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自衛隊観艦式2012 海上自衛隊創設60周年 JMSDF FLEET REVIEW 2012

2012-10-14 22:41:14 | 海上自衛隊 催事

◆本日10月14日観艦式本番挙行!

 本日観艦式本番が野田総理大臣観閲の下相模湾にて挙行されました。今回は予行を撮影したG-12の写真からその様子を少しお伝えしましょう。

Nimg_4845 観艦式とは、海軍機構がその保有する戦力を装備面と訓練面から精強さと運用能力を観閲官を筆頭とした国民に対し示し、国民からの負託された責務と代償は必要な水準で維持されていることを広く提示する国家的行事であり、海上自衛隊は再建以来定期的に観艦式を実施してきました。写真は観閲官到着海域へ急行する旗艦くらま。

Nimg_4864 今回の観艦式では、前回と比較し、艦隊防空にあたるミサイル護衛艦がイージス艦とターターシステムにガスタービン推進を備えた近代的護衛艦で形成され、一方で旧地方隊配備用小型護衛艦は大きく整理され、観艦式には参加しませんでした。加えて新型護衛艦の参加やヘリコプター搭載護衛艦の世代交代など特筆すべきものは多々あります。

Nimg_48900 観閲官を乗艦させ、観閲艦として旗艦任務に当たる護衛艦くらま、後方にはヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、ミサイル護衛艦ちょうかい、ミサイル護衛艦あたご、が続き先導艦として護衛艦ゆうだち、が相模湾を進む。五隻ではありますが、実質的に機動部隊、という表現が当てはまる威風堂々の陣形です。

Nimg_5396 航跡と共に相模湾を進む部隊、この日は雨天の予報もあったのだけれども、予報は外れるもの。観閲付属部隊は、護衛艦いなづま、支援艦あすか、潜水艦救難艦ちはや、護衛艦やまゆき、訓練支援艦てんりゅう、を以て編制、並行して観閲付属部隊が航行、観閲部隊と観閲付属部隊の二列にて相模湾を進んでゆく。

Nimg_5415 受閲部隊、最新鋭護衛艦あきづき、を先頭に一列に進む様子は壮観の一言、護衛艦あきづき、護衛艦はたかぜ、護衛艦しらね、護衛艦たかなみ、護衛艦おおなみ、護衛艦はるさめ、護衛艦いせ、護衛艦せとぎり、護衛艦はるゆき、護衛艦あさゆき、そして写真には写らない後方には更に18隻が続く。

Nimg_5417 最新鋭護衛艦あきづき、今年春に就役したばかりの新世代汎用護衛艦で、イージスシステムを補完する国産多機能火器管制システムFCS-3改を搭載した汎用護衛艦、従来のミサイル護衛艦が担った艦隊防空に準じる僚艦防空能力を有し、基準排水量5050t、満載排水量は7000tに達する頼もしい新型艦だ。

Nimg_5421 しらね、くらま。海上自衛隊の一時代を築いたヘリコプター搭載護衛艦、対潜戦闘を海洋の自由維持への基盤と考えた海上自衛隊が独自の運用体系に基づいて導入、米海軍では空母搭載の大型対潜ヘリコプター三機を集中運用し、二隻で米空母一隻分の回転翼対潜哨戒部隊を運用可能な部隊で、この運用思想は今後も改良され受け継がれる。

Nimg_5432 ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが型は、今回一番艦ひゅうが、二番艦いせ、が参加しました。満載排水量19000tという巨大な船体は新しい全通飛行甲板型の船体を有するもので、搭載する航空機を切り替えることで究極の多用途艦としての能力を発揮するものです。手前には潜水艦、潜水艦は最新鋭の潜水艦けんりゅう、潜水艦いそしお、潜水艦わかしお、が参加です。

Nimg_5429 掃海母艦ぶんご、掃海艇あいしま、掃海艇みやじま、掃海艇ひらしま、掃海艇たかしま、掃海艇えのしま、続いて輸送艦くにさき、LCACが見える。これに続いてミサイル艇しらたか、ミサイル艇くまたか、護衛艦うみぎり、が続き、外国艦艇三隻が航行、受閲部隊を構成しました。

Nimg_4918 観閲部隊と観閲付属部隊の間を受閲部隊が進み、多数の艦艇が相模湾に展開、これだけの艦隊行動を多種多様な艦艇と厳しい海象を背景に陣形を維持し遂行するだけでも高い能力が求められます。今回の観艦式は参加艦艇が40隻と発表されましたが、参加予定の海上保安庁巡視船が任務により参加を取りやめ、海上自衛隊艦艇36隻と外国艦艇3隻の39隻、となりました。

Nimg_5438 受閲航空部隊の展開、参加航空機は33機の予定でしたが、海上自衛隊23機と陸上自衛隊3機、そして航空自衛隊より7機が参加する予定であったのですが、機材の都合により航空自衛隊の参加航空機に変更があったようです。しかし、延々と続く航空機の編隊は観艦式の規模を推し量る何よりもの指標でしょう。

Nimg_4933 富士山を背景に艦隊は一斉に変針、ここから訓練展示へと入ります。陣形運動や実爆を伴う展示、空包発射や部隊行動などを展示したのですが、物凄い迫力と高い練度の誇示を記録に収めましたものの、残念ながらG-12ではなく、EOS-7DとEOS-50Dにより撮影しましたので、今回の記事では掲載できません。

Nimg_4954 一連の展示を終えて横須賀へ戻る艦上から撮影した情景。光の加減はやや逆光気味ではあり、そして視界も完全というわけではありませんが、一列に艦隊が進む様子はよくわかります、浦賀水道に入れば一列になる必要があり、その分、艦隊の総延長は物凄いこととなり、水平線一杯に点々と並ぶ艦艇が進んでゆきます。

Nimg_5445 さて、この時期の観艦式ですが、軍事機構第一の任務は抑止力を行使し予防外交の最後を担う機関として紛争の武力紛争化を防ぎ、戦争と平和の転換を回避することにあります。我が国周辺情勢は冷戦終結後最大の緊張状態へ入りつつありますが、今回の展示が抑止力として昨日の平和を明日へ引き継げることを祈念するものです。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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2 コメント

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はるなさま (ドナルド)
2012-10-14 23:04:17
はるなさま

さすがに本番に行かれたのですね。私は無理だったのですが、父が予行に行って来て、その写真を楽しんでいます。

あきづきですが、イージスDDG2隻のすぐ後ろに占位していました。素人(=父の)目には3隻目のイージス艦に見えたそうです。その写真を見ていて連想したのは、日露戦争時の、日進、春日。あのように見えたのかなと。。。イージス艦の半額の船ですが、貫禄はかなりありますね。性能差は間違いなくあるのですが。(笑)

あと、数隻のはつゆき型越しに、ひゅうが型を望む写真もあるのですが、DDの排気の陽炎の向こうに、DDHの高いマストがそびえ立つ姿は、海自は、巨大な艦を持ったのだな、と印象づけるシーンでした。

続報、楽しみにしております。
返信する
今日は よろしくお願いしますね^^すごいですね^^ (グッチ ボストンバッグ)
2012-11-11 16:11:45
今日は よろしくお願いしますね^^すごいですね^^
返信する

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