中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

メンタル不調で休職者が(精神疾患学習シリーズ⑩番外編)

2024年12月11日 | 情報
メンタル不調で休職者が出たらどうすればよいか?
実は、多くの識者のアドバイスに違和感を覚えています。
多くの識者とは、弁護士、精神科専門医、社労士、精神保健福祉士、公認心理士、産業カウンセラー等々の先生方をさします。
即ち、大学を出て資格を取得して、専門家として知見と経験を積み重ねてこられた方々です。
これらの専門家の唯一の欠点は、企業という組織に属したことがないので、
企業がどのようなダイナミズム(dynamism)で動いているのかの知見が足らないことです、恐らく。
ですから、識者のアドバイスを簡単に申し上げると「残されたメンバーでがんばれ」、と。
当該組織の管理職・リーダーの手腕が問われますが、業務配分の見直しや優先順位の低い業務の先送りだけでは対応できない場合もあります。
ましてや基幹部門における事案であれば、組織の存亡まで影響を及ぼす可能性も否定できません。

対策は、経営層や人事労務部門のトップを中心にして、中期的な戦略立案が必要です。
小職の経験から、うつ病のり患原因は、長時間労働、ハラスメント、それに、異動・転勤、昇進・昇格に集約できます。
まず、り患の原因を究明することが求められます。
もし、上司のハラスメントであれば、上司を一次的でも別組織へ移動したり、部下のいない専門職に配置換えすることが必要です。
その原因が長時間労働であれば、担当者の増員も必要でしょう。
増員ができないのであれば、外部組織への業務依頼や専門知識をもつ人員の採用を検討することも必要です。
企業組織の中でも、戦略上重要な部門のメンバーが休職したのであれば、なおさらです。
要するに「残されたメンバーでがんばれ」では、ダメなのです。
異動・転勤、昇進・昇格に問題があれば、人事戦略の見直しも必要でしょう。

対策を講じてください。
精神疾患学習シリーズは、終了です。
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