社会ネットワーク分析

身の周りの出来事を、社会ネットワーク分析的な視点から、
バッサリ斬ってみよう。

ブロックモデル分析を現代社会に応用する---その1

2005-02-20 01:51:26 | ◆身の回りのネットワーク的事象
以前、2回にわたって、テキストマイニングのことについて書いてきた。
テキストマイニング「文章完成法」・・・(その1)
テキストマイニング「文章完成法」・・・(その2)

WEB上で実施しているデータが思うように集まらないので、テキストマイニングがなかなかできない。
データが集まるまで、「ブロックモデル分析を現代社会に応用する」というタイトルで、
しばし、話を進めることにする。

さて、以前、SnyderとKickによる、国家間の関係を、ブロックモデルで分析した論文を紹介した。

スナイダーとキックは、
国家間の関係構造を基に、ブロックモデル分析を行い、
ある国家の構造上のポジションと、その国家の経済的な状況との間に、関連性があることを説明した。

そこで、スナイダーとキックが行った分析ステップにしたがって、
◆都道府県の構造上のポジションと、
◆都道府県の1人あたりの総生産
の関係について、分析してみたいと思う。
(・・・話のスケールは、小さくなるんだけど・・・)

分析上必要なデータは、下記よりダウンロード可能である。
◆2000年の都道府県間の関係構造のデータ(※色々なデータがありますが、「表Ⅳ-1-1 都道府県間流動量(品類別)-重量-」を使用します
◆2000年の各都道府県の1人あたりの総生産(41:各都道府県の県内総生産÷3:各都道府県の人口によって、算出します。)

次回以降、スナイダーとキックの分析ステップに従って、
都道府県のデータを、分析したいと思います。

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※アンケート回答後、ローデータをダウンロードできます。(昨日回答分まで)
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Structural Position in the World System and ・・・

2005-02-14 01:15:57 | ◆ネットワーク分析で読んだ本や論文
"Structural Position in the World System and Economic Growth, 1955-1970"

SnyderとKickによる、国家間の貿易データや外交関係のデータを、
ブロックモデル分析を用いて分析した論文。
American Journal of Sociology誌の84号-5に載っている。

「世界システム論」では、世界の国々は、「中心」「準周辺」「周辺」の3層に分かれるとして、
「中心」の国々の成長は、「準周辺」「周辺」を搾取することによってなされると論じる。
但し、この「世界システム論」は、どの国が「中心」で、どの国が「周辺」なのか等々、
具体的なデータによって、実証されているものではなかった。

SnyderとKickは、実際の貿易データや外交関係のデータを使って、
ブロックモデル分析を応用し、鮮やか(?)に実証して見せた。

30年近く前の論文だが、2005年でも同様のことがあてはまるのであろうか?
そして、30年前に「中心」を構成した国と、現在「中心」を構成している国は、異なるのか?

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アンケートへのご協力、お願い致します。
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バスケットデータ分析

2005-02-11 18:53:19 | ◆身の回りのネットワーク的事象
以前、2回にわたって、テキストマイニングのことについて書いてきた。
テキストマイニング「文章完成法」・・・(その1)
テキストマイニング「文章完成法」・・・(その2)

WEB上で実施しているデータが思うように集まらないので、
データが集まるまで、別の話で、お茶をにごす。


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「バスケットデータ分析」をご存知ですか?
簡単に言えば、1人の人間が、1回の買い物で、何を『同時に』買うかを、分析する。
つまり、「買い物客は、買い物カゴ(=バスケット)に、1回の買い物で、どんな商品を同時に入るのか?」ということ。

これは、社会ネットワーク分析的な視点で言えば、
『どの商品と、どの商品が、直接結合の関係にあるのか?』という考え方に近い。

実際にあった話だが、あるトマトジュースメーカーが、
この「バスケットデータ分析」を行ったところ、
トマトジュースと同時に買われる商品は、他の飲料ではなく、野菜だったとのこと。

そこである店舗にお願いして、
トマトジュースの売り場を、飲料売り場から、野菜売り場に変えてもらったところ、
トマトジュースはバカ売れしたらしい。

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下記のアンケートにご協力を、お願いいたします。
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Urban families: conjugal roles and social netowork

2005-02-06 02:29:50 | ◆ネットワーク分析で読んだ本や論文
"Urban families: conjugal roles and social netowork" Human Relations, 8, 345-383.は、
ボット(bott)による、夫婦関係を社会ネットワーク分析的な視点から分析した、古典的な名論文だ。

