雲のかたち

雲のかたちが美しいと思うようになったのは
いつ頃からだろう
ぽっかりと浮かぶ雲
流れるような雲
雲に反射する光
いつまでも見飽きることがない

朝
雲の浮かぶ空を見上げて
一瞬立ち止まって
大きく息を吸い込んだら
また一日がんばれそうな
そんな気がした

月食

満ちているのに
欠けている月

いや
欠けているのに
それでも満たされている
そんな月かな・・

狂い咲く

秋の空に
狂い咲く桜
春の訪れを待てず
春の訪れを信じることができずに
その命を咲かせ
そして　散らす

私の心の花も
いつか　狂い咲いて散るのだろうか
来ることのない春
出口の見えないあした
そんな日々に疲れ果てて
いつか・・

花のように

なぜかいつも
心がざわざわと波立って
落ち着かない
いろんなこと
よけいなこと
考えてしまう
いつになれば
もっと静かな気持ちで
待っていられるようになるのかな

花のように
黙って
自分のすべきことをして生きて
そして
ひとの心をも癒す
そんなふうに
なれたらな
でもやっぱり無理かな

あなたに

ごめんね。

ありがと。


大好き。

順応

心を
抑えつけているうちに
それが
ふつうになってしまう
ぎゅうっと抑えて
すこしずつ
心のかたちが変わってしまっても
いつしか慣れて
気がつけば
違う自分ができあがってる

ふと
そんな気がして
それが怖くて
足もとのちいさなスミレを
黙って見つめていた

残照

暮れゆく空の
最後のひかりのように
ぎりぎりまで
手放せないもの

心の奥底に
そっと隠した
いちばん大切なもの

宝の箱を
探すみたいに
いつか
見つけてくれたなら

上弦の月

ちゃんと
話せたのに
長い間
心に溜まってたこと
やっと吐き出せたのに
どうしてこんなに
心細いんだろう

ふくらんでゆく月を
縋るように
ただ
見つめる・・

かくれんぼ

葉鶏頭の赤い葉っぱに、
バッタが一匹・・
いや、二匹、三匹いるよ。

どこにいるかわかるかな？

優しい顔

咲いたままドライになったあじさいが
なんとなく好き
色あざやかに咲き誇ってるときよりも
やわらかく　おだやかな表情で

私も
年を重ねるごとに
だんだん　優しい顔になっていきたい