問題をかかえているアメリカ政界
- 軍事的に強硬路線を歩んできた共和党
- 経済的に狡猾さを発揮してきた民主党
アフガニスタンやイラクを混迷に追い込み、中国をのさばらせた責任は、どちらの党が主導権をにぎろうとも、避けられません。
どちらにしても、9ヶ月後2016年11月の大統領選挙、一体どうなるのでしょうか。
ドナルド・トランプ氏ってどんな人? 暴言繰り返す大富豪の共和党候補【アメリカ大統領選】
アメリカ大統領選の共和党候補者指名争いに名乗りをあげている不動産王のドナルド・トランプ氏(69)が、暴言で物議を醸しながらも根強い人気を維持している。・・・・
このトランプ氏だが、これまで移民問題などで暴言を繰り返している。ベトナム戦争に従軍し、2008年大統領選の共和党候補だったジョン・マケイン上院議員を侮辱したりもした。・・・・
トランプ氏は、この出馬表明の際、メキシコとの国境に不法移民の入国を防ぐため「万里の長城」を築き、メキシコにその費用を払わせるとも述べた。これらの発言を受け、トランプ氏が運営に関わるミス・ユニバース大会にメキシコが不参加を決めるなど、物議を醸している。・・・・
また、サウスカロライナ州での21日の演説では、共和党のライバル候補の1人リンゼー・グラハム上院議員の携帯電話の番号を嫌がらせで暴露。「かけてみよう」と聴衆をけしかけた。ちなみに、トランプ氏とグラハム議員は、互いを「ばか」「間抜け」などと呼び合い、反目し合う仲だ。・・・・
大統領選の共和党候補レースを争う16人の1人であるトランプ氏は、ニューヨーク出身。ペンシルベニア大学卒。全米にホテルやカジノ、ゴルフ場などを持つ不動産王として知られる。コトバンクによると、1994年にアジアや欧州の投資家と共同でニューヨークのエンパイア・ステートビルを買収。保有する不動産は時価数千億円ともいわれる。:The Huffington Post 中野渉 2015年07月29日
なにかと「お騒がせ」の共和党米大統領候補のトランプ。
だいたいある人を「お騒がせ」と表現するとき、筆者が対象者を好意的には思っていないのが相場ですが、私の場合は・・・・
やはりそうでした(笑)。
トランプは
ニューハンプシャーやサウスカロライナでも勝っているようですが、自分自身がアメリカ・メキシコ国境に壁を作ると表明したことについて、「一体誰がその費用をうけもつのか。そうメキシコだ」とも笑わせています。〔BBC WorldNews NHKBS1 2016/02/22〕
トランプを
好意的に思うのは、共和党支持者のアメリカ人で、その中でも一部の人に限られているようですが、まだ撤退していない共和党の大統領候補5人(2016/02/22現在)のうちで上位につけているというのですから、当初ならいざ知らず、今では無視できなくなってきたようです。
いかにも素人という感じがしますが、それが「本音」を言う魅力になっているのでしょうか。通常の上院議員~州知事出身の候補者たちが「格好」「品性」にとらわれ過ぎて言いたい事を言えないため、トランプの支持が相対的に上がっているのでしょう。
とはいえ、いかにもあぶない感じで、私の個人的な印象では、議員として存在するのはいいとしても、国を代表する大統領としてはまず失格だと判断しております。まぁ習近平や朴槿恵という首脳失格者でさえ現在がんばっているので、それへの対抗という意味がトランプ旋風にあるのかも知れませんが(笑)。
私は、不思議なことですが、自分が賛同しない人であっても、「軽蔑し見下して話さえ聞こうとしない」というフツーの人とは違うようで、異なる意見にさえ耳を貸せる「類い希なる才能」に恵まれています(大笑)。
とはいえ、「メキシコからの不法越境者に対抗する国境の壁作成発言」などの暴言?を思い出せば、もう論外の人としか言えないはずですが、これだけの支持を得ているという裏には、きっと何かがあるのでしょう。
プリンストン発 日本/アメリカ 新時代 「トランプ旋風」にダマされるな!
