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榛名防衛備忘録:9mm機関拳銃とマイクロUZI改修のUZI-pro,近接戦闘への優位性

2017-03-09 23:24:47 | 先端軍事テクノロジー
■9mm機関拳銃とUZI-pro
 陸上自衛隊の空挺部隊及び空中機動部隊では現在、9mm機関拳銃が採用されていますが、この装備について。

 SMG、短機関銃、拳銃弾を瞬間的に大量に投射するこの装備は第一次世界大戦時代に塹壕戦など近接戦闘の増大を前に瞬発火力を発揮できる銃器として登場しましたが、その後、第二次世界大戦後に小銃弾を使用する小銃が突撃銃として連射が可能となる性能が一般化すると次第に、小銃弾と拳銃弾での射程の違いからその活躍の場を移し、一時は対テロ部隊や憲兵部隊を除き軍隊から姿を消してゆきました。

 9mm機関拳銃を構え式典に臨む第12旅団の指揮官、空中機動を重視した旅団故の精悍な装備です。9mm機関拳銃はミネベアが主任技術者一名を中心に完成させたもので、外観がイスラエル製UZI短機関銃と非常によく似ている形状で制式化当時話題となりました装備です、前方握把が配置され銃床を省き両手の握力により銃器を保持し射撃するもので発射速度は毎分1185発に達します。

 本体重量は2.8kgと89式小銃の3.5kgよりも非常に軽量ですがその分、射撃速度が大き過ぎ命中精度が限られるともいわれるもの。折畳銃床を採用し安定性を高める事は出来なかったのか、と、例えば4.7mm弾を採用するH&K社製MP-7やUZIの小型版であるミニUZI等の設計を見ますと安定性を高める施策が、制式化当初に現場部隊、そして識者からも寄せられたとのことですが、独特の方法で保持性能を確保しています。

 9mm機関拳銃は航空自衛隊でも基地某美容に、また海上自衛隊では艦艇用武器としても採用されました。9mm機関拳銃の保持方法はスリングストック方式といいまして、実は9mm機関拳銃の射撃時に前方に大きく突き出してルスリングベルトを張力で安定させる事で一定の命中精度を発揮できる、特に標的下方を照準し連射する事で銃身の跳ね上がりを利用すれば近接戦闘にて非常に高い命中精度を誇る、ともいわれます。

 ただ、近年、UZI-pro、としましてイスラエル軍がUZI短機関銃の最小型にあたるマイクロUZI、折畳銃床を排した軽量モデルを折畳銃床追加の上空挺部隊や市街戦へ臨む歩兵部隊へ配備し成果を上げています、UZI-proはマイクロUZIと比較した場合ですが多少本体部分が大型化する不具合も操作性向上のためと割り切り、折畳銃床に前方握把を追加し、更にボルト形状を横広の新型へ更新しました。

 この改修によりボルト露出部分をレイルシステムで覆う事でダットサイト等照準補助器具を装着可能とし、兎に角原型がコンパクトですので非常に取り回しが容易で使いやすい装備へ生まれ変わった、とのこと。マイクロUZIはボルト部分の重量が小型の本体故に小さい事でその分の発射速度が大きくなっています、この為今までは操作が難しいとの評価がありましたことも否めません。

 この発射速度が大きいという部分ですが、UZI-proへの改修を通じ保持を容易とする銃床に整備により、逆に至近距離での瞬発制圧力の高さ、という利点へと切り替わりました。9mm機関拳銃、自衛隊でも小銃を携行する事が任務上制限される対戦車部隊や無反動砲手、指揮官自衛用等に相応の必要性がある装備ですので、我が国も9mm機関拳銃を改修し再評価してみる時機が訪れているのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま
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