熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

佐川嘉夫写真展「はばたきⅡ優雅と厳粛」

2014年09月30日 | 展覧会・展示会
   知人のアマチュア写真家佐川さんが、佐原中央公民館を会場に、野鳥の写真をテーマにした個展を開いた。
   早速、今日の開会式の日に、出かけて拝見したのだが、「はばたき」は、二回目だと言うことで、大分熱が入っていた。
   前回は、カワセミのランデブーなどコミカルな写真があったのだが、今回は、スズメの親子愛をテーマにした一連の写真以外は、タイトルの「優雅と厳粛」と言うことで、飛翔する野鳥の雄飛が異彩を放っていた。

   
   白鳥をテーマにして、毎年、白鳥の湖に通って、優雅な舞姿を撮っているのだが、今年は、相当シャッタースピードの遅い流し撮りの白鳥を撮ったので、羽の細部が消えて非常に優雅なシルキータッチの柔らかい感触が秀逸で、下部に流れる一直線の光の軌跡が絵を荘厳していて美しい。
   いくら、飛ぶ時には頭と足は微動だにしない白鳥だと言っても、白鳥が正確に水平方向に飛び、白鳥の飛翔とカメラの移動スピードが、一致しないと、このように、鳥の頭部と足にピントが合わないので、チャンスに恵まれた上に、相当のテクニックがないと撮れない筈。
   何日も通ってチャンスを待つと言うのだから、まず、その根気強さに舌を巻く。
   

   今回は空高く舞うオオタカやハヤブサなどのタカ科の写真がかなりあったのだが、フリーズして切り取った飛翔姿の一瞬が、実に優雅で美しく、正に、荘厳である。
   高く飛んでいるので、肉眼では、その迫力なり雄姿は気付かないのだが、このように写真で見るとその面構えや飛翔の優雅さを実感できる。
   私など、望遠で狙うのは不可能なので、普通レンズくらいでカメラを構えて写真を撮り、トリミングせざるを得ないのだが、佐川さんは、撮った写真には、一切手を振れずに、そのままの状態でプリントすると言うのだから、何時も、一発勝負なのである。
   
   
   

   静止している野鳥だと言っても、野山を踏み分けて行かなければ撮れない鳥もあるのだろうが、結構いろいろな鳥も撮っていて、梟が並んでいる写真や、ハスの花に止まっているカワセミの写真等も面白い。
   花と鳥が遭遇する写真などは、タイミングが難しいのであろう。
   
   
   

   私が興味を持ったのは、スズメの親子を撮ったセット写真で、日頃何となく身近に見ていて、特に注意さえ払わない鳥が、このような写真にすると、実に優雅に物語を語っているのである。
   私など殆ど被写体の意識さえなかったのだが、これからは、一寸、身近に観察しようと思っている。
   佐川さんの優しくて温かい眼差しが光っている写真で、感動的である。

   ところで、上の写真は、晴れの日、下の写真は雨の日、と言うことだが、光の関係で、シャッタースピードの違いが、絵作りを変えていて、微妙に、雰囲気が変わっているのが面白い。
   
   
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