はたしょう日誌

しぶたに学園 池田市立秦野小学校の
“今”をお伝えしています。

少年の主張発表大会続編

2017年11月14日 | 日記

一昨日の少年の主張発表大会の中学生の部。そのレベルの高さに感心しました。中でも感心した2人の発表を紹介したいと思います。最優秀賞の渋中3年生Aさんは飽食社会という切り口で日本社会の問題点を鋭くつく内容でした。この夏にNHKで放映された「戦後ゼロ年 東京ブラックホール」という番組を見て自分自身が受けた衝撃から話が始まりました。この番組は1945年にタイムスリップした青年がさまざま事実に出会うというドラマですが、Aさんは中でも戦後の食糧難に注目し、そこから現在の飽食社会を見つていきます。そして、飽食社会を生み出す社会のシステムを二つ発見します。一つが食べ物の大量供給の問題。もう一つが個人の選択の問題です。たくさんの食料品が生産され、それが市場に大量に供給されていく社会構造の問題。そしてまた、バイキングに象徴されるような食べ物を過度にとってしまう個人の選択の問題を提起しました。その語り口は堂々とし、問題提起の方法もすぐれたものでした。優秀賞の渋中2年生Bさんは金魚すくいがテーマでした。最初はどんな話になるのか不思議でしたが、聞き始めるとそんな視点があったのかと、その内容に思わず引き込まれていきました。Bさんは金魚すくいの金魚がなぜ、早く死んでしまうのかを探っていくうちに、販売ルートに乗らなかった金魚が安価で大量に販売されること、その経過で金魚が過酷な環境に置かれている結果であるという事実を発見しました。そして、そこからの結論の出し方が、「なるほど」と膝を打つものでした。金魚すくいの批判をするのではなく、お祭りで金魚すくいをやってそこで得た金魚を丁寧に育てることで金魚を救うことができると提案したBさんの考え方は、金魚のことも金魚すくいの仕事も両方に目を配ったすぐれたものだと感心しました。Aさん、Bさんとも作文の発表という域を超えて研究の発表あるいは社会問題の提起という意味を持つものでした。しかも、この二人は秦小の先輩でもあり、秦小生が、先輩のこのようなすぐれた発表を聞く機会を得たことはたいへん貴重な経験だと考えています。