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少し考え事をしていたので娘達に任せていましたが、心を入れ替え院長時々復帰します。

軟膏とクリームの違い ~皮膚科での外用治療の違いについて~

2010年06月10日 21時42分30秒 | 治療方針について

橋本クリニック橋本です。

たまには皮膚科らしくいきますね。
皮膚科で治療に使う薬は大きく分けて二つあります。
一つは飲み薬である内服薬。
もうひとつは塗り薬である外用薬。

今回は外用薬のお話です。
外用薬は大きくわけて二つあります。
これがタイトルの軟膏とクリームです。

わかりやすく言うと、軟膏は親油性基剤(つまり油に溶ける)、クリームは親水性基剤(つまり水に溶ける)の中に薬剤が混ぜてあります。
(正確には少し違いますが、この場ではわかりやすく割愛します)
つまり、軟膏はベッタリ。クリームはサラサラです。
これは塗り心地に直結します。
軟膏はべたべたするし、クリームはサラサラです。
塗り心地が良いのは圧倒的にクリームに軍配が上がります。

ではなぜ皮膚科医が処方するのは軟膏が多いのでしょうか?
(私の知っている皮膚科医は圧倒的に軟膏を処方するんですが・・。いつもクリームを出すよという先生がおられたらすいません。)
それは、軟膏のほうが一般的に効果が出やすいからです。
その理由はその塗り心地の悪さの元であるべたべた感にあります。
べたべたするということは、その場にとどまっているということを表しています。
そのため長く皮膚に作用するため、薬効が期待できます。
一方クリームは塗り心地は良いものの、サラサラしているため、少し擦れるとその場にとどまらずすぐに取れてしまいます。

もうひとつ皮膚科医が軟膏を好む理由は適応範囲の広さにあります。
引っ掻き傷のある部位にクリームが処方されて、飛び上がるほど痛かったことはありませんか?
そうなんです、引っ掻き傷にクリームは適応がないんです。
さきほど記載しましたように、クリームは親水性なのですが、引っ掻き傷の部位も浸出液を伴う局面です。ここで薬が親水性だと都合がよいように思えますが、薬剤が浸出液に溶け込んでしまうため痛みを生じます。一方軟膏は油ですから浸出液に溶け込むことがないため、痛みを生じることは稀です。(軟膏基剤でも酸性の薬剤、フルメ〇などでは軟膏でも痛みを生じる場合があります)
軟膏であれば、基剤としてはどのような局面でも使用できるというメリットがあります。(当然薬効は選ぶべきですが)

最後にもう一点。
軟膏の保湿能力が優れていることによります。
軟膏は油なので、そのまま蒸発しませんが、クリームであれば簡単にいえば水を含んでいるので蒸発してしまうということに由来して、軟膏のほうが保湿能力が優れるということです。

以上の点より、私は圧倒的に軟膏を使います。
10:1、いやいや100対1に近いくらい、軟膏が多い勢いです。(クリームを出す場合もあるので0ではありませんけどね)

ではクリームを好んで使う場合を記載して終わります。
それはステロイドの効果が強すぎてニキビができてしまった場合です。
ステロイドがその場にとどまって、効果が出すぎたためニキビを生じますので、クリーム基剤にすればニキビが消える場合が多いです。
(軟膏が毛穴を詰まらせるため、ニキビを生じやすいという意見もあります)
そのためニキビができそうな場合や、既にニキビができている皮疹にはクリーム基剤を使用することが多いです。
あくまでも私の処方ですので、詳しくは主治医の先生とご相談ください。
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