八幡平の自然 ~アスピーテ日誌~

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3/12 下見 八幡平の山並み一望の大パノラマ「栂森へ」

2019-03-13 16:55:36 | イベント

朝方の雨はどうにか上がり、秋田焼山の北東に位置する「栂森」の大雪原を目指し、八幡平を一望する大パノラマは厳しいだろうな・・・とは思いつつも下見だからこれもいい、と出かけました。

登り口は除雪で出来た雪の山。里の天気は昨日、雨から雪に変わりましたが、この辺りは20㎝程の新雪があったようです。

ベコ谷地入口の澄川に架かる丸太橋は端がわからず、横から見てもらっています。幅60㎝程の橋に風下側だけでも1m程の雪庇がついています。

新雪はラッセルまではいかないのですが、スノーシューにはコブが付き、少々重目。

二つ目の丸太橋は完全に雪の下。去年の目印テープを参考に、橋はこの辺りのはず・・・

急坂のブナ林を頑張り、ベコ谷地に到着しましたが、栂森は見えません。

正面のブナ林は栂森からつづく尾根です。

見慣れたはずのこんなヤツ。乗っかっている雪が乗っかられているオオシラビソに比べて大きすぎ、ちょっと笑ってしまいます。

モモンガの痕跡を探していましたが、私の目に写ったのはダケカンバの”わき毛”のようなオオシラビソ。

栂森に続く尾根は適度な勾配で、さすがスキー場建設の予定の場所だと思います。60年近く前に中止になったとはいえ、面白そうなゲレンデだと思います。

   

さて、何気ない普通の樹木のように見えますが、でも、ちょっと変。

状況1:ダケカンバの周りを3本のオオシラビソが取り囲んでいる。

状況2:幹の部分では互いに干渉していないが、枝の部分ではかなりのバトルがあるよう。

状況3:かなり太いツルアジサイもオオシラビソに味方しているよう。

前に見たものは、互いに共生しているという表現が出来る微笑ましいものでしたが、これは違うようで、3方向から取り囲むオオシラビソは、ここを譲る訳にはいかないと立ちふさがり、ツルアジサイは関節技。攻められるダケカンバも負ける訳にはいかない熾烈な戦い。

ダケカンバの枝が邪魔しオオシラビソは二股に分かれ、なおもダケカンバは・・・

どちらも、傷だらけ。過去の戦いぶりを示すかのように枯れた枝が目立ちます。

この戦いとは、パンチもキックの応酬もない、年間数ミリとか数センチの干渉だけの、静かな戦い。ただし、何十年も相手が枯れるまで続くデスマッチ。

いいものを見たと思いつつも、周りの景色はしだいにまばらなオオシラビソ林。天気が良ければ国見台と八幡平の大パノラマが広がるのですが、この天候ゆえ眺望は仕方のないことです。

雪に埋もれかけた若いブナはウサギのレストランとなり、冬芽をかじられていました。

栂森の頂上直下は猛烈な風が吹き、眺望どころではありません。視界は効かず、GPS頼りとなってしまいました。

樹氷の八幡平よりも更に強い風は、数の少ないオオシラビソにエビの尻尾ならぬ”伊勢海老の尻尾”を作るのですが、今年はすでにありません。

強風でぐにゃぐにゃのダケカンバ。

執拗に吹き付ける風雪と、参ったとは言わないダケカンバ、これもまた闘い。

おだやかな日であれば見方は違うと思います。こんな景色の中ではそんなことを感じてしまいます。

ホワイトアウトの石ヶ戸から栂森の尾根上を歩いています。

栂森山頂に設置されている焼山の火山活動監視用のライブカメラも雪と氷で覆われています。

毛せん峠の道標も真っ白。

国見台は視界が効かないのでパス。それよりも昼食がまだなので、風のないここいらで一息入れようと思います。

毛せん峠の鞍部まで下ると、風は嘘のようにありません。

新芽が膨らみ、赤味がかって来たブナ林の向こうには出発地そばの秋田八幡平スキー場が見えます。

こんな日の表現は「春の訪れ」よりは「春遠からず」という表現になりますが、併せて、自然の厳しさをひしひしと感じ、ゆえに花々の咲く春が待ち遠しいという気持ちになります。

17日は、八幡平の山並み一望の大パノラマ「栂森へ」本番。晴天を期待したいものです。

   あべ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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