街頭演説、
「アジアの国々に、将来また日本が何をするか分からないという
恐れを与える。政府全体の大きな責任だ」に、
少なからず違和感を感じた。

 我々は、もっと近代史を学ばねばならないとつくづく思う。
日本は悪い・悪いと教え込まれ、余りに自虐的になり過ぎているようだ。
誰も戦争など望まないが、プロパガンダによるマインドコントロールも、
ありうることは世界の常識だそうだ。

 何か最近のマスコミの在り方もおかしいし、
一つの問題提議に、寄ってたかって潰しにかかるような風潮を感じる。
共産主義も自由主義も紙一重の差のようだ。

 母が独り暮らしになって、老いることの哀しさや寂しさを、
身に沁みて理解した。
老いは不幸なことでは決してないが、希望の無い明日は辛いことだ。

 政治家は国民の目線でなどと解かったようなことを言うが、
日本の将来を見据えて心を砕く治世者は見えない。
何だか日本が滅茶苦茶になってしまうようで恐ろしい。