古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

板井原で考えました。

2010年09月08日 05時44分15秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 鳥取県の山奥の町・『智頭町』の観光パンフレットには、『板井原』集落のことを〈伝統的建造物群保存地区 …… 日本の山村集落の原風景(昭和30年代)が残る、全国的にも稀少な集落です。智頭駅から車で約15分〉と書いてあります。また〈村内の主要道路は幅員6尺ほどの狭い道です。未だかつてその集落内に車が入った歴史がなく、昔ながらの地割り(土地の形状)がそのまま残っています。〉と説明してあります。
 旅のガイドブック『るるぶ』には「車一台がやっと通れるくらいの細い山道を進んでいくと、静寂に包まれた緑のある風景に出くわす。かつて養蚕で栄えた板井原集落は日本の原風景を思い起こさせてくれる場所だ。」とあります。車で村入口の駐車場まで登り、そこからは徒歩で集落に入ります。
 この写真は村内の主要な道路です。6尺もありません。あぜ道ほどの幅です。この道を歩いていたら向こうから70歳くらいの男性が鍬をかついで来られました。写真に見える家の方かと思い、「この道はお宅への個人の道ですか」とお尋ねしたら、「いいえ、ずっと向うに行ける村の道です。通り抜けできます。」といわれました。人なれした感じでした。
 集落の奥のほうまで行って引き返してきたとき、ちょうどこのあたりで70歳くらいの男性とばったり出会いました。トランクス一枚で、背中には膏薬を貼って、濡れた手ぬぐいをぶら下げて、家の前の清流から上がってこられたところでした。男性はちょこんと頭を下げて家に入っていかれました。私生活を覗き見してしまったような後ろめたい気持ちが残りました。
 このように何人かの『観光客』が、毎日村の『主要道路』を歩き、写真を撮り、『野土香』(のどか)という喫茶店に立ち寄り、あるいは『火間土』(かまど/土・日だけ営業)という食堂で水車でついたお米のご飯を炊いて食べます。ぼくたちも野土香に立ち寄ってアイスコーヒーを飲みました。
 集落の古い家にはそれぞれ老人が一人か二人で暮らし、あるいは空き家になっているでしょう。夏草の茂るわずかな菜園と腰を下ろすのをためらうほど雑然とした縁先を見、道ばたの清流を見ていると、ここを訪ねたのがわるかったような気持ちになりました。
『智頭宿』と『板井原』集落を訪ね、『吉岡温泉』に一泊する旅に出て、いろんなことを考えました。また書きます。
 
コメント
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