北大路機関

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Weblog北大路機関 2009年運営方針構想 マクロ視点からの連載記事を充実

2009-01-03 23:50:24 | 北大路機関 広報

■2009年版Weblog北大路機関

 本日で正月の三が日も終了、ということで、Weblog北大路機関は2009年、どういった指針で進めるかということについてひとつ。

Img_9502  現在、F-X問題に関する一視点を、同盟関係なども交えた“日米同盟を考える: 航空自衛隊 次期主力戦闘機(F-X)候補”というものを順次上げていて、続いて、航空母艦保有の是非や、国際平和維持活動と日本、というものを同盟の視点から議論する予定。本年のWeblog北大路機関は、安全保障面の記事では、従来の自衛隊関連行事などに加えて、連載記事に新しく重点を置いた構成とする予定。

Img_0842  Weblog北大路機関として、考えてゆかなければならない問題は、よく問われることでもあるのだけれども、自衛隊とは強いのか?という問いだ。これは、そもそも、今日の日本そのものを見れば問いの答えにもなりそうなのだけれども、“強い”という視点の定義から、日本という国のこれから、についても含め、より広い視点から見てゆくことは必要なのかな、と考えているところだ。

Img_7925  そこで、より広い視点からみてゆくことも必要なのかな、と。例えば、国際貢献任務、これはもちろん、自衛隊が参加するものから国家としてより大きな定義の下で行うものまでを含めてであるが、憲法問題や国際公序の視点までもを包括し、日本は何処へ向かうのか、ということを、特に一般論としては議論されない、軍事という視点も概括した上で理論を展開していく必要があるのかな、ということ。

Img_4439  さらに付け加え、これは、此処が議論の場所としては多分違うのだろうけれども、学問と研究対象としての軍事はどのように扱われるべきか、ということ。国際政治から公法研究に至るまで、視点に軍事的な知的背景があれば、というよりも、無ければ事象と論理が合致しない分野も出てきてしまうのだが、好奇心に依拠した個別研究(つまりヲタ)で無ければ、得ることができない分野でもあるので、これは改善の余地はあるのか、海外の文献紹介を含め考えてみるべきなのかな、と。

Img_2942  実際問題として、Weblog北大路機関に求められているものとは何なのかな?と。もちろん、毎日更新しているものだから読んでもらっているという事は前提として、他方で、大学の学部生の方で読んでます、といってくださる方が少なからずいろいろなところで会うので、応える為にも、いわゆる他の軍事を扱うブログや政治を扱うブログとは異なる内容にするべきなのかな、と考える次第。

Img_0821  平和とは何か、という視点から、という軸のもとで、国際関係学や平和学が踏み込まない視点に対応するというかたちが、これまでに挙げた構想を実現させるのには必要なのかな、ということ。つまり、ハーバーマスやリットバーガー、ナイなんかは個別に読んでもらって、Weblog北大路機関では理論と実情を埋めるためのツールの一角度を供することができるような、ということ。

Img_9241  とりあえず、F-Xに関する“日米同盟を考える: 航空自衛隊 次期主力戦闘機(F-X)候補”を完成させる、というところですね。一方、Weblogに掲載した写真は、自衛隊装備では少なく無い種類の装備を撮影することができたので、思い切ってHP化してみては、という声も時として聞く。興味はあるものの、時間も無いので、これは、今年も一応検討事項には挙げる、というところか。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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6 コメント

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中東の海賊対策で、自衛隊の艦船のEU艦隊編入の構... (ウルトラマン)
2009-01-04 11:32:43
中東の海賊対策で、自衛隊の艦船のEU艦隊編入の構想があるそうだがこれも問題になっていくでしょう。現在、自衛隊艦船をインド洋に派遣しておいますが、更なる派遣には莫大な予算と人員を必要になりますからね。どうなるのでしょう。
返信する
ウルトラマン 様 お久しぶりです (はるな)
2009-01-05 23:18:01
ウルトラマン 様 お久しぶりです

海賊対策の派遣規模って、どのくらいになるのですかね?お付き合い程度に派遣するのか、文字通りアフリカ東岸の海賊を一掃する覚悟で派遣するのか、気になります。

いちばん気になるのは交戦規定でしょうか、警察官職務執行法の延長では限界があるような・・・。ちなみに、相手が国家かそれに準じる組織では無いことから、海賊への対処は国際紛争では無いので、“国の交戦権”が認められていない憲法には抵触しないのがせめてもの救い。

