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韓国家計と負債② この規模の不良債権が発生すれば国家が破綻する

2015年10月04日 17時04分09秒 | Weblog

韓国家計と負債②

青空のブログ

 2015-09-12

 金融監督院は住宅価格のうち貸付が占める比率(LTV)が70%を超える悪性住宅貸付は14年9月末基準で全体の3.8%12兆6千億ウォンと分析し制御範囲としてますが実際は家計負債は危険水位を超えてる。

 可処分所得対比の家計負債比率は160.7%(13年末基準)です。

 OECD平均135.7%、米国115.1%よりも異常に高い。

 ちなみに日本は135%と平均値です。

 更に問題なのは増加スピードです。

 08~13年で毎年平均8.7%ずつ増加してます。

 同期間、米日等の先進国は家計負債を減らしています。

 質も悪く生計型の融資が多い。

 信用等級が低い信用者融資が家計負債の20%。

 この内多重債務者が63%で相当数が自営業者。

 1カ月の所得が100万ウォン以下で利子も返せない所得下位20%の自営業者が170万人。

 可処分所得増加率は4.7%、家計負債増加率は6.0%と負債が所得増加を越えてる。

 負債拡大の要因は政府の金融ルール緩和による人工バブルによります。

 政府が採った不動産政策は借入をして不動産購入をしやすくするです。

 住宅担保認定比率LTV、総負債償還比率DTIを緩和し、住宅保証金(チョンセ)の上昇を許容しました。

 しかし住宅価格が上昇しても所得上昇が小さいならば購入可能者は少ない。

 所得対比住宅価格比率(PIR)が20を超えるとバブル化を示しますが韓銀調査では13年の韓国のPIRは23.4。ソウルの漢江中心部は47.5と異常値です。

 所得比で住居価格が高すぎる。

 過剰負債家計と連動しソウル市の家賃は異常水準に高騰してます。

 不動産コンサルティング機関クッシュマンウェイクフィールドは65カ国330カ所の商業地域の小売賃貸料ランキングを発表。

 ソウル市明洞の年平均賃貸料は前年比17.6%上昇し1平方m当たり7942ユーロ。

 銀座一帯の賃貸料は8120ユーロ。

 中核地なので参考になり辛いですが国力比異常に高い。

 更に高齢化問題も影響してます。

 住宅需要層である中壮年層の人口割合は13年がピークで下落開始してます。

 政策で一時回復傾向にあった江南の再建築アパート価格は0.17%と下落に転じてます。

購入層がいかに薄くなっているかがわかります。

 しかも韓国は壮年の中間層が資産形成する前に高齢化に突入したようです。

 調べてみると韓国の持ち家比率はかなり低水準です。

 統計庁の人口住宅総調査結果では結婚10年の世帯中、持ち家率は10年48.3%と半分以下です。

 持ち家率は結婚1年未満の世帯では26.1%、結婚30年の世帯では66.7%です。

 チョンセ(高額保証金を貸主に預ける代わりに家賃がない賃貸方式)世帯の割合は結婚1年未満の世帯では50.1%、結婚10年の世 帯では29.3%、結婚30年の世帯では14.8%です。

 地域別では住宅価格が高いソウル市では結婚10年以下の世帯の持ち家率が29.2%で最低でチョンセ居住率が52.8%で最高です。

 一般的に家計負債上昇は国民の住宅所有が進む局面で発生します。

 しかし韓国の場合負債上昇のスピードに比して国民の住宅保有率が低迷してます。

 つまり家計負債上昇は生活赤字補填に当てられている。

 この種の負債は返済できません。

 返済余力がないためです。

 将来的な不良債権予備軍と言えますが

韓国の家計負債はGDPの100%前後(100兆円前後)と高水準であることを考えると

巨額の不良債権の発生が予見されます。

 実際、家計負債問題が表面化してることがKDIの家計負債の年齢別構成変化報告書でわかる。

 50代の世帯主が昨年の全体家計負債で33.7%、40代31.2%・30代15.6%・60代13.9%と高齢者予備軍の負債シェアが異常に高いことが分かります。

 50代の世帯主の負債比率は04年29.8%より+3.9%悪化してます。

 多くの50代世帯主が40代時期(90~00年代中盤)に住居価格急騰で住宅担保融資で家を購入し返済に窮している。

 08年の金融危機以後不動産停滞で購入価格より時価が下落し売却できず貧窮化しています。

 50歳で定年、リストラされる韓国では50代は収入が期待できない。

 不動産価格が回復する他返済可能性はなく、生活費中心の借入者は破綻する他ない。

 しかし韓国の住宅ローン等は日本のような超長期返済付きではなく元金一括返済型で借入期間も1~3年の短期融資型が中心です。

 元金返済がなく期日には同額延長がきくため元金返済が進まない。

 長期・分割償還の住宅担保融資の割合を高めるべきという声がこの局面で上がっている状況ですから最早為す術がない。

 推測ですがあと5年もすれば家計負債の33.7%(34兆円)が不良債権化するでしょう。

 45%が不動産担保付なので貸し倒れは限定的(15%前後2.4兆円)でしょうが残り55%(18兆円)は貸倒れリスクが高い(30%前後6兆円前後)。

 50代の債務不良化だけで8.4兆円の貸倒れが発生すると予見されます。

 この規模の不良債権が発生すれば国家が破綻する。

 韓国の銀行の自己資本は大幅に毀損しBIS規制によって大規模な貸剥がしが発生し間接金融不全と金融機関破綻が増加する。

 結果国家負債の急上昇と国民の預金一部消失が同時並行で発生します。

 高齢者社会保障や年金がほとんどない韓国ではハイパーインフレと増税が発生します。

 個人負債の不良債権問題は出口が悲惨です。

 個人破綻しかないのですが高齢者の場合財産の消失は生命維持困難を示します。

有権者であり親でもある。

 国家や企業の再生処理のようにはいきません。

 既に高齢社会になりつつある以上解決策ないのです。

厳しい問題です。

 

 



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