熟年の文化徒然雑記帳

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何故バークレイにはプリウスが多いのか?・・・エコノミスト・コム

2008年06月17日 | 地球温暖化・環境問題
   猛烈なグリーン旋風。地球環境に責任を持った新製品と銘打った商品が新発売されない日はないくらいで、今日も、水を使用しないカー・ウォッシュ、省エネパソコン・モニター、バクテリア殺菌食器棚等々、本来、グリーン・コンシューマリズムと言う言葉自体が二律背反だが、そんなことは忘れよう。
   このような商品が、効能書きのような効果と便益があるのかどうかはとも角、一体誰が、エコ商品を買うのであろうか。金持ちか、理想主義者か、ケチ人間か、或いは、罪の意識を持った人間か。
   そんな書き出しで始まる記事を、ロンドンのエコノミスト誌の電子版で見た。(この口絵写真も、記事中のプリウス)

   UCLAの経済学者マシュー・カーン氏とライン・ヴォーン氏が、カリフォルニアのグリーン・コンシューマリズムのパターン研究を実施し、バークレイ地区が、最もプリウス、オーガニック食品、太陽電池多くて、ハンマー車などはないと言うことに気付いたと言う。
   二人は、グリーン建築、ハイブリッド車などエコ商品の所在を地図上にプロットして、年齢、所得、人種、それに、その地区の政治傾向など克明に調査し、グリーン・コンシューマリズムの地理的分布図を作成し、349地区を、グリーン度順にランク付けを行った。
   しかし、同じ裕福な白人の居住区である、マリブでは、プリウスが多かったが、ビバリーヒルズでは、少なかったのだが、それだけで、マリブの方がグリーン度が高いとは推論できなかったと言うように、何故、特定の地区にプリウスが多いのか、グリーン度が高くなったのかを、はっきりと学問的に特定出来なかったようである。
   
   それでは、何が、その地区のグリーン度を高めているのかについて、カーン博士は、最初の切っ掛けは、非常に些細な、例えば、海岸に近いとか、或いは、公共交通機関の利便性だとかが最初のシーズとなってグリーン・コミュニティへの引き金を引いていると推論している。
   このシーズが、豆腐レストランやバイク店などのグリーン・ビジネスを惹きつけ、次々とグリーン環境を拡大して行く。
   このグリーン環境が、環境維持派の議員を選出し、環境維持の法制度や社会体制を作り上げて、更に、その地区を、益々、環境維持者に対して魅力的にして行き、グリーン化が進んで行くのだと言うのである。
   
   グリーン派は、まだ、アメリカでは少数派だが、ある特定の地域に集中する傾向があるので、プリウス効果を軽視してはならない。
   一人の住人がプリウスを買えば、触発されて隣人もプリウスを買う可能性が高いと言うのである。
   類は友を呼ぶと言う関係が、グリーン派には顕著なのかも知れない。

   しかし、エコカーや省エネ電球、省エネ住宅などが、将来の環境問題を重視する人々に対してアピールしている割には、一般の人々が、実際に、省エネ電球に切り替えたり、TVのスタンドバイ電源を切るとかと言った行動を取っているケースは少ないと言うのである。
   
   この調査は、エコビジネスを推進して行く上に、非常に示唆に富んでいて、エコビジネス関連の商品やサービスを提供している企業にとっては、特に、マーケットセグメンテーションに対する戦略構築には非常に役に立とう。
   例えば、グリーン・コンシューマリズムが強烈な地域において、集中的に事業を展開して橋頭堡を築くことによってブランドを確立し、その後にグローバル市場へと打って出ると言う手法なども一考の価値はあろう。

   カリフォルニア州の地球環境保護のための運動や経済社会の取り組みは、アメリカでも突出していると言われているが、ある特定の地域に特化したエネルギーの凝縮したグリーン思想の他地域への影響力や伝播は強烈な筈で、アメリカ世論をリードする起爆力となり得る可能性が非常に高いと考えられる。
   アメリカの場合には、ブッシュ政権が環境問題に対しては、極めてネガティブな方針を取っていたので、むしろ、地方や個人、或いは、企業などの目覚めたパーティの行動の方が進んでいるのが現状である。

   さて、日本政府も洞爺湖サミットに向かって低炭素社会への行動を始動し始めたが、保守反動とも言うべき経済界に足を引っ張られての福田総理の桧舞台なので、殆ど目ぼしい成果が上げられずに、お題目だけで終わるような気がして仕方がない。
   結局、先のUCLAの報告のように、個人的な草の根運動的な盛り上がりが重要であって、これに、不倶戴天の決意の強力な政府のリーダーシップが上手く呼応することが大切なのであろう。
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