カラスの目

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2013-03-07 19:04:35 | 科学

トビバッタの大群がエジプトに来襲

>現地時間3月2日、サバクトビバッタの群れが南風に乗ってエジプトの首都カイロに到達した。厄介なトビバッタの群れは首都の交通を混乱させ、サッカー場やゴルフコースに侵入し、カイロ国際空港に“着陸”するものまで現れた。
 目撃者の中には、聖書に書かれた古代エジプトの「災い」になぞらえてジョークを言う人もいた。
 トビバッタのせいで都市生活にさまざまな面倒が生じているが、エジプト農業土地開拓省の発表では、トビバッタが春に大移動するのは毎年のことで、今回もやがて通り過ぎるはずだという。市民らはトビバッタの撃退のためにタイヤを燃やしているが、同省では「追い払えないばかりか、被害をもたらす可能性がある」として、この方法を控えるよう呼びかけている。
 近郊の農場や果樹園にとっては、蝗害(こうがい)は深刻な問題だ。トビバッタの大群が農作物に甚大な被害をもたらす可能性がある。国連食糧農業機関(FAO)の研究チームは昨年11月から、エジプト南東部でのサバクトビバッタの大量発生を追跡調査しており、今年は例年よりも群れの規模が大きいと警告する。群れのトビバッタの個体数を3000万匹とした試算もある。
 一方、イスラエル政府は現地時間3月4日から緊急ホットラインを設置して、サバクトビバッタを目撃したら通報するよう呼びかけている。大群になる前に対策を取る構えだ。イスラエル人の出エジプトに由来する過越祭(ペサハ)は3週間後に迫っている。聖書によると、出エジプトに先立って「十の災い」がもたらされたというが、蝗害はその8番目であった。
 以下に、サバクトビバッタに関する豆知識を紹介しよう。

◆サバクトビバッタはどんな昆虫?
 サバクトビバッタ(学名:Schistocerca gregaria)は北アフリカからインドにかけての乾燥した地域に分布するバッタの一種。体長は10センチ程度で、通常は単独行動を好む。
 ところが生息地での食料不足などの条件によって、やむを得ず密集する場合がある。こうした場合、トビバッタの外見と行動には劇的な変化が生じる。
 通常の体色は緑から褐色だが、群生行動を取る個体では黄色と黒のけばけばしい姿になる。幼虫は突如として攻撃的な性格になり、他の個体を追い回すようになる。孤独を好んでいたのが、一転して大群を形成するようになる。
 トビバッタが大群を作るのは通常、雨が一段落したあとだ。エジプトのような乾燥地域では、まとまった雨が降ると草地が一気に広がり、その結果トビバッタの個体数も急増する。個体数と食料のバランスが取れているうちは問題ないが、生息環境がふたたび乾燥し砂漠化すると、トビバッタはわずかな食料をめぐって密集するようになる。

◆なぜ大群化する?
 近年の研究で、大群化するのは自衛のためであると明らかになった。オーストラリア、イギリス、アメリカの研究者によるチームの数年前の調査では、密集状態のトビバッタは他の個体に強い食欲を示すようになるという。端的に言うと、共食いを始めるのだ。
 したがって、トビバッタは別の個体が自分の脚に触れたのを感じたら、食べられないよう、とにかく前へ逃れる。この前向きの動きが、集団の中の多くの個体で繰り返されるうちに、群れ全体に、前へ進んでいく大きな流れが生じる。

◆蝗害の規模はどのくらい?
 トビバッタの成虫は1日に自分の体重と同じ重さの食料を摂取すると考えられている。一般的な大きさの群れが1日に消費する食料は、2500人の人間の消費量とほぼ同等になる。特に大きな群れは直径数十キロの範囲を埋め尽くすほどで、個体数は億の単位になることもある。農家1世帯の地所の緑は数分で食べ尽され、群れが通り過ぎたあとの村々には何も残らない。
 近年最悪の蝗害は2004年に発生した。サヘル(サハラ砂漠南端の半乾燥地域)で発生したトビバッタの群れが、アフリカ大陸を西海岸のモーリタニアから東海岸のエジプトまで横断し、海を渡って東はイスラエルまで、北はポルトガルまで到達した。非常に広範囲を移動できることから、トビバッタは地球上の人類の10人に1人の生活に影響を与える可能性があるとも言われている。

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 トビバッタの群生相は気性が極めて荒くなる。
 てのはガキのみぎりから知ってましたが『そもそも共食いのために集まる』『周りから喰われるのを逃れる動きが群れ全体の移動を生む』てのは初めて知りました。
 『共食い』についてはまぁ、バラバラに暮らしてて全員餓死よりかは『一部が生き延びDNAを未来に繋ぐ』チャンスが増えるワケで、そう云った利点があったがために進化の中で獲得した形質なのでしょうね。多分。きっと。
 そしてその共食いが結果として集団移動の原動力となり、食料を発見して生き延びる更なるチャンスを獲得する一助となって居るコトも。恐らくは。

 こうして、誰が意図したワケでもない偶発的なシステムによって全体の歯車が円滑に廻ってゆく。
 やぱイキモノてスゲエね。


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