山の頂から

やさしい風

舞い降りた天使たち

2008-11-23 00:19:21 | Weblog
 
 シンデレラが階段を駆け降りた頃、
けたたましく電話のベルが鳴った。
「こんな遅くにごめんなさい」酔った女の声がした。
「Kさん?飲んでるのね?」日中の疲れを感じながら尋ねると、
「バカ息子のことで悩んでいるの」と涙声で答えた。
幼い頃はいい子だったのに・・・と泣きながら何度も言った。
次女の幼稚園時代の保護者会で一緒に役員をした人だ。

 「止まない雨はない、明けない夜はないから・・・」と彼女を慰めた。
どんな風であれ、親は子を信じてやらねばならない。
そして何より健康だけを願うのだ。
 生まれた子を初めて抱いた時の、あの命の重み。
母となった女性は誰もが天使を授かったと感じたと思う。

 不妊治療をしていた娘さんに今月、
女児が授かったと友人からメールが入った。
御一家が待ち望んでいたお孫さんだ。
どんなにか嬉しかっただろう。
そして、数行目に『心臓の欠陥と耳に傷害がある』と書かれていた。
すぐにも心臓の手術を必要とすると云う。

 最後の行に『神様が我が家を選んで届けてくれた天使です』
『皆で大切に、可愛がってあげるつもりです』と結んであった。

 舞い降りた天使たちは、恐らく肉親の愛情を充分に受け止め、
何倍にも幸せの時を重ねてくれるに違いない。