11月13日、「山小屋泊トレッキング」の下見に行きました。
アスピーテライン冬期閉鎖後の登山道と車道を歩いて出かけた雪化粧の八幡平は、どんな景色を見せてくれるのでしょう。
アスピーテラインはすでに閉鎖中ですが、蒸ノ湯休憩所までは、まだ車で行く事が出来ます。この、蒸ノ湯休憩所が当日の集合場所です。
だ~れもいねぇ~と思いながらも思いは木道に積った雪。
雪で登山道が使えないとアスピーテラインを延々歩くことになるのです。
冬の指導標119番がダケカンバの根に立てかけてありました。
落下したものを、心優しい登山者が置いてくれたのでしょうね。
これが、結構クセモノなのです。
雪の付いた木道+傾いた木道は結構難易度が高いのです。誰かが落ちたら後ろの方は迷わず地面を歩く事をお勧めします。
オオシラビソの倒木がありました。
ま、こんな倒木は軽く乗り越えて進むという楽しみもありますね。
雪がまだ少ないからなのか、笹の刈り払いが行われていたからなのか、割と楽に8合目「田代沼」に着く事が出来ました。
来年(今シーズン)の樹氷に向けて、オオシラビソの木には積雪量を見越してずいぶん高い所に補助標識用の竹竿が括ってありました。
「田代沼」の秋田県側「秋田沼」、岩手県側「南部沼」も氷が張る直前でした。
心配していたアスピーテラインに向かう橋の桁はそのままだったので、渡れます。
「田代沼」からは車道の方が歩き易くもあり、何よりも、「大深沢展望台」からの景色が楽しみだったので、迷わずアスピーテラインを通ります。
~最初は右側通行をしていましたが、クルマは来ないことに気づき、二人は無言でセンターラインの右と左を歩きました。
車道を進むにつれて、景色は”初冬”のそれに変わりました。
冬の始まり、ダケカンバの霧氷姿です。
ミヤマアキノキリンソウの氷をまとった姿も風情があります。
このスケールの景色は、とてもとても私のカメラにおさまる訳もないことは知りつつ、カメラを立てたり横にしたり、この景色に感動し、更に言うと、当日の参加者の皆さんとこの感動を共感したいものだと思います。ただ、”下見の時はいつも晴れ”というジンクスはあるようで、今日のところはこの写真でご容赦頂き、当日の晴天を念じるのみなのです。
雲がかなりの速さで動きます。
日が当たると「畚岳」の特徴ある姿がスポットライトを浴びたように綺麗に見えます。
この大深岳展望台の看板は、これがここにあったので眼下に見える玉川源流部のブナ林が伐採を免れたという逸話があります。初代のレンジャーの方の手作りとか。傷んだところを修復し、腐ったところをカットしてこんな高さになりましたが、50年以上この場所にある由緒正しいものです。
雲が動き、日の当った場所の霧氷の景色が浮き上がって見えます。
ついつい見とれて。
誰もいない見返峠のパークサービスセンターが見えてきました。
毎年のことながら、人の姿が見えないのはとてもさみしく感じることしきり。
登山道に雪はありません。
さすがに「見返峠」まで登ると、ホーキで履けるくらいの雪が歩道に残っていました。
静寂の景色の中に、青い水を湛えた八幡沼がひっそりとありました。
そして陵雲荘に到着。
本日は下見なので必要はないのですが、ついつい火を焚いてしまいました。
ストーブの炎はなんとも・・・
八幡沼湿原もご覧のとおり。
やがて、手すりの高さまで積る雪も、今のところはまだ積っていないだけ。
お~っと、「田代沼」に下りる登山道は雪で覆われていました。
当日の天候でアスピーテラインを使うか、この登山道を使うかの判断をします。
例の、雪の付いた木道+傾いた木道は結構難易度が高くて、登りはクリアできたものの、下りの行程でスタッフあべは二度スリップしてしまいました。
ズボンに付いた尻もちの泥を気にしながら、蒸ノ湯休憩所到着。
吹きさらし、身を切るような冷たい風。
霧氷を纏った木々の立ち並ぶ、凛とした冬景色。
旧火口の水面に映る青い空。
雪の上に残る足跡は、この森の生き物たちのもの。
いつまでも見ていたい、山小屋のストーブの暖かい炎。
この時期の散歩も結構いいもんだ!とシャレてみようじゃないですか。
あべ