大統領選本戦が来年11月ということを考えると、やや早過ぎるようにも思うのですが、先週、共和党の「第1回大統領候補者テレビ討論会」が行われました。
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では2017年には、この実業家でタレントのトランプ氏がホワイトハウスの主になっている可能性が高まっているのでしょうか?
そんなことはありません。このドナルド・トランプ氏が大統領になる確率は、限りなくゼロに近いばかりか、選挙戦の主役である時期も短期に終わると考えるのが妥当です。
理由は簡単です。とにかく、このドナルド・トランプ氏は「失言大魔王」であり、「炎上商法」を使って選挙戦を引っかき回しているだけだからです。要するに「真剣な」候補ではないのです。
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やがて、トランプ氏の勢いは止まるでしょう。その時には、ヒラリーとジェブという本命中の本命が一騎打ちを始めるでしょう。ただしトランプ旋風が長引く、つまりヒラリーやジェブへの不満感が深刻なものとなった場合には、例えばルビオとかクルーズといった共和党の若い世代の思いがけない躍進ということがあるかもしれません。いずれにしても、「トランプ旋風」にダマされてはいけません。:冷泉彰彦 2015年08月11日(火)11時40分
2016年2月22日現在では、ジェブ(ブッシュ)がすでに撤退を表明しているので、さっそく冷泉の予測ははずれています。
冷泉もまれに鋭さを発揮していますが、トランプがいずれ脱落する、とする根拠として「失言大魔王」であり、「炎上商法」としているのですが、さてどうなるか、みものです。
このような「大統領候補として品格を欠く」人物が、その他の本命を抑えて上位にいるというアメリカの事情とは、一体何なんでしょうね。また共和党から指名されなかったら無所属で立候補するとは、党の分裂を意図しているとも受け取られますが・・・・。
トランプ氏「英入国禁止なら投資中止」
米大統領選の共和党候補指名争いで、先行する不動産王、トランプ氏は6日、自身のイスラム教徒を排斥する発言をめぐり、英国が同氏の入国を禁止する措置を取れば、英北部スコットランドに同氏が所有するゴルフ場への総額7億ポンド(約1211億円)の投資を直ちに中止すると語った。英BBC放送が伝えた。
英国では、約57万人がトランプ氏の入国禁止を求めてインターネット上で署名し、英下院が18日に審議することを決めている。同氏の発言は禁止措置回避を狙った“脅し"とみられる。:産経新聞 2016年1月7日
イギリスでは、イスラム過激派のテロに悩まされ、イスラム圏からのEUへの難民受け入れ分担などに反発していながら、異国アメリカ大統領候補のイスラム教徒排斥発言にも反発するなど、多様性があるというべきか、そこまで言うか、と笑います。
トランプのイスラム教徒排斥発言に対して、英国下院が審議を始めたとのことですが、まだその結果を聞いておりません。
トランプ氏は「キリスト教徒にあらず」=移民防止の「壁建設」批判―ローマ法王
【ベルリン、ワシントン時事】フランシスコ・ローマ法王は18日、米大統領選の共和党候補指名を目指す不動産王ドナルド・トランプ氏(69)が、不法移民流入防止のため米メキシコ国境への壁建設を唱えていることに関し、「キリスト教徒ではない」と厳しく批判した。
これに対し、トランプ氏は「宗教指導者が人の信仰に疑問を投げ掛けるのは、恥ずべきことだ」と猛反発。異例の応酬が、指名争いの行方に影響を与える可能性もある。:時事通信 2016年2月19日
トランプに重大な規律違反があることを理解しておりますが、これに関する限り私は、ローマ法皇の勇み足だと考えています。しょせん、バチカンもふくめ、EUそのものがキリスト教至上主義者たちの専有物になっているような気がするからです。
その根拠が「妙なイスラム教徒擁護」にあります。いや「擁護しているのだから至上主義者とは言えない」とおっしゃるでしょうが、もし本当に「キリスト教至上主義」でなければ、別の対応になるはず、と思います。
欧米が中東を見下していることに中東対立の原因がありそうだ。私にはそう見えるのです。
なぜユダヤ教・キリスト教・イスラム教が対等に話し合えないか、その辺に問題の根源がないか。
宗教関係者が、今おこっている問題が「宗教問題」であることを忌避(きひ)することなく、真剣に向き合う必要があると思うゆえんです。