Harukoの濾胞性リンパ腫日記【B細胞 Ⅳ期 B症状 50歳代後半 】 2008年4月28日~

悪性リンパ腫の入院日記。多くのリンパ腫病のうち濾胞性(低悪性)リンパ腫の総合情報サイトを目指して行きます。

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悪性リンパ腫の診断と治療 2004年

2004-01-01 00:00:00 | 治療法あれこれ
悪性リンパ腫

概念:
リンパ節の構成細胞に由来する造血器悪性腫瘍である。 リンパ節腫脹による局所症状と、発熱、体重減少、寝汗、皮疹などの全身症状を生じうる。 主たる悪性リンパ腫は、大きくホジキン病(Hodgkin disease)と、非ホジキンリンパ腫(Non-Hodgkin lymphoma)に分類される。 


検査:
問診、身体所見から悪性リンパ腫が疑われた場合、診断のためリンパ節などの病変組織を生検し病理組織診断をつける必要がある(生検標本処理の具体的な方法については、7.2を参照)。 生検部位に応じて、当該科(耳鼻科、形成外科、外科など)に依頼。


血算: 赤血球、Hb、白血球、分画、血小板。 血液生化学、免疫検査: 総蛋白、蛋白分画、ALP、LDH、ALP、γ-GTP、CRP、赤沈、HTLV-1、HIV、EBV、自己免疫現象の存在が疑われるときは、自己抗体など自己免疫疾患に準じた検査を行い検索する。 β2ミクログロブリン、チミジンキナーゼ、可溶性IL-2受容体などをチェックする。 

骨髄: 骨髄への腫瘍細胞浸潤のチェックのため施行する。 生検を含め、両側の腸骨から施行するのが望ましい。 全身病変評価: 全身CT、ガリウムシンチ、PETを行う。 また、耳鼻科領域のリンパ節についても病変の存在が疑われた場合、耳鼻科で評価していただく。


診断基準:
病理組織診断で行う。 基本的にはWHO分類を使用。


病期分類:
基本的にはCostswoldsの分類を使用。 


治療:
リンパ腫の治療は、組織診断、病期などにより多彩である。

ホジキン病: 早期ホジキンリンパ腫(IA、IIA、巨大病変なし)に対してはABVD4コース+放射線治療を施行する。 初発進行期(IB、IIB、III、IV期)に対してはABVD療法6~8コースを標準とする。 残存病変、治療前の巨大病変に対しては放射線治療を施行する。


非ホジキンリンパ腫:
低悪性度リンパ腫;(濾胞性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、濾胞辺縁帯B細胞性リンパ腫、small lymphocytic lymphoma)(ここでは、濾胞性リンパ腫の治療を中心に記載)


Ann Arbor I, II期: involved field radiotherapyによりmeidan survival 10年が期待できる。 bulky mass, B症状、LDH 上昇などの予後不良因子がある場合ではStage III-IVと同様の治療が必要となる。


Ann Arbor III-IV期: 濾胞性リンパ腫は診断時、80%はstage III-IVである。 化学療法のみでの治癒は困難であり、無症状、高齢、合併症あり、自然退縮傾向を認めたことがあるなどの一定の基準を満たした症例をwatchful waitingで経過を見ることがある。上記以外では、CD20陽性のものについては抗CD20モノクローナル抗体(リツキシマブ) と化学療法との併用(CHOP療法、COP療法、EP療法など)で治療を行う。 

治療初期に腫瘍総量が著しく多く、rituximabでinfusion reactionを生じる危険が高い場合には、1-2コース目をCHOP療法で施行し、その後R-CHOP療法を施行。 

また、リツキシマブを用いたin-vivo purged ASCT(自家造血細胞移植)なども検討する。 

しかし、これらの化学療法、抗体療法でも多くの患者様は、治癒困難と考えられる。 

唯一、治癒が見込まれる治療として同種移植があるが、高い治療関連毒性を伴い、若く、全身状態が良い症例や、兄弟間でHLAが一致している症例などが適応となる。また、

近年、骨髄非破壊的造血細胞移植(ミニ移植)により、治療関連毒性を軽減する試みがあり、治療の選択肢のひとつになっている。 当科では、他の治療によっても難治で治療困難な患者様を対象としてミニ移植を施行する臨床研究を行う予定である。


***マントル細胞リンパ腫(MCL)
 MCLはmedian surivivalが3~5年のmost incurable lymphomaである。Working Formulationでは低悪性度リンパ腫に分類されているが、他のindolent lymphomaと比較して明らかに予後不良であり、CHOP療法に対しても難反応である。65歳以下の症例に対しては、Khouri et al.が報告したHyper-CVAD+HD-MTX療法(J Clin Oncol 1998; 16: 3803)に準じて、自家末梢血幹細胞移植を併用した強力な多剤併用化学療法によって治療している。 一方、自家移植の適応がない高齢者などにはR-CHOPなどの化学療法を施行する。

中悪性度リンパ腫;
限局期(病期I、病期IIAのうち病変部が一照射野に入るもの。 ただし、10cm以上のbulky massを有するものは除外する。):
 化学療法と局所放射線療法の併用療法を標準治療とする。 CHOP療法 (21日) を3コース施行後、放射線治療を開始する。照射量は原則で1日線量が1.8Gy~2.0Gyで、総線量は40~55Gyである。

進行期(限局期に分類されないもの):
 1993年に発表されたInternational prognosis index(IPI)による層別化が、完全
寛解率と生存率を良く予測出来、risk adjusted therapyが標準治療法となっている。


IPI Low/Low Intermediate
CHOP療法6~8コースが標準的治療法であったが、CD20陽性のものに対してはrituximabを併用するR-CHOP療法を標準治療としている。



IPI High intermediate/High
HI/H群に対するCHOP療法の効果は限られており、標準治療は未確定である。 若く、全身状態の良好なものについては、first lineの治療として、自家造血細胞移植を考慮する。 移植前の化学療法は、通常のCHOP療法を6-8コース施行後おこなうregimenやhigh-doseの化学療法を短期間に施行した後に行うregimenなどがある。 また、腫瘍細胞にCD20陽性が場合は、R-CHOPを行う。


高悪性度リンパ腫;
バーキットリンパ腫・バーキット様リンパ腫; 化学療法に対する感受性が高く、短期集中型の化学療法で治癒が期待できる。現在、Magrathらが報告したCODOX-M/IVAC療法(J Clin Oncol 14: 925-934, 1996)を施行している。


リンパ芽球性リンパ腫; 日本ではまれなリンパ腫でまとまった治療成績がないが、現在はALLに対して施行されるような治療強度を高めた多剤併用化学療法に中枢神経予防を併用する治療法を施行している。


*** バーキットリンパ腫・バーキット様リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫のいずれも、化学療法に対する感受性は高いものの再発率も高く、症例により、同種移植を考慮する。






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