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マリアビートル/伊坂幸太郎

2014年03月07日 | 趣味・娯楽
読みました。

これは『グラスホッパー』の続編に当たる作品で、新幹線の車内で繰り広げられる殺し屋たちの物語です。

二人組の殺し屋、蜜柑と檸檬。
不運の殺し屋、てんとう虫こと七尾。
冷徹な中学生、王子。
王子に復讐をする男、木村。

この五人が代わる代わる語り手を担い、それぞれの視点からストーリーは進むわけですが、この五人以外にも重要人物は呆れるほど多くいます。

たとえば、前作からの続投出演、押し屋の槿や鈴木も含め、蝉、岩西、桃、スズメバチ、寺原、劇団など『グラスホッパー』でおなじみの名前が勢揃いです。
さらに、この小説が侮れないのは、登場人物達は皆役割を持っていて、いわゆるモブという存在がほとんどいないこと。
新幹線という空間の中で、それぞれが思惑を抱いて行動し、交錯していく。
まさに謳い文句通り「殺し屋達の協奏曲」なわけです。

伊坂作品のキャラクターはどれも魅力的で印象に残ります。
が、『マリアビートル』の登場人物達は一際強烈。
しかも、おそらくは意図して対比の構造になっていると思われます。
慎重派の蜜柑と大雑把な檸檬(作中によれば、典型的なA型とB型)、ついてない男七尾とラッキーボーイ王子、というように。
その対称加減が絶妙で、彼らが会話をするごとに場面に活き活きとしたテンポを生み出しています。

そして、その彼らの独特の個性は戦況にも影響し、一見誰かに有利な展開に思えても他の誰かが加わることで状況は一変する、ということは少なくありません。
そういうわけで、誰が敵で誰が味方なのか、ごちゃ混ぜになっていくような話の中で、謎は深まっていき、そして一気に解決するのです。

そして、小説の中で繰り返し王子が問う「どうして人を殺してはいけないの?」という質問。
作中では大人達が色々な答えを出していて、そのどれもが己の信念や考えに基づいているものです。
従って、これが答えだ、と明示されているものはないと思うのですが

わたしが気になったのは「そういう質問は大人を気取った子供の『麻疹』みたいなものだ」ということばです。
『死神の浮力』にも『麻疹』というワードが出てきた気がするなぁ、と考えたところで、『グラスホッパー』『首折り男の周辺』を基にした漫画『Waltz』にも『麻疹』という単語が出てきた、と思い出しました。
何が言いたいかっていうと、わたしは伊坂が大きなテーマとして考えているものが『麻疹』という単語で表されているんじゃないのかな、と思ったわけで。
それが何なのかは掴めていないのでもっと本読みたいと思いますってことです。ハイ。


やっぱりとりとめのない文章で終わってしまいました。残念。
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