中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

18.19日は休載します

2016年04月15日 | 情報

18.19日は、出張のため、休載します。
再開は、20日(水)です。
よろしくお願いします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

衛生委員会は、難題ですか?(続編)

2016年04月15日 | 情報

次の問題である、「マンネリ化」の解決方法です。

産業医の講話について。
事前に、産業医と調整し、講話のテーマを相談しておきます。
例えば、定期検診の結果の講評、今年のインフルエンザの特長と対処策、花粉症対策、熱中症対策、
休養と休息の効用、精神疾患の予防策、等々です。産業医からの提案も期待しましょう。
そうすれば、12か月分は、すぐに抽出できるでしょう。
そして、産業医の指摘事項や問題点を、次月以降の衛生委員会で、再審議し、改善実績を評価することが必要になります。

定期巡視について。
定期巡視は、できれば事業所内のすべてを、毎月1回以上巡視しなければなりませんが、
大規模事業所では、物理的に事業所内すべてを巡視できないことも考えられます。
ですから、複数の巡視チームを編成して、月ごとに巡視する職場を変更すれば、
いろいろな視点から、問題点や、反対に各職場が努力している項目を発見することができます。
そして、続く衛生委員会に問題点を持ち帰り、記憶が新鮮なうちに問題の共有化と、解決策の検討をします。
さらに、解決できるまで衛生委員会の議題として残し、うやむやのうちの問題を先送りできないように歯止めをかけます。

長時間労働について。
長時間労働が原因で、当該従業員の健康問題を惹起させると、従業員の健康問題ばかりか、
企業の社会的なイメージの失墜に繋がり、企業の経営に大きな影響を与えます。
長時間労働を企業文化だとして、美化することは許されません。
人事労務部門より部門単位の詳細なデータを提供してもらい、問題の本質は何なのかを、長時間労働の削減策は何なのかを、
徹底的に検討しなければなりません。
企業は「縦割り」で動いていますので、組織の硬直化、縄張り意識の蔓延等々の構造的問題を惹起させます。
ですから、衛生委員会のような組織横断型の会議体で、解決を図ることは有力な手段でしょう。

有給休暇について
前項の長時間労働と関係が深い問題です。長時間労働を野放しにしているのでは、いつまでたっても有給休暇の取得はできません。
長時間労働を野放しにしておいて、いくら有給休暇を取得しなさいといっても、かえって従業員の顰蹙を買うのがせいぜいです。
まず、部門長、管理職から率先して休暇を取得する風土を作りましょう。
その前に、経営層が率先して、休暇を取得することが、まず必要です。
次に、有給休暇の取得に「計画性」を持たせます。従業員に、有給休暇の取得の年間計画を作らせます。
例えば、勤続年数に従って、10年未満は、年5日を、10年以上は、年10日について、年度初めに取得計画を提出させ、
管理職は、当該者が有給休暇を計画通り取得できるように、業務配分を勘案させます。
業務が疎かになるのは論外ですが、部門間で取得率を競わせるのも、手段の一つでしょう。
進度状況を、衛生委員会でチェックすることも、解決への有力な方策です。
人事労務部門の仕事だ、と突き放さないでください。
企業の成長に必要なことは、どの組織、どの部門、どの人、がやっても良いことなのです。

定期健康診断の結果です。
まず、受診率を100%にしなければなりません。健康管理部門から、個人情報に触れない範囲内で、受診状況を報告させます。
受診しない従業員については、健康管理部門は受診しない理由を聞きだします。
会社指定の定期健康診断が嫌な場合は、自己責任で健康診断結果を提出させます。
受診しない従業員については、管理職を積極的に関与させます。
そして、毎年、受診状況をチェックしなければなりません。部門間にも相当なバラつきがあるはずです。
なぜ、バラつきが生じるのでしょうか?
人事労務部門は、定期検診を受診しない従業員に対して、
健康状況によっては配置できない職種があることを周知させることも必要です。

労災事故についてです。
御社に労災事故はありませんか。創業以来、まったくゼロということはないでしょう。
再発防止策を検討し、実行していますか?

以上を、正のスパイラル状にレベルアップさせます。つまり、解決するまで議題としてあげるのです、
一過性では、何も成果は得られません。これだけを実行すれば、マンネリ化することはあり得ません。
議論しなければならないテーマは、まだまだあります。きりがありません。
むしろ、月1回の開催では、追いつかないこともあるでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする