北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

防災の日 自衛隊、政府調査団派遣訓練・地震災害応急対処訓練・広域医療搬送訓練を実施

2012-09-02 22:44:22 | 防災・災害派遣

◆平成24年度防災の日訓練、次の災厄に備えて

 防衛省自衛隊は昨日九月一日に実施された平成24年度防災の日訓練へ震災対処を念頭として参加しました。

Img_1371h 今回の訓練へは、第一に政府調査団及び警察広域緊急援助隊の確実な輸送要領の演練、第二に災害現場における地震災害応急対応要領の演練、第三に広域医療搬送における関係機関との連携要領の演練、第四に広域医療搬送における域外搬送拠点及び広域搬送拠点臨時医療施設及び災害拠点病院における運営などの支援要領の演練、以上四点が主要演練事項として挙げられています。

Gimg_4339 政府調査団など派遣訓練は、被災地への政府調査団の空路及び海上からの輸送訓練が実施され、加えて今回は愛知県警広域緊急援助隊の被災地への輸送訓練も実施されたとのことです。地震災害応急対処訓練では、主として首都直下型地震を想定し実施される九都県市合同防災訓練への救出救助等の訓練への参加が行われたよう。

Eimg_7736 広域医療搬送訓練では、東日本大震災で急きょ実施された災害派遣医療チームDMATと患者の緊急搬送、そして搬送拠点に構築される広域搬送拠点臨時医療施設SCUによる運営などの支援が実施されました。DMATは、民間医療チームで、大規模災害時には車両などで展開することとなっていましたが、東日本大震災では自力展開がかなわず、自衛隊輸送機が重宝された実例があります。

Img_0777 今回の訓練へは、統合幕僚総監部の参加を筆頭に、陸上自衛隊からは東部方面隊中部方面隊、西部方面隊中央即応集団、通信団が参加。海上自衛隊からは自衛艦隊、横須賀地方隊、呉地方隊、システム通信隊群が参加。航空自衛隊より航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、航空機動衛生隊が参加しました。

Cimg_7048 三自衛隊の参加部隊は、統合幕僚監部より人員20名、陸上自衛隊からは人員120両と車両23両に航空機7機、海上自衛隊からは人員410名と車両5両に艦艇2隻と航空機3機、航空自衛隊からは人員130名と車両11両に航空機が8機参加し、自衛隊全体では人員680名、車両39両、航空機18機、艦艇2隻が参加したことになります。

Img_0069p_2 訓練実施会場は、政府調査団輸送訓練が、国会議事堂に首相官邸と防衛省本省、そして横浜の九都県市合同防災訓練実施会場が行われ、広域医療搬送訓練は、空港施設として羽田空港と高松空港に松山空港と九州の大分空港と福岡空港、自衛隊施設に高遊原分屯地と新田原基地に美保基地と防府北基地、高知大学医学部付属病院で実施されました。

Img_5610 今回の訓練は自衛隊のほか、内閣府、消防庁、国土交通省、厚生労働省に加え、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市が参加し、医療搬送訓練では、内閣府、消防庁、国土交通省、厚生労働省、海上保安庁、鳥取県、山口県、香川県、徳島県、愛媛県、高知県、福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、DMAT事務局、宇宙航空研究開発機構が参加機関として挙げられています。

Kuramaimg_8328 南海トラフ地震の政府想定が見直され、最大k簿の想定により最も被害が起きくなる時間帯に襲来した場合の死者は32万という想定が出されました。迅速な避難と事前防災対策によりこの数は八割減災できるとのことですが、東日本大震災の犠牲者は現在行方不明者を含めても2万以下であり、32万から八割減災できたとしても東日本大震災犠牲者の三倍以上という事を忘れてはなりません。

Gimg_9401_1 実のところ、南海トラフ地震を警戒している中で、先に沖縄トラフ地震が発生した場合、南海トラフ地震への連動可能性を踏まえつつ災害派遣を行う、等、想定外に備えた訓練体系、というものが必要とも考えるのですが、可能な範囲内でどういったことが出来るのか、積み重ねることのできる一段として今回の訓練が有事の際に少しでも多くの人命を救うことを願ってやみません。

北大路機関:はるな

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