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【京都発幕間旅情】長浜城(滋賀県長浜市)浅井長政小谷城から琵琶湖畔今浜へ羽柴秀吉最初の城郭その城址公園

2022-10-26 20:00:35 | 旅行記
■碧き琵琶湖畔の長浜城址
 京都駅から新快速で一時間と五分、琵琶湖の対岸に先程まで目の前にあった比叡山と比良山系を遠く望むところに城郭とそして城下町があります。

 長浜城、北陸本線長浜駅は特急サンダーバードが湖西線を通り福井金沢へ急ぐ中、新快速の基点駅である長浜駅、そのホームを琵琶湖の方へ視線を移しますと、天守閣が、しっかりと凛として威容を示しているのです。北陸本線が通る通り、昔からの交通要衝という。

 滋賀県長浜市公園町に立地しています城郭は、中世の城郭、といたいところですが長浜市長浜城歴史博物館といいまして、所謂再建天守閣であり模造天守閣で城郭の建築様式を採用しました歴史博物館です、ただ、城郭は模造でも城下町の風情は当時の気風を残します。

 羽柴秀吉が初めて城持ち大名となった、記念すべき城郭が長浜城でした。もっとも城郭の大半は天正地震による城郭崩落など、破壊に見舞われまして、その後復旧も行われているのですが現存しません、天守閣さえ当時と別のところに歴史博物館として再演されました。

 天正元年こと西暦1573年、織田信長の配下羽柴秀吉は近江の雄浅井長政を破りました、この勲功は大きく織田信長は遂に近江琵琶湖湖岸をその勢力下に置き、尾張と美濃の拠点から大きく京都へ上洛の道筋を建てる事となります、秀吉はこの時浅井氏の旧領を拝領した。

 小谷城、浅井長政の居城でした。小谷山は陽光495mと高く、山頂の城郭遺構がありますが登山口から本丸曲輪部分へ徒歩で30分ほど要するという立地で、あの有名な姉川の戦いは、元亀元年6月28日こと西暦1570年7月30日、この近くが戦場となっています。

 梯郭式山城であった小谷城は山城としては日本有数の規模であったという、二重天守が山頂に威容を放っていたといいますがしかしどれも現存せず、曲輪に堀切と土塁、僅かな石垣が残るのみという。凄い山城であった小谷城に対し長浜城は水の城といえるものでした。

 琵琶湖の湖畔にあった長浜城、今浜という地形を利用した城郭とされています。羽柴秀吉は最初、小谷城に入城しようとしたのですが山城である堅城は敵を寄せ付けないばかりか領民から遠すぎ、また城塞単体では包囲された際に持久に限度がある故に別の城郭を探す。

 今浜という地形は、これは現在の長浜駅周辺が羽柴秀吉以降連綿と都市計画と整地造成を続けてきました結果ですので分り難いのですが、砂州が三角州のように広がり、短期間で掘割を含めた造営が可能であるとともに、琵琶湖の水運を最大限活用できる地形だった。

 城郭は、比喩ですが天橋立のような地形で、琵琶湖に面した砂州を御殿として活用しその砂州の付け根の地域に天守閣と櫓を配置していたとされます。天橋立と異なるのは内海側が港湾として活用されており、要するに兵站拠点として湖水輸送を最大限活用している。

 掘割は、内堀と中堀に外堀があったといい、内堀が港湾としての機能を有していました。水上から攻められると脆弱性はあるのかもしれませんが、当時の船舶は琵琶湖を越えた単独での上陸作戦が技術的に難しいものでした、特に琵琶湖は周辺を友軍が抑えています。

 内堀と中堀の中間区域には家臣団の屋敷が広がり、しかし城下町は交通利便性を考え、道路は整然と直線で結ばれていたという。防御を想定するならば当時直線は採用しませんので、羽柴秀吉はこの長浜城を純粋に策源地であり、兵站拠点として考えていたのでしょう。

 独立式望楼型三重五階の天守閣は1983年に造営されています。築城年は天正元年の西暦1573年となるのは前述の通りですが、廃城年は慶長20年こと西暦1615年となっていまして、400年以上前に廃城となっています、しかし城下町は彦根藩が管理し、今に至ります。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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