中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

産業医の職務(改正安衛法)

2019年01月09日 | 情報

働き方改革関連法案の中には、2019年4月1日に施行される安衛法の改正も含まれています。
特に産業医の職務については、大きな改正がありました。安衛則もほぼ全容が公表されましたので、確認しましょう。

1.産業医の職務の追加(安衛法第13条第1項、安衛則第14条第1項)
・研究開発業務に従事する労働者に対する面接指導及びその結果にもとづく措置に関することを
 従来の面接指導に追加する。
 註:面接指導については、下段に詳述します。

2.産業医の知識・能力の維持向上(安衛則第14条第7項)
・産業医は労働者の健康管理等を行うにあたって必要な医学に関する知識能力の向上に努めなけれなならない。

3.産業医の権限の具体化(安衛則第14条の4第1項、第2項)
・以下の職務をなし得る権限が付与される。
○事業者、総括安全衛生管理者に対して意見を述べること
○労働者の健康管理等を実施するために必要な情勢を労働者から収集すること
○緊急の必要性のある場合に、労働省に対する措置を指示すること

4.産業医の独立性・中立性の強化(安衛法第13条第3項)
・産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならない。

5.産業医の辞任又は解任時の衛生委員会への報告(安衛則第13条4項)
・その旨及び理由を遅滞なく(註:概ね1月以内)報告する。

6.産業医に対する情報の提供(安衛法第13条第4項、安衛則第14条の2第1項、第2項)
○健康診断、長時間労働に関する面接指導、ストレスチェック実施後の面接指導後の措置又は講じようとする措置に関する情報。
 措置を講じない場合にあってはその旨及びその理由を、意見聴取後遅滞なく。
○時間外労働が1月80時間超えの労働者の氏名、超えた時間に関する情報を速やかに。研究開発業務に係る労働者も含む。
○産業医の必要とする事項を速やかに(註:概ね2週間以内)。

7.常時使用する労働者50人未満事業場に係る情報提供(安衛法13条の2第2項、安衛則第15条の2第3項)
・健康管理等の全部または一部を行わせる医学に関する知識を有する意思又は保健師に上記の情報を提供するよう努める。

8.産業医の勧告(安衛法第13条5項、安衛則第14条の3第1項、2項)
・産業医は必要があれば事業者に勧告でき、事業者は勧告を尊重するという従来の条文に加え、勧告しようとするときは
  あらかじめ事業者の意見を求める(14条の3①)。
・事業者は勧告を受けたときは講じた措置の内容(講じない場合はその旨及び理由)を記録し3年間保存する。

9.勧告を受けたときの衛生委員会への報告(安衛法第13条6項、安衛則第14条の3第3項、第4項)
・産業医の勧告を受けた後遅滞なく、講じた措置又は講じようとする措置(措置を講じない場合はその旨及び理由)を
 衛生委員会に報告する。

10.相談体制の整備(安衛法第13条の3)
・産業医が労働者の健康相談に適切に対応するための体制を整備する。

11.産業医の業務内容等の周知(安衛法第101条第2項、第3項、安衛則第98条の2第1項、第2項)
・法第101条第2項、第3項を新設、従来の第2項は第4項(通知化学物質の掲示等)へ
○産業医の業務の具体的内容
○産業医に対する健康相談の申出の方法
○産業医による心身の状態に関する情報の取扱いの方法
を、
○見やすい場所に掲示又は備え付け
○書面の交付
・磁気テープ、磁気ディスク等に記録し、かつ労働者が当該記録を常時確認できる機器を設置する。
 (イントラネットでの掲示板への掲載なども含む)

12. 50人未満事業場にも準用(安衛法第101条第3項)ただし、努力義務

13.産業医による衛生委員会等に対する調査審議の求め(安衛則第23条5項)
・産業医は衛生委員会に対して必要な調査審議を求めることができる。

14.面接指導について
14.1面接指導の対象となる労働者(安衛法第66条の8第1項、安衛則第52条の2第1項、第3項)
・長時間労働に係る面接指導の対象者を時間外労働月100時間超かr80時間超に変更。
 疲労の蓄積が認められること、及び本人の申出を要件とすることについては、変更はない。

14.2労働者への労働時間に関する情報の通知(安衛則第52条の2第3項)
・月80時間超の労働者に対して、速やかに労働時間に関する情報を通知する。
○研究開発業務で100時間を超えた者、及び高プロ対象労働者を除き、管理監督者及びみなし労働時間制適用労働者も含まれる。
○産業医にも情報の提供が必要(安衛則第14条の2)
○超えた時間の通知の方法は、追って通知。

14.3研究開発業務従事労働者に対する面接指導(安衛法第66条の8の2第1項、第2項、安衛則第52条の7の2第1項、第2項)
・ 時間外労働月100時間を超える者には、申出なしに医師の面接指導を行う。
・労働者は面接指導を受けなければならない。
・面接指導の結果は、記録する。
・必要な措置について医師の意見を聞く。
・就業場所の変更、有給休暇の付与、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じる。
・面接指導の実施方法は66条の8第1項を準用する。
・面接指導は時間の算定後、遅滞なく実施する。
○100時間以下でも80時間超d疲労の蓄積が認められるものについては通常の面接指導の対象となることに留意。
○研究開発業務従事労働者は1月の時間外労働の上限の規程が除外されている。

14.4高度プロフェッショナル制度対象労働者に対する面接指導(安衛法第66条の8の4)
・対象労働者の健康管理時間が省令で定める時間を超える者に対し省令で定めるところにより医師の面接指導を行う。
○労働者は面接指導を受けること。
○面接指導の結果は記録する。
○必要な措置について医師の意見を聴く。
○就業場所の変更、有給休暇の付与、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じる。
○健康管理時間とは、事業場にいた時間+事業場外において労働時間。
省令は、年内に施行予定。

14.5労働時間の状況の把握(安衛法第66条の8の3、安衛則第52条の7の3第1項、第2項)
・タイムカード、PC等のログ記録等客観的な方法その他適切な方法で労働時間の状況を把握し、記録を3年間保存する。
○適切な方法の具体的な内容は、
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を参考に追って通知。
○労働時間の状況とは、いかなる時間帯にどの程度の時間、労務を提供し得る状態にあったか。

14.6面接指導を行う労働者以外の労働者への措置(安衛法第66条の9、安衛則52条の8)
・面接指導を行う労働者以外の労働者のうち健康への配慮が必要なものについて、
必要な措置を講ずるように努めなければならない。

15.罰則(安衛法第 120 条)
安衛法第 66 条の8の2第1項に違反した者は、安衛法第 120 条第 1号の罰則の適用がある。 
 
(参照通達)基発 0907 第 2 号 平成 30 年9月7日
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律による改正後の 労働安全衛生法及びじん肺法の施行等について 」

www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T180919K0020.pdf

 

 

 

 


 

 

 

 


 

 

 

 

 

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