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スロバキア軍MiG-29戦闘機13機ウクライナ空軍供与完了!ロシア軍に立ち向かうNATO標準仕様MiG-29-AS

2023-04-19 07:00:27 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ウクライナがロシア軍を押し戻す際に切望する戦闘機供与について大きな動きがありました。

 スロバキアのナジ国防大臣は17日、ウクライナへのスロバキア空軍MiG-29戦闘機13機の引き渡しを完了したと発表しました。この引き渡しは3月にNATO加盟国として初めて戦闘機供与を発表していたものを実行したもので、4機はウクライナ空軍操縦士が空輸回航、また9機については保安上から陸路を用いてウクライナ国内へ搬入されたとのことです。

 ウクライナ空軍もMiG-29戦闘機を装備しているため、即座にこの供与された戦闘機を運用可能です。ウクライナ政府は多種多様の装備を運用可能であるアメリカ製F-16戦闘機の供与をもとめていますが、一方でウクライナはアメリカから供与された対レーダーミサイルなどをMiG-29の火器管制プログラム変更により運用できるよう改修し実戦投入している。

 MiG-29戦闘機、NATO加盟国では今回ウクライナへ供与を行ったスロバキア空軍のほかに、ルーマニア空軍やポーランド空軍などで採用されています。そしてMiG-29戦闘機を一つの機種としてひとくくりでみるというよりも、NATO加盟国のMiG-29はNATO標準仕様へ改修されている点が特色です。そこでスロバキアのMiG-29改修をみてみますと改修点は。

 MiG-29-AS仕様という改修型で、BAE社製APX-113敵味方識別装置やMIL-STD-1553Bデータリンク装置,ARC-210(V)通信機を搭載するなど改良されているのですが、もっとも大きな点は通常のレーダーモニターをMFI-54多機能ディスプレイに換装した点で、操縦士の戦術情報把握を容易化した点が特色といいます。ただレーダーなどはそのままとのこと。

 リヴィウ航空工場において、実は2008年からウクライナもMiG-29戦闘機を改修しています、これはレーダーを新型のN019Mトパーズに改修することで中射程空対空運用能力を向上させるとともに、機体構造を強化し兵装搭載能力を強化、テレビ画像誘導方式のKh-29T空対地ミサイル運用能力を付与しています。供与機の改修もあり得るのかもしれません。

 F-16戦闘機、供与が難しいならば五年間の貸与でもいいので進めるべきではないか。アメリカ政府はF-16戦闘機の機種転換への煩雑性を優先度の低さ論拠として挙げているのですが、これまでウクライナ軍は驚くべき早さで供与された装備の運用に慣熟しています。現在の戦争を早期停戦させるには、まず、ロシア軍を押し戻す方法を考えるのが先決です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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