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北朝鮮衛星ロケット打ち上げ-浜田防衛大臣が破壊措置命令準備を発令,日本本土落下許さぬ厳しい姿勢

2023-04-23 07:00:40 | 国際・政治
■臨時情報-ミサイル防衛
 北朝鮮の弾道ミサイル技術を高めたテポドン一号も衛星ロケット打ち上げの名目で事件されました。

 浜田防衛大臣は22日、北朝鮮軍事偵察衛星打ち上げに備え、破壊措置命令準備を発令しました。これは19日に北朝鮮が発表した軍事偵察衛星打ち上げ発表を受けてのもので、過去には北朝鮮による日本の東北地方上空を飛行した人工衛星打ち上げに対しても破壊措置命令が発令され、破片が落下する場合に備えて防衛省が警戒態勢をとっています。

 沖縄方面に向けてロケット発射を宣言した際には、当時落下が予想された地域に先島諸島、いまと違い自衛隊のレーダーサイト以外部隊が駐屯していなかった時代であったことから、防衛省は沖縄救援隊を編成、ペトリオットミサイル部隊を宮古島分屯基地へ緊急展開させることとなりました。今回も必要に応じ、こうした措置が執られることとなるでしょう。

 軍事偵察衛星、そもそも弾道ミサイル技術を応用したロケット打ち上げは、北朝鮮では過去の核実験及びミサイル実験により国連安保理決議による制裁として禁止されています。まず北朝鮮が行うべきは国連への支援義務が加盟国に課せられている中、強行規範としての機能を有する安保理決議履行に従うことが先で、加盟国として行うべきではない。

 破壊措置命令といいますと驚くような表現かもしれません。しかし、多段式ロケットを宇宙に打ち上げる場合には、朝鮮半島からは中国かロシアか日本か、いずれかの上空を飛翔する必要があり、そしてミサイルでなくとも多段式ロケットはその上昇過程でブースターを切り離すため、その経路下に落下することとなります。これを避ける措置です。

 北海道ミサイル警報、13日に発令されました北朝鮮ミサイル発射実験に伴うJアラートが発令されています、これは当時大袈裟という反発もあったようですが、分析が進むとともに、あのミサイル発射実験に際しては自衛隊レーダーがミサイルを追跡していたが、その一部がレーダーから消失、その弾道から北海道方面に向け降下を開始したと推測された。

 イージス艦から運用されるスタンダードSM-3迎撃ミサイルがミサイルを中間段階の高高度で迎撃し、撃ち漏らしたミサイルについては射程は短いものの陸上に配備されているペトリオットPAC-3とMSEが対応します。何事もなければいいのですが北朝鮮が目指すのは核攻撃能力の整備であり、まったくなにも油断は許されないのが現実なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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