いよいよ関西や関東方面へも接近している今回の台風8号ですが、これに関連して「経験したことのない大雨」という表現が目につきます。
それほどの大雨だったのか、という印象がある程度の言葉ですが、なんとなく「想定外の大雨」という匂いまで伝わり、台風で災害が生じるであろうから、後日起こりうる住民訴訟を前提として、行政側に不利にならないように布石(事前に行動しておくの意)としたい表現なのかな、とも思いました(笑)。
「経験したことのない」とは言っても、各地で先祖代々から様々な災害について語り継がれている言葉がたくさんあります。
最近の造語かも知れませんが、東北地方には「てんでんこ」という言葉がありますね。
「経験したことのない」とは自分自身で経験していないの意味ともとれますが、ならば年齢差はあるとしても、せいぜい「40~50年ほどなかった大雨」でいいのではと思います。
一方1872年に気象庁の前身が観測し始めたと仮定しても今年2014年で142年ですから、「異常気象」という言葉を使うのは地球45億年の歴史を考えて態度がでかすぎるでしょう。まるで寒い夜のあと暑い昼がやってきたのを「異常気象」というようなものでは(笑)。
ということで「経験したことのない大雨」というのが
- 一体、だれが「経験したことがない」というのか
- どれほどの大雨なのかの表現にしては、あいまい過ぎる
という意味で、疑問が残る、としておきます。
最後に「経験したことのない大雨」が見られるところをご紹介しておきます。
- 沖縄で経験したことのない大雨
これは日本気象協会 2014年7月9日 9時20分。
- 経験したことのない大雨 その時どうする?
これは気象庁〔日付不詳〕
- 沖縄に再び特別警報・・・経験したことのない大雨の恐れ
これはANNニュース(YouTube):2014年07月09日
- これまで経験したことがないような大雨
これはNHKエコチャンブログ:2012年07月13日
2年前のニュースであることをご了解ください。
それにしても、ここ八重山地区〔石垣島や西表島など〕では見られませんでしたが
宮古島全島(全市)にわたって避難勧告が出たときには、そうとうな違和感がありました。というのは、御存知の通り宮古島は平板な島であり、浸水に備えて高台へ移動するにも移動しようがないのです。いやそれ以前に、小さい島であり、そこから一体どうやって脱出して「避難」せよというのか、と疑問をもつのです。
気象庁としては、日本全国共通の言葉として「避難勧告」を使ったのでしょうが、各地区により事情がそうとう異なるものですから、注意深く言葉を選ばなければならないでしょうね。
各地で台風災害が伝えられ心が痛みます。できるだけ被害が少なくて済むよう祈ると同時に、台風が去ったあとで素早く救助作業が始まることを期待しております。
過去にない未曾有(みぞう)・希有(けう)・前代未聞(ぜんだいみもん)・空前絶後(くうぜんぜつご)・言語道断(ごんごどうだん)の災害なのかも知れません。