政局のにおい 4月24日

ようやく実現にこぎつけた日中首脳会談は、例によって補選のための国内政治向けのパフォーマンスだった。村山談話を持ち出し、なんとか首脳会談を行なったということを除いては、殆ど無意味な会談だった。靖国参拝については、適切に判断するとしか言えなかった小泉首相。今回の反日デモのみによって、方針を変えるわけにはいかないのだろうが、小泉総理にとって、靖国参拝は時限爆弾となった。それにしても、靖国参拝によって失ったものは、あまりにも大きい。

今日の衆院補選の結果によっては、小泉総理の任期もあとわずかになるかもしれない。新しい総理は、米国オンリーではなく、アジア諸国とも大人の外交を展開できる人でなければならない。

補選の結果を受けて、明日からは自民党内での郵政民営化に対する議論も山場を迎える。小泉総理の顔をたてて、郵政民営化法案が可決成立することになったら、いよいよ日本は米国の餌食となる。小泉総理と竹中平蔵大臣、そして規制改革・民間開放推進会議議長であるオリックスの宮内氏は、明らかに、日本を米国に売り渡そうとしている!

竹中氏の言うように、郵便事業から貯金と保険を切り離し、簡易保険会社を完全に民間に移行するということは、それはつまり、米国巨大資本に買収させることに等しい。小泉流の郵政民営化を最も待ち望んでいるのは、米国企業であるアリコやアメリカンファミリーだ。彼らは、日本の生命保険市場の独占を狙っている。

折りしも、M&Aに対する企業防衛が重要視される時代に突入した日本にあって、何故、あえて「郵便貯金銀行」と「保険会社」を民営化しなければならないのか。民営化されるということは、当たり前だが郵政3事業それぞれの株式が上場されることを意味する。小泉総理や竹中大臣が、それに気付いていないわけがない。彼らは、米国に日本を売り渡すことにやぶさかではない人たちなのだ。ホリエモンが言っていたじゃないか、「買収されたくなければ、上場しなきゃいいんですよ」と。上場するということは、「買収してもいいですよ」ということなのだ。

本当にこのまま、郵政民営化が推し進められて良いのか?自民党内の反対派の抵抗だけに終わらせることなく、民主党も民営化反対の議論に加わらなければならない。自民党と民主党の垣根を越えて、民営化ではない形での郵政公社発展の論陣をはることが必要であり、それが政局の潮目となり小泉政権打倒へとつながっていくと、歴史的に意味のある成果をもたらすことになるかもしれない。
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