中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

社風は、怖い

2017年04月14日 | 情報

どの企業にも、年月が積み重なると、良い悪いは別として、いわゆる「社風」という、
ぬゑ(鵺)のような得体のしれない空気が出来上がるものです。
「会社の常識は、世間の非常識。世間の常識は、会社の非常識。」ということわざを、
当職は、約30年前に言い始めましたが、皆さんの企業・事業場にも、同様な言い伝えがあるのではないでしょうか。
お気づきかもしれませんが、日々の企業活動は、社風が支配しているようなものです。
電通を例に挙げて申し訳ないのですが、あの悪夢を繰り返したわけですから、
むしろ、電通でさえ、社風改革が簡単には出来なかったと申し上げたほうがよいのかも。
誤解を恐れずに端的に申し上げれば、山本社長は「必ず改革を実行していきたい」と話したということですが、
山本社長の前任社長、歴代社長が、社長はおろか、役員にもなれないような企業風土を作り上げることなのではないでしょうか。
電通のような大企業であれば、100人単位の同期入社がいるはずです、そしてどのような人事評価、業績評価で
管理職、役員、社長になったかを検証すれば、社風が明らかになる、確実で、手っ取り早い手法と考えます。
しかし、社内にいると、このような検証作業は不可能に近い、とも云えます。どうなるでしょうか。

「軍隊のような社風なくして」 電通にまつりさん母語る
朝日新聞 4/12

広告大手、電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が2015年12月に過労自殺した問題で、
母の幸美さん(54)と代理人の川人博弁護士が12日、電通本社で管理職向けの研修会を開いた。
山本敏博社長ら役員を含む約100人が参加。幸美さんは「軍隊のような社風をなくして下さい」と訴えた。
幸美さんと電通は1月に合意書に調印。川人氏を講師とする研修を3カ月以内に開き、
幸美さんが発言する時間を設けることが合意に盛り込まれていた。
過労死した社員の勤務先で遺族が研修会を開くのは、大企業では異例。
川人氏によると、研修は約2時間。幸美さんは約15分間発言し「長時間労働やパワハラで命をなくしたり追い詰められたり、
病気になる人が多いという電通の評判を払拭(ふっしょく)してほしい」などと訴えた。
研修終了後、山本社長は幸美さんに「必ず改革を実行していきたい」と話したという。

<厚労省>長時間労働の疑い 電通3支社を書類送検へ
毎日新聞 4/8

広告最大手・電通の本支社で違法な長時間残業が続いていた問題で、厚生労働省は電通の関西(大阪市)、
中部(名古屋市)、京都(京都市)の3支社の当時の幹部らと法人としての同社を、
今月末にも労働基準法違反(長時間労働)の疑いで書類送検する方針を固めた。
東京本社の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)の過労自殺に端を発した一連の事件は、厚労省による捜査が終結する。
同省などによると、大阪、名古屋、京都の3労働局が、それぞれ大阪、名古屋、京都の各地検に書類送検する。
3支社の幹部らは、複数の社員に労使協定で定めた上限を超える残業をさせていた疑いがある。
一方、過労自殺した高橋さんについて、東京労働局は昨年12月28日、
高橋さんの直属の上司1人と法人としての同社を同じ労基法違反容疑で書類送検している。
東京労働局は、さらに電通本社の違法残業の捜査を継続していたが、
本社社員については、高橋さんと同僚男性以外の残業は追加の立件を断念した。
厚労省幹部は「上司が部下に仕事を命じる際に何時間働けばその仕事が終わるか、はっきり分かっていることは少ない。
上司の指示の違法性、故意性の認識の立証が難しかった」と説明する。
2015年4月に入社した高橋さんは8カ月後に過労自殺し、翌16年の9月に労災認定された。
厚労省が電通幹部らから事情聴取し、当時の石井直社長の引責辞任に発展。政府の働き方改革実現会議にも影響を与えた。
政府は労働基準法を改正し、残業時間に年720時間という上限を初めて設ける働き方改革実行計画をまとめた。
電通を巡っては、1991年にも入社2年目の男性社員(当時24歳)が過労自殺。
2010年には中部支社、14年に関西支社、15年に東京本社で違法な残業があったとして、各労働局が是正勧告した。

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