農ある暮らしの中で

片田舎で過ごす 静かな農ある暮らしを色々な思いをこめながら日々綴っていきたいと思います。

2017年11月01日 | 日記
夜中の深夜放送を聞くのが好きだった。
テスト勉強とは名ばかり
教科書を広げたまま、いつの間にか、
うたた寝してしまい
深夜、ごそっと起き出して布団に入ろうとすると
古い二階はみしりと音をたてる。
すると、
「うるさい!音をたてるな」
と、階下から、父の怒鳴り声が響いた

厳格な父だった。

短大を卒業し地元の保育園に就職して
まだ間もない頃、遠くに住む学生時代の友人から
電話がかかった。
懐かしく、つい話しが長引いてしまった。
十分くらいだったろうか
しばらくして仕事から帰宅した父が、
家にかけた電話が
話し中で通じなかった事に激昂し
帰るや否や、阿鼻叫喚
怒りが治まらない父は、
私に向かって、
リモコンを投げつけ、更に
座布団を持って私を追いかけ回した。

あまりにも情けなく悲しくて…
数日父と話すことができなかった。

そんな父も、今年、八十六歳になった。
目の前に母がいるのに
「お母さんがおらんことなった。」
と、探し歩く。
認知症を発症した父は
昔のあの矍鑠とした威厳のある父は
もう見る影も無くなってしまった。

私が見えなくなるまで手を振り続ける
年老いた両親を見るたびに
私は、胸の奥がヒリヒリと痛み
なんとも言えぬ哀しみに襲われるのである。





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3 コメント

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ご無沙汰してます (ブッチ)
2017-11-05 19:07:06
びっけさんの心のヒリヒリが、当方にもよくわかります。
父は7年前に、さっさと風になって吹き去ってしまいましたが、残された母が・・・・
元気は元気なのですが・・・かつてぶつかりあっていた頃と違い、
たまーにしか顔を見せない娘を頼るその姿を見るたびに胸がヒリヒリします。
親の老いを受け入れきれていないのかもしれません。
何だか、弱くなった親を見ると切なくなります。
ブッチさん (びっけ)
2017-11-05 23:21:31
ブッチさん、こんばんは。
お久しぶりです。お元気でしたか。
一年ぶりに書き込まれたブログ、大変嬉しく思いました。

年老いていく親を見るのは…本当に忍びなく、まして
暴君だった父が老い壊れていく姿を見るのは本当に哀しいです。
寄り添う母がなんだか可哀想になり…娘としてどうしてあげることが一番いいのだろうかと考えます。

いずれいく道、私達は
どんな老いが待ち受けているのでしょうか
親の老いに・・・ (ぶっち)
2017-11-06 08:41:30
そうですねぇ。
親の老いに寄り添いながら、自分の老いを考える年齢になったんですよねぇ。
少しでもポジティブにいきたいですね。

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