「車庫屋根ソーラー発電システム 2」 にてシステムとしての基本構成を完成しました。 前回の予告通り発電能力の確認のため、デジタル電力計を拡張しました。 表示ユニット(写真左下)と測定ユニット(写真中央)に分かれています。
【デジタル電力計】
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中国製ですが、安いのに多機能で感心しました。 あまり使わないかもしれませんが、表示ユニットは、別で電源を供給するだけでワイヤレスにすることもできます。 有線の場合、表示ユニットと測定ユニットはUSB延長ケーブルでつながっています。
デジタル電力計の取付箇所は以下の通りです。 この電力計は双方向利用可能ですので、バッテリーからの放電電力に対し充電電力はマイナスで表示されます。
デジタル電力計表示をじっくり観察してわかったのは、発電された電力は、MPPT充放電コントローラにより、バッテリー充電よりも利用している電力に優先供給されるようにコントロールされているということです。
このMPPT充放電コントローラは、パソコンにシリアル接続してデータを収集することができるので、こんどまたやってみます。
【三条の湯の水力発電】
話は全然変わりますが、昨年末の山行で山梨県丹波山村の山中にある「三条の湯」の水力発電設備を偶然目にしました。 テント場で、水場の小屋かと思って間違って引き戸を開けたらこんな感じで。 これがアメリカ・ハリス社製で。
こちらがバッテリー群で、独立系システムであることがわかります。
三条の湯のホームページを見ると、「環境への取り組み」というページで、
--三条の湯ホームページからの引用(始まり)--
水力発電
平成2年10月より沢水を利用して水力発電をしています。
それまで主流だったディーゼル発電機は、水力発電の出来ない冬場や混雑のみの稼働となり、使用燃料は10分の1以下(年間100L程度)になりました。
水力発電システム
平成2年より神奈川工科大学の鳥居・森両教授のご指導のもと沢の水を利用した水力発電に取り組んでいます。
初期の発電機では200ワットの発電量でしたが発電効率の良い機械に順次換え、平成18年には約400ワット発電できるようになり また、10数年安定した電気を発電できるようになったため、電気を使ったバイオトイレもできました。 現在では2基の発電機が順調に稼働し(1台はトイレ用)山小屋の灯り・温泉の加熱・冷蔵庫・調理器具・トイレなどに使用しています。
水の凍結のため水力発電のできない厳冬期や、混雑時を除き、ディーゼルの騒音のない静かな山小屋となりました。
発電システム概要
集めた水をドラム缶に貯め落差約20メートル距離約200メートルの間を3インチのポリエチレンパイプを敷設し、水のエネルギーで水車を回しDC24ボルトの電気を発電しています。その電気をインバーターでAC100ボルトに変換し小屋の電力源として使い、余剰電力はバッテリーに貯え電気使用量の多い時に備えます。
現在発電しているアメリカ・ハリス社の製品
有効落差約20メートル・距離約200メートル・3インチパイプの条件で約400ワット発電しています。
--三条の湯ホームページからの引用(終わり)--
一基あたり400ワットの発電量があるため、二基で合計800ワットだそうです。(参考:http://jetpa.cocolog-nifty.com/jetpa/2010/05/post-5718.html)
ソーラー発電や風力発電と違い「水利権」という難しい問題はありますが、凍結の無い環境であれば非常に安定した電力を供給し続けることができる点について興味深い自家発電だと思いました。
ホームページには、「使用燃料は10分の1以下」とありますが、これは発電のための実質的なトータル運転コストのことを言っていて、基本的には自然エネルギーなので10:0かと思いますが、それとは別にディーゼル発電システムと水力発電システムのシステム維持コストはどうなっているのかというのも知りたいですね。 バッテリーの更改費用って結構かかりますから。