
この二日の信毎新聞の俳人土井あき子が推薦する「けさの一句」に写真を載せ句の想いに馳せた。
昨日 一線の海一本の野水仙 落合水尾
はるかかなたに広がる水平線と、眼前に咲く野水仙。水平と垂直の構図がなんともすがすがしいのは、広大な水平線に対するのが水仙の一本であり、そしてその存在が大海に負けていないことにある。野水仙とは野に咲く水仙。繊細な園芸種と異なり、野趣あふらた魅力が感じられる。あた青年ナルキッソスのギリシャ神話にちなみ、香り高い水仙が潮の香にまぎれることなく漂っているに違いないと思われるのである。

今日 割るるとき追いつく重み寒卵金原知典
滋養に富む縁起物とされた寒卵。卵の重さは手に取ったときから同じはずなのに不思議なことにコンとひびを入れた途端に指の先に意識されるものだ。殻の間から白身を追うように黄身がこぼれる様子や、宙を落ちる動線、器への着地までが、ひとコマひとコマ離れるように鮮やかに映しだされる。目の前に盛り上がる新鮮な卵と、手に残った殻のこころもとない軽さに、発見と納得の実感をあらためて得るのだ。








