韓国の速すぎる家計負債増加
青空のブログ
2015-12-30
韓国の個人負債は拡大の一途です。
金利が下落や規制緩和影響もあるでしょうが借入は最終的には完済することから逃れられない。
通貨、金融危機など20年間に3回も金融不安を経験しながら負債拡大に拒否感がないことに
驚きますがこのままでは韓国の根底を破壊します。
韓銀は
都市銀行や農協銀行など預金取扱機関の家計貸出が
15年4月末現在765兆ウォン(約85兆円)、
個人ローンと販売信用を加えた全体家計負債(家計信用)残額は
遂に1100兆ウォンを超えたと公表。
前月比10兆1千億ウォン増加してます。
特に新規住宅担保貸出が急増してます。
銀行の住宅担保貸出は1月1兆5千億ウォン、2月3兆9千億ウォン、3月4兆ウォン、4月8兆7千億ウォンと急増の幅も凄まじい拡大です。
15年から貸出額が16兆ウォン増加しています。
韓銀の金利引き下げとDTI、 LTVなど貸出規制が緩和されたことで
不動産費用(チョンセ(時価7割に及ぶ補償金))急騰負担から、
住宅購入需要が増加し住宅担保貸出が急増したようです。
低金利であるため延滞率も0.49%と史上最低値を維持しているようです。
融資の種類別では4月末の住宅担保ローンが残額478兆ウォン、マイナス通帳ローンや預積金担保ローンなどを含むその他融資残額が287兆ウォンでした。
合計1100兆ウォンは14年の総可処分所得838兆ウォンを全て投じても返済できません。
借入残高は年間10%近い増加です。
韓国では労働人口の中核の高齢化が進む中、
個人負債が増え続けるという資本主義市場で前例のない形で進んでいます。
要因は韓国人自体が負債を完済させる計画も意志も持っていないことが感じ取れます。
当局は家計負債増加が金融リスクを拡大しないとしてます。
また安心転換貸出の導入で住宅担保貸出金利構造を長期固定金利中心に変えるなど構造調整を通じてリスクを減らしていると強調します。
韓国は外貨準備高3622億ドル、14年894億ドルの経常黒字です。
IMFやS&P(格付会社)も家計収支は危機レベルでないと評価。
家計金融資産は金融負債の2倍以上で家計負債は多くが高所得階層に集中している為です。
LTV・D TI安全弁があり家計負債の65%を償還余力がある所得Ⅳ階級~Ⅴ階級が占めているとしています。
貸出金利は3%以下で新規住宅貸出の平均金利は4月には2.81%に下落。
政策金利は1.75%(現1.5%)で今後より下落するでしょう。
韓国がゼロ金利の米国より個人貸出金利(4~5%)が低い現象が発生してます。
韓国は貸倒リスクが金利に反映されてない。
低金利は預金残にも影響してます。
平均利率が年1%台になり定期預金で多額の資金が流出。
15年4月の定期預金残は543兆ウォンで1カ月で4兆ウォン減少。
普通預金残は438兆ウォンで1カ月で3兆ウォン増加しました。
投資先がない滞留資金が増加したのです。
最大の懸案は米国の金利引き上げです。
米国は失業率は8年ぶりの最低値5.6%で完全雇用に近く成長率も2.4%。
ゼロ金利や量的緩和シェールガス革命などが複合的に作用し
市中に放出した4兆ドルの流動性による資産バブルを警戒してます。
米国は遅くとも12月に利上げする見方が大勢で具体的なアナウンスも米国当局から出てます。
米基準金利は0~0.25%ですが米連準委員17人中15人アンケート調査では
政策金利を平均1.125%16年と17年末の中間値をそれぞれ2.5%、3.625%と展望。
かなりの金利引き上げが予測されます。
しかし米利上げは外国人資金流出に直結します。
韓銀も17年までに2%ポイント以上の利上げが必要になる可能性が高いといえます。
韓国当局は家計負債のリスクは低いと主張しますが実態は構造的脆弱性が目立ちます。
韓国家計負債を米国と比較すると平均値と中間値の傾向が全く違う。
「高危険ローン群」が存在してます。
金融負債が金融資産を超過した137余万限界世帯、
可処分所得で元利金償還負担が40%を越える234万の高危険世帯が
「高危険ローン群」で不良債権予備軍です。
そのほとんどが所得第Ⅰ階級~第Ⅱ階級の低所得層と自営業者です。
彼らは平均3%台の担保ローンを利用する賃金労働者とは違い平均5%台の第2金融圏ローンに集中してます。
金利上昇があれば破綻者は急増するでしょう。
3人世帯基準として700万人が借金に耐えられず破滅するといわれ人口の2割近くに及びます。
個人資産の70%を占める不動産も時価崩壊を起こすでしょう。
日本の場合バブル崩壊後5年で都内不動産時価は7割以上下落しました。
半分以下です。
韓国の家計負債は速すぎる増加幅、GDPに匹敵する金額の巨大さとも既に実質的に危機水域です。
しかしなぜここまで急速に悪化していったのか。
次回は韓国の家計負債の構造上や商品上の問題を見ていこうと思います。
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