山の頂から

やさしい風

どうか・どうか・・・

2009-10-25 18:27:12 | Weblog
 
 老人施設から予約を頂いた。
余り外出の出来ない方々だが、太平山からの眺めを楽しませたいとのこと。
予約時間よりも1時間早くみえた。
今日は生憎の天気。しかし、まあまあ眺望は可能だった。
30人の内、職員は10名。皆、50代後半の女性が多い。

 車椅子が必要な方ばかりだが、覚束ない歩行の方は二人がかりで抱える。
全員が所定の位置に着くまで本当に大変な騒ぎだった。
目の離せない方が殆どで、職員はそれこそ誠心誠意の尽くし様。
代表者の男性が済まなそうに、「明日は我が身ですから・・・」との言葉に頷く。

 介護者の中で37歳だという男性も、汗だくになっている。
「きつい仕事でしょうに、素晴らしい介護ね」と、思わず労う。
彼は、私に目を向けながら、「辞めてしまう人が多いです」と答えた。
確かに、そうであろうと傍で見ていて感じた。
自身、認知症の姑を7年間介護し見送った。
先の見えない日々に、何度も絶望感を味わった。
が、それを乗り越えられたのは私を取り巻く周囲の理解と励ましであった。

 そして何よりも、自分はやり遂げられるという自信とプライド。
戦後の日本を支え、発展の為に尽くした先人に対する尊敬の念からだった。
人間誰でも年を取るし、明日の我が身の有り様は知れない。
命あるものに我が身を映し、他人事ではないという意識を忘れぬようありたい。
健康でいよう! いえ、健康でありたい!!と念じつつ、
前向きに感謝・感謝も忘れまい!! そんな思いを強くした一日だった。