麻黄湯:新型インフルエンザ感染初期に効果大

ウイルス増殖初期に細胞への吸着と侵入・脱殻を阻害し、感染中期にRNAとタンパク合成を阻害する麻黄湯は、その作用機序からいってもインフルエンザウイルス感染初期の段階に投与すると、非常に有効に作用する可能性があるといえます。

ウイルス感染後期、細胞内部で増殖したウイルスが細胞外に放出されるのを阻害するタミフルやリレンザは、体内でウイルスが増殖してから作用する薬なので、インフルエンザ様症状があっても検査キットに反応しない初期の段階では、むしろ麻黄湯の効果のほうが期待できます。

健常人なら、まずは麻黄湯で様子を見、持病のあるハイリスク患者に対しては、麻黄湯と抗インフルエンザ薬とを併用することで重症化を回避できる可能性が非常に高まるのではないでしょうか。

禁忌または慎重投与を要する場合を除き、インフルエンザ様症状のある人が、ひとまず街かど薬局で麻黄湯を買って服用することは、セルフメディケーションの観点からいってももっともな判断ではないかと思います。

インフルエンザ簡易検査キットは、初期の段階であればあるほど感度が鈍く、亡くなった横浜の12歳の男児の場合、39度台の発熱で受診した日から数えて9日目でやっと陽性反応が出たとされています。この男児は気管支喘息の既往歴があったとされていますので併用注意の常用薬があったかもしれませんが、そうでなかったならば初診の段階で麻黄湯が投与されていたら、重症化は避けられ男児は今頃元気に学校に通っていたかもしれません。

タミフルやリレンザは、異常行動やおかしな夢をみるなどの精神神経症状の副作用が常に心配されます。2005年時点で世界の75%を占め、小児については同2位の米国の13倍も使っている日本のタミフル使用量は異常といえ、厚労省のタミフル・リレンザ一辺倒の対策は、どう考えても国民利益にとってバランスを欠いているものとしか思えません。(現在は、世界のタミフル使用量の30%を日本が占めているとされていますが、それでもダントツ世界一の使用量です。)

タミフルの備蓄量や使用量が日本に比べると極端に少ない韓国では、新型インフルエンザによる死亡例は18日現在で2人です(日本は17人)。常用食であるキムチが免疫力を強化しているともいわれています。また、中国では、漢方薬・板藍根(バンランコン)をのどスプレーやお茶として常用し、高い予防効果を上げています。

漢方医療が盛んな中国・韓国に新型インフルエンザによる死者が少ない理由は、タミフルやリレンザを日本のように過信していないからではないかと私は思います。

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