いちばん理想的なのは、P-3Cを派遣して洋上哨戒にあたる、というところでしょうか。不審船舶の情報を収集し、近傍の艦船に通報する、という方式。
返信する
毎度様です。 (軽トラックの稲妻)
2009-01-07 21:17:51
毎度様です。
このソマリア沖海賊取締について、ウェブニュース(産経新聞)で気になる記事を見つけたので紹介致しましょう。

「日本から護衛艦派遣 ソマリア沖 麻生首相、対応明言」 2008年12月26日
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/m20081226033.html

「ソマリア沖 海賊、刑法で摘発 海自艦同乗の海保活用」2009年1月3日
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/m20090103029.html

この文脈を見て頂ければ分かると思いますが、やはり現状の法律では「日本籍」に対してしか満足な対応ができないようです。(「外国籍船はどうなの?」という所が明瞭に書かれていない。)
今まで海上自衛隊が外国船籍を護衛するための武器使用は認められていなかったようですね。
このため苦肉の策で「海上保安庁職員」を同乗させるのだと思います。


根拠になるのはこの法律でしょうかね?
「自衛隊法第82条」
防衛大臣は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。
自衛隊法第93条(海上における警備行動時の権限)
1. 警察官職務執行法第七条の規定は、第八十二条の規定により行動を命ぜられた自衛隊の自衛官の職務の執行について準用する。
2. 海上保安庁法第十六条、第十七条第一項及び第十八条の規定は、第八十二条の規定により行動を命ぜられた海上自衛隊の三等海曹以上の自衛官の職務の執行について準用する。
3. 海上保安庁法第二十条第二項の規定は、第八十二条の規定により行動を命ぜられた海上自衛隊の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、同法第二十条第二項中「前項」とあるのは「第一項」と、「第十七条第一項」とあるのは「前項において準用する海上保安庁法第十七条第一項」と、「海上保安官又は海上保安官補の職務」とあるのは「第八十二条の規定により行動を命ぜられた自衛隊の自衛官の職務」と、「海上保安庁長官」とあるのは「防衛大臣」と読み替えるものとする。
4. 第八十九条第二項の規定は、第一項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により自衛官が武器を使用する場合及び前項において準用する海上保安庁法第二十条第二項の規定により海上自衛隊の自衛官が武器を使用する場合について準用する。


以前に管理人様と私とで下記のやり取りをしたのを覚えておられるでしょうか?
(>>が以前の私の投稿、>が管理人様の意見、私も日時は失念)
今回は更に私の意見を付け足しました。(無印部分)

>>現行の法律下で海上自衛隊にできることは警察官職務執行法に基づく権限のみで
(注:この表記は「世界の艦船」2006年10月号の記事(読売新聞記者執筆の記事より))

>前後の文が不詳なので確言できませんが、防衛出動命令が出され、例えば日本のシーレーンを防衛するべし!という命令が出されれば、それに基づいて行動することには問題は無いと思います。
なによりも、政府からの命令は、政令としての若しくは法律としての位置づけを帯びますので、シーレーン防衛を展開せよといわれ、出動はするが命令の実行はしない、というような“外国籍船については船員が日本人であろうが、積荷が日本宛であろうが、傍観せざるを得ないとのことです”という立場は出来ないのではないか、と。
更に、今日の世界で、無制限潜水艦作戦を実施すれば、当該海域を航行する全ての船舶の利害関係国が介入してくるでしょうし、そもそも、外国の船舶が目の前で攻撃されるような事態、といっても、攻撃が開始されてから、防護する(魚雷をボフォースロケットで叩き潰す、とか、外国商船にSSMが向かっているとわかるような、命中直前のホップアップの時期に対処しようとしても、ナンセンスなのでは、と)。

う~ん、本来は予防的に手を打ちたいけど、現行法では認められないのかな?
「防衛出動」もその都度の「時限立法」となるんでしょうか?

>>海自が「軍」という身分を持ち合わせていないことにも原因があるようですね
>ううむ、軍が軍を自称することが軍としての法的地位を画定する要素ではないので、海上自衛隊は実質的に軍としての機構や運用を為していれば軍事機構になります。
 この点、戦略(政治が判断すべき命題)と戦術(当事者が行いうる裁量の範囲)の分水嶺を明確にする必要がでてきますが、こればかりは文字通り政治の問題なので、投げることなく、明確にして欲しいですね。

全く持ってその通り。
本件、言葉の定義・解釈が色々分かれるので難しいですね。恐らく永遠に議論(大部分が不毛な)が続くのでしょう。
私自身も「軍」という呼称にこだわるつもりはございませんが、現場の方が対応に苦慮するような「法律の不備」は避けていただきたいと思うのです。(私が「『軍』という身分」と表現したのはこの事です。)
実情は肝心の「分水嶺」が今まで放ったらかしにされていたように感じるので・・・。

