海兵隊移転費用に唖然 4月24日

6,760億円とは、驚きの数字だ。米海兵隊グアム移転の費用分担を、日本が59%負担することで合意してしまった額賀防衛庁長官。日本がそこまで譲歩し資金援助する理由が、どこにあるだろうか。米軍基地が沖縄にあることで、日本は有事に備えて、本当に安全・安心だったのか。むしろ、沖縄の人々は、騒音や米軍兵士の破廉恥な行為に悩まされ、恐怖と不安におびえる日々ではなかったか。損害賠償を請求したいくらい、在日米軍は沖縄県民にとって「負の遺産」に近い存在なのだ。そんな住民感情を反映するかのように、沖縄市長選挙では東門美津子氏が、岩国市長選挙ではダブルスコア以上で井原勝介氏が当選したのだ。

投票日翌日、あっさりと6,760億円もの支援を約束してしまうような政府に、もはや国民は愛想を尽かしている。59%という比率もさることながら、第一、総額1兆2千億円にも及ぶ移転費用は、あまりにも高額すぎる。中身も米国側の一方的な見積もりで、積算根拠は明らかにされていない。そもそも、米軍再編は、米国の利益のための米国自身の計画であって、その費用を日本が負担しなければならない理由は、実はまったくないのだ。

沖縄の負担軽減のために、沖縄の米海兵隊の全てをグアムに移転することを実現すべきだ。そうすれば、普天間基地返還のために辺野古に新たな巨大基地を建設する必要もなくなるのだ。海兵隊のグアム完全移転が実現するのなら、従来の「思いやり予算」の中の沖縄での海兵隊関連費用(年間300億円程度)10年間分を負担すれば、移転費用の約3,000億円は、新たに総額2兆円(辺野古費用なども含む)の予算を組まなくても捻出できる。有事に備えた「日米同盟」のための抑止力は、沖縄の海兵隊の全てをグアムに移転しても、十分に維持されるものだ。

明らかに民意に反して、米国に6,760億円もの法外な資金の提供を約束してしまう政府の外交交渉能力は、まったく評価に値しない。ポスト小泉には、果敢に米国と渡り合える人物が必要だ。安倍氏では、小泉流の二の舞だ。米国に対して、堂々と日本の主権を主張できる人物こそ、次の総理大臣に求められる才覚だ。21世紀は、従属的で異常な「日米同盟」ではなく、対等で正常な「日米関係」へと転換することが重要なのだ。
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