初めて読んだのは10年ぐらい前の大学時代。

論文の内容は、
夫婦間の役割分担と、
夫婦がもつ社会ネットワークの形体との関連を分析した内容。

①自分の居住する地域内に、多くの友人や親戚関係を持つ夫婦の場合(=高密度)、
 夫婦間の役割関係は、分離的(=つまり、夫は仕事、妻は家事)
②一方、自分の居住する地域の外に、友人や親戚関係を分散的に持つ夫婦の場合(=低密度)、
 夫婦間の役割関係は、共同的(=つまり、夫も妻も、仕事を持ち、家事は共同しあう)

家族社会学に、社会ネットワーク分析の考え方を持ち込んだ、
先駆的な論文だ。




長野県に関するアンケート実施中
(全3問の簡単なアンケートです。ご協力のほどを・・・)
※アンケート回答後、ローデータをダウンロードできます。(昨日回答分まで)

テキストマイニング「文章完成法」・・・(その2)

2005-02-04 01:46:57 | ◆身の回りのネットワーク的事象
『Excelで学ぶテキストマイニング入門』をざっくりと読みました。

要は・・・
①最近、どの商品も、ある程度のことは、満たしてしまっている。
②したがって、日本の消費者は、特に不満がないから、「欲しいものがない」「何も買いたくない」状態になっている。
③メーカーがどんなにがんばって新商品を開発しても、商品が売れない
④なぜなら、メーカーは、消費者の「欲しい」「買いたい」という衝動を喚起できていないから。


売れる商品をつくるために、消費者が本当に欲しがっているモノが何かということ知りたいのだが、
従来のアンケート調査では、それが、なかなか発見しづらい。
以下、原文を抜粋。
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アンケートという手法は、本質的に一つの宿命を負っています。それは、消費者にアンケートを設計した人間の仮説を押しつけてしまうということです。車を例にとれば、消費者の本当の興味がインテリアにあったとしても、「Q1:ハンドルの切れはいかがですか?」「Q2:ブレーキの効きはいかがですか?」「Q3:室内の広さはいかがですか?」・・・といった質問ばかり羅列されていたら、それらに消費者が正直に答えた結果、「ハンドルがよく切れて、ブレーキがよく効き、室内の広い車が消費者の希望だ」という結論になってしまう可能性があります。
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こんな問題を解決するためには、
消費者に「みずから」「自身の言葉で」「気になっていること」を語ってもらうことが必要

そのための方法のひとつとして、「文章完成法」という質問の仕方が存在する。
それは、以下のような質問形式で、
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(  )内に、単語や文を入れて、ワインについて普段感じていることを、文章にしてみてください。
  ワインは、(      )ので、(      )から、(       )
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この質問形式によって、消費者が求めているもののキーワードだけでなく、
キーワード間の関連も分析できるといわけ。

これで得られたデータをどう分析するのか?

この本の著者は、「デマテル」という方法論で分析している。

ぼくは、「デマテル」という方法論も試しつつ、
「社会ネットワーク分析」の方法論を採用すると、どんな結果になるのか?
「デマテル」と「社会ネットワーク分析」の結果を比較してみたい。

まずは、筆者がやった方法に沿って、「デマテル」の方法論を、実践してみることとする。

ただし、実践するにしても、データが無い・・・


ということで、データが必要になんです。

下記のアンケート、何卒、ご協力のほど・・・
長野県についてのアンケート
※アンケート回答後、ローデータをダウンロードできます。(昨日回答分まで)

テキストマイニング「文章完成法」・・・・・・(その1)

2005-02-01 01:14:26 | ◆身の回りのネットワーク的事象
『実務家のためのテキストマイニング達人講座』

上記のページを覗いてみると、
「文章完成法」という方法で収集された自由回答データを、
「デマテル」という方法論を用いて、
消費者の価値構造を明らかにしていく手法が紹介されていた。

ぬぬぬ、「価値構造」・・・社会ネットワーク分析っぽいぢゃん。

早速、書店に走った。
『Excelで学ぶテキストマイニング入門』を買うために。
上記の方法論を、より詳しく説明しているらしい。
よしっ、読んでみっか。
読んだ感想は、また後日・・・。



長野県に関するアンケート実施中
(全3問の簡単なアンケートです。ご協力のほどを・・・)
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