実は帰省中に実家で読んだ「航空ファン」2007年1月号にも「スクランブルにしても法律の不備のため他国では可能な対処も自衛隊ではできない」という元空将の記事が掲載されていました。
陸自のサマーワ派遣でも実際の戦術的行動(何が良くて何が禁止事項なのか不明瞭であった)について色々と苦慮したことを読売テレビ系の「報道特集」にて耳にしました。(例えばドイツ軍などがテロ組織と交戦しているのを見かけたとき、どうするのが良いか、など悩んだらしい。)
今の海上自衛隊ソマリア派遣においても同様な状況だと思うのです。

私も法律の素人なのであまり深入りせず、率直な疑問として投稿しました。


追伸:ウルトラマン様
お初にお目にかかります。実は私もウルトラマンシリーズが大好きなもので・・・。
機会があれば是非お話したいです。
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軽トラックの稲妻 様 こんばんは (はるな)
2009-01-08 00:04:23
軽トラックの稲妻 様 こんばんは

海洋法研究は、この分野、恐らく今後急速に進展するのだろうなあ、と。多分、今頃、研究計画書に海上における不法行為摘発と自衛権、とか海賊対策における行動規範、というような研究計画書を作成している大学院進学希望者は、かなりいると思います。

海上警備行動の適用は、これは法律論議からすれば恐らく展開する余地のあるギリギリの分野だとは思うのですが、実態と照らし合わせればちょっと違うのかな、と。そもそもあの法律そのものが、日本の周辺海域における適用を想定したものですし、海賊対処に対して果たして妥当化については、議論の余地があるのではないでしょうか。

例えば、日本船籍の船舶以外に邦人が乗組員として乗り込んだ船舶があるわけですから、船籍のみで線引きということは果たして出来るのか、と。これは怪しかったら、とりあえず対応するのか、事なかれ主義か、これに関する情報は開示されて検証の余地があるのか、などなど。もっとも、この分野は派遣された各国海軍が悩んでいるようで、加えて、海賊に占拠されている船舶、海賊船の区別についても、情報共有一つ取ってもうまくいかないようです。

この点、海上警備行動よりは、船舶の臨検や日本船籍以外の船舶への対応、という点が共通する分野、つまり大量破壊兵器関連技術拡散防止防止イニシアチヴ(PSI)に基づく海上臨検の手続きを示した法規が準用されるべきなのかな、と(手元に資料が出て来ないのが残念)。PSIでしたら、海上自衛隊も国際協同訓練に何回も出ていますし、日本で実施されたことも何回かあります。

あと、これはスクランブルや海外派遣における武器使用(一応日本の警察官職務執行法では、銃を構えることも武器使用)も含めてですが、不法行為が発生した場合、どうやって立証するのか、と考えたことがあります。査問はするでしょうが、場合によっては、警務隊や検察官が現場に出かけて、検証することもあるのかな、と。
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毎度様です。 (軽トラックの稲妻)
2009-01-08 20:56:35
毎度様です。

本日のインターネットニュースでまたまた気になるニュースを目にしたので紹介いたします。

「海自ソマリア派遣へ新法、今国会提出へ…海賊船射撃も検討」
読売新聞 2009年1月7日(水)03:04
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20090107-567-OYT1T00007.html

これはもしかして「世界の艦船」に寄稿した記者が書いているのかな?

記事を読む限りではまだまだ法律の不備が多いようで、当に「並高し」といったところ。
現場の方が最大限の力を発揮できるよう、政治化には現実的な法整備を望みます。

当然その政治家を選ぶのは我々国民の責任です。
しかし最近の政治ショーを見ていると、何処にも大した政治家が居らず、さてどうしたものやら・・・。
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軽トラックの稲妻 様 こんばんは (はるな)
2009-01-08 22:41:11
軽トラックの稲妻 様 こんばんは

世界の艦船や軍事研究の関連記事などを読んでみますと、法的な問題、特に集団的自衛権行使にも関わるような問題が出てきますし、船会社の国籍、船籍(旗国)、乗組員の国籍などなど、重複するややこしい問題があるのですが、そもそも、ソマリアの海賊は米軍艦船(ミサイル巡洋艦)に対してもRPGを撃ってくるような連中、現在、護衛艦には水上射撃用のFSCを搭載したCIWSを装備した護衛艦以外は、この種の任務に適応させられるのは12.7㍉機銃のみ、また、海上自衛隊の凛建に当たる特別警備隊の能力も充分とは言いがたく、果たして能力的に対応できるのか、という疑問も。ハープーンやSSM-1で撃沈して良いのでしたら簡単ですが、人質を取られる場合もありますし・・・。
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