新型インフルエンザ:麻黄湯(まおうとう)を常備薬に!

今日もまた、3歳男児が新型インフルエンザに感染して亡くなりました。基礎疾患はなく、とても元気な男の子だったそうです。19日、38℃の発熱があり医療機関を受診したところ、「せき止め薬など」を処方されました。ところが20日午前、39.6℃の高熱になり再受診したところ、簡易キット陽性だったために、タミフルを投与されました。しかし、その日の夕方、嘔吐し、呼びかけても反応がなくなりました。救急搬送されましたが、病院到着時には心肺停止状態、死亡が確認されました。

可愛い子どもの訃報には、本当に胸が痛みます。

『ゾクゾクっとして、なんとなく異変を感じ、熱を測ったら微熱があった・・・』       まさにこのインフルエンザのひきはじめのタイミング、すなわちウイルス増殖初期に「麻黄湯」を服用すれば、ウイルスの細胞への吸着と侵入・脱殻を阻害し、症状の重症化を防ぐ可能性があると言われています。従って、私たちは、新型インフルエンザが流行している間は麻黄湯を常備(携帯)して、万が一に備えたら良いのではないかと思います。麻黄湯は感染中期にも、RNAとタンパク合成を阻害します。

そもそもタミフルやリレンザは、時間が経過した感染後期に作用する薬です。細胞内部で増殖したウイルスが、細胞外に放出するのを阻害するタミフルやリレンザよりも、ウイルスの増殖そのものを抑制する麻黄湯のほうが、早い段階で作用します。

今回の症例もそうですが、医療機関でインフルエンザであることの診断を待っていたのでは手遅れになる可能性もある以上、1秒でも早く麻黄湯を服用する意味は、とても大きいと思います。併用注意や既往歴、あるいは体質の合わない場合を除き、麻黄湯は、タミフルのように、タイミングを間違うとより悪化させる可能性があるのではないかと思われる薬ではありません。

麻黄湯は、街かど薬局で購入できます。ただ何度も言うよう、体質やいくつかの疾患・既往歴によっては、麻黄湯を服用しても効果が薄いか、服用そのものが要注意である方もいらっしゃいます。薬剤師によく相談して、服用可能な方は、新型インフルエンザが流行している間は、麻黄湯を常備(携帯)されることをお薦めします。そして、万が一ゾクゾクっときたら、即服用。その上で必要なら医療機関を受診する。そうすれば、重症化せず乗りきることができる可能性が高いと思います。

医療機関においても、事ここに至り、インフルエンザ様症状の患者さんには、その場で直ちに麻黄湯を投与する機転が必要だと、私は思います。薬局で購入できる一般用の麻黄湯は、メーカーによっては生後3カ月以上で服用可能となっていますが、医療機関においても小児の薬用量の目安を検討の上、臨機応変に対応されることを私は望みます。

新型インフルエンザで亡くなった方の症例報告をみると、タミフルが投与されて間もなく死に至ったケースが目立ちます。「漢方薬は科学的な分析が足りないから評価できない」とおっしゃる専門家の方々であっても、タミフル投与と死亡との因果関係について、いよいよ科学的にも看過できなくなってきているのではないかと思います。

(麻黄湯)

・体力のある人の急性期に向いています。もともと虚弱体質の人には不向きです。

・汗の出ない状態に向いています(発汗傾向が強い場合は不向きです)。

・胃腸の状態が悪い場合は不向きです。

・特に、高血圧・狭心症や心筋梗塞等の循環器系に障害のある人・腎臓病・甲状腺   機能亢進症などの人は、服用に注意が必要です。

・他の漢方薬やテオフィリンなどの気管支拡張剤などとの併用には注意が必要です。

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