北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

第七次南スーダンPKO派遣施設隊第6師団基幹として派遣へ、第5旅団基幹部隊と交代

2014-11-04 23:08:16 | 防衛・安全保障

◆11月23日派遣先発隊が仙台空港出発

 防衛省によれば現在展開中の南スーダンPKO派遣部隊の交代部隊が派遣されるとのこと。

Pimg_13770 現在陸上自衛隊は、独立間もない南スーダンの国家インフラ整備などの支援へ国連平和維持部隊への国際貢献任務として南スーダンPKO派遣施設隊を展開中です。派遣部隊は現在、帯広の第5旅団を基幹として第六次派遣隊が活動中ですが、今回派遣されるのはその交代部隊です。

Pimg_1350 第七次派遣施設隊は東北方面隊隷下の第6師団を基幹とする編成で、指揮官あ西村修1佐、部隊は先発隊80名が11月23日に仙台空港を民航機により出発し25日に南スーダン首都ジュバ空港へ到達、主力第一波160名が12月4日出発、衆力第二波110名が12月18日に出発します。

Pimg_1365 現在派遣されている野村昌二1佐を式案とする第六次派遣隊は交代する形で11月23日にジュバ空港を出発し25日に新千歳空港へ、主力第一波120名の帰国は12月3日から、主力二派の帰国は12月17日からで新千歳空港には20日に到着すると発表されました。

Pimg_1246 南スーダンはスーダンからの民主党票により独立を果たしましたが、スーダンとの間で国境問題を抱えており、当初は中国製新鋭装備を揃えるスーダン軍からの攻撃が危惧されましたが、逆にPKO部隊駐留を盾として南スーダン軍が2011年と2012年に越境攻撃を開始し一時は非常な緊張に包まれました。

Pimg_1648 2013年にはマシャール元副大統領派によるクーデター未遂事案が発生、大規模戦闘に展開しPKO派遣部隊の一部が包囲され孤立、包囲された韓国隊の要請へ自衛隊が弾薬を特例として補給するほどの切迫状況となり、自国民救助に向かった米軍機が被弾し、インド隊に犠牲者が出るなど激化しました。

Pimg_1440  自衛隊宿営地近くでも銃撃戦が数回行われており、今年に入ってエチオピアの仲介で停戦合意が結ばれたものの完全な停戦には至らず、8月に連絡及び輸送任務に当たった国連のヘリが戦闘に巻き込まれ撃墜されるなど戦闘はごく散発的にではありますが、続いているため、予断を許しません。

Pimg_1503  自衛隊は幸い、任務期間の長期化を見越しての弾薬補填など、準備態勢をある程度整えると共に、戦闘が周辺で展開した際には警戒態勢を採りつつ挑発と誤解される行動を完全に抑え対処する事で戦闘の付随被害を受けていません。なかなか難しいことで、自衛隊の訓練水準の高さ故、というところでしょうか。

Pimg_1330 私見として、大規模戦闘の展開に際して重装備部隊を派遣するか、自衛隊の拠点があるジブチ海上自衛隊航空拠点へ空輸可能な装甲部隊を準備するなどの必要は感じるのですが、現在のところ自衛隊は粛々と新国家建設の任務を遂行中です。

北大路機関:はるな

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