
大沼は曇り、風がないので寒さを感じません。結氷の大沼を渡って、キタゴヨウの巨木、澄川展望地など、外輪をぐるりと回ります。
初めてのスノーシューを履いてスタート。
”スタッフあべ”の背には怪しげな道具が括り付けてあります。
これは、結氷している大沼の氷の厚さを確認するためのもので、雪の層が60㎝程、そしてシャーベットの層が続いていました。
全長130㎝ほどのドリルではこれを貫通出来ない厚みがあったので、大沼を横断することにしました。
ただの雪原を歩いているかのような景色ですが、GPSの画面を見てびっくり!「ここは沼の上なんですね!」
さて、本日の4人の方はキタゴヨウマツが大好きで、この木の研究をされているとか。
お目当ての巨木はこの先なのですが、次々にあるキタゴヨウマツに夢中!
そしてキタゴヨウマツの巨木に到着。
まず、見上げて。驚いて。触ってみて… しかし、この方達はザックからメジャーを取り出して、この木の幹周りの測定を始めました。環境省の巨木の幹周りの測定方法は、地表から1.3mの高さで測ることになっているのですが、積雪は3m以上あるので正確ではありません。それでも、このサイズのキタゴヨウマツはなかなかないそうです。
眺めたり、触ったり、撮ったり、測ったり、褒められたりなんて、このキタゴヨウマツは今まで経験なかったと思います。
「キタゴヨウマツが笑ってるよ!」と声をかけましたが、そんな気がしたのです。
旧澄川温泉展望地からの景色を眺めています。
ここは20年程前、大規模な土砂崩れがあり、温泉宿が2棟流されてしまった場所です。その後に元の森に戻すための植林作業が大勢の人の手によって行われた場所でもあります。
さら地になった雪原に濛々と温泉の湯気だけが音を立てて噴き上げていました。
いつも思う不思議なブナ。
根元が1本(雪で見えず)で途中から3本になって、枝の張り出しているところからはまた1本に戻る。という木なのです。
キタゴヨウマツが好きという皆さんには是非聞いてみたい、その成り立ち(半生)についての仮説…
~結構クールな仮説を語って下さいました。
~次回の解説の時に使わせてもらおうと思いました。
バトンタッチで”スタッフ田中”より、今度はクマ棚の解説です。
言われてみれば爪痕がたくさんついていて、この森にはクマがいるんだね!と認めざるを得ません。ただ、一生懸命にエサ探しをしている彼らの姿を想像すると、その存在が怖いだけではないことに気が付いていただけたのでは、と思います。
ここまで来て、思い出したように初めてのスノーシューは?と、お聞きすると、全く大丈夫なようで、さすが若い皆さんです。
カメラマンに注文されると、まんざらでもない様子でポーズを取ってくれました。
コースは終盤のダウンヒル体験。皆さんが選んだ下り方はやっぱり、これ!
あっ!転んだ!!
大沼の外輪をぐるりと回り、眼下には私たちが大沼を横断したトレースが見えていました。
と、ここで、”コンコッココココ”と静寂を破る音が。
私たちの存在を気にしないのか、オオアカゲラが朽木をつつき始め、期せずしてオオアカゲラの観察会が始まりました。
邪魔をしてはいけないかなと思って、食事が終わるのを待っていました。
スノーシューは初めてでも、お目当てのキタゴヨウマツの巨木に逢うことができ、深雪の森の中を十分楽しんでいただけたようです。
冬だからいける場所、今だけ限定!楽しんでいます。
お疲れ様でした。